「 強迫性障害 」一覧

トイレットペーパーを使いすぎてしまう

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

トイレットペーパーを使いすぎてしまう。
洗浄強迫や不潔強迫の人はやりがちですよね。

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一回で一ロール使ってしまい、トイレをつまらせてしまうって人もいます。

何回も拭くタイプもいるし、一回の量が多いタイプなどいろいろです。

単に「〇〇回でふくのをやめよう」「〇〇回巻くだけにしよう」とするだけではなかなかトイレットペーパーの使用量は少なくなりません。
キレイにしようとしているうちは良くならないのです。
おしりを拭いた時に「十分にきれいになった」と自分に言い聞かせることや周囲がそのように本人に話すことは逆効果となるので注意しましょう。

洗浄・不潔強迫系の人の治療の基本は
・汚れに慣れること
・キレイと汚いの境目をなくしていくこと(どこもキレイなところはなく全部汚れているって思えるようになること)
です

拭いた手やおしりが便で汚れていることが気になっているわけですから、「便で手やおしりが汚れている」と感じるような練習が必要なのです。

自分が何を恐れているのか?
何をしたら汚れた感覚を起こせるのか?
を把握して、「汚ささ」に慣れていきましょう。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


確認がやめられない

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

確認強迫の人の治療の中心は確認をしない練習をしていきます。

しかし、練習の時周囲に「○○は確認しなくていいんだよね」と何度も「確認」している人はいませんか?

「これは確認するべきなんだろうか?」という確認なんですね

ひどくなると一つ一つの行動を確認しなくては不安になってきます。

確認はしてはいけませんし、周囲もそれに応じてはいけません。

どんどんひどくなっていきますので。

一般の人にはわかりにくい強迫症状の一つです。

このようなタイプの確認癖がある人はこんな確認をする人も多いです。
誰かと話をしていると・・・
「相手の話をきちんと聞けただろうか」
と不安になり何度も聞き直す。
「自分の言ったことが正確に伝わっただろうか」
と不安になり何度も言いなおす。

克服するためにはこのようなことが必要です。
・聞いたり言い直したりすることはしない
・周囲も応じない

強迫症状に慣れていないと医療機関でも間違った対応がされることもあります。
強迫行為の確認だとは思わず、答えてしまう場合があるのです。

当てはまる方は早めに行動療法をやっている施設で相談してみてください。

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何度確認してもやめられない

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

確認強迫の人は、ガス、ドア、水道、コンセントなどを何度も確認してしまいます。

確認しないでいこうとすると「あれ、さっきドアしめたかな」となります。

確認して安心しますが「自分が見たことは本当にあっているのかな」と確認します。

それを何度も繰り返すのです。

じ~っと、ドアなど不安な場所をみても、不安はなくなりません。

逆にもっと不安は強くなるんです。

こういう人は記憶を頼りにしても無駄です。

いくら記憶しようとしても、記憶が自信がなくなっているのです。

あとで頭の中で自分の記憶をたどってはいけません。

も~と、不安になって戻りたくなります。

時々「自分は記憶力がダメになったんじゃないか」と思う人もいるくらいです。

もちろんそんなことはありません。

治れば大丈夫になってきます。

確認強迫の人は自分の記憶に頼らず、確認しないで不安に慣れていくことに集中しましょう!

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洗浄強迫・不潔強迫が良くならない人の共通点

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

洗浄強迫・不潔強迫の人が症状を克服しようとするとき。

どうしても「手洗いを短くしよう」「手洗いをなくそう」という発想になりがちです。

もちろん、と~っても大事なことです。

しかし、それだけに着目するとうまくいかないことが多いのです。

なぜうまくいかないか?

よくあることを書いたのでチェックしてみてください。

①手洗いはしていないが、苦手なもの(汚いと思っているもの)に触っていない
これが一番多いと思います。
全く手洗いはしていないけれど、自宅に引きこもっていて何も触らないようにしていたとか。
苦手なものに触った上で手洗いを「ゼロ」にする、をやっていきましょう。

②苦手なものに触ってはいるが、キレイにしておきたい場所を作っている
「ここだけはキレイさを保ちたい」という場所がありませんか?
ベッド、リビング、自分が大切にしているものなど。
いわゆる「聖域」というやつです。
きちんと聖域を汚していきましょう。

③苦手なものに触る時に頭の中で「きれいだ」「大丈夫だ」と言い聞かせる・周囲に「大丈夫だよね?」と確認する
頭の中で安心させること、周囲に安心を求めるようなことをやりながら練習してもうまくいきません。

④苦手なものに触った後にすぐに入浴している
入浴前にしか触らない、では十分によくなりません。

⑤手洗いを短くしようとばかりしている
途中までは良くなる可能性はありますが、苦手意識は変わりにくいです。
手洗いを短くするといっても結局は強迫行為をしているので。

最初のうちは基本的に「手洗いを短くする練習」ではなく「汚れに慣れていく練習」という発想で練習していくことがコツです。

やれば結構よくなりますのでやり方を間違えないようにしましょう。

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強迫性障害の家族からあるよくある質問

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害は家族を巻き込みやすいです。

家族にも手洗いや潔癖を要求する、家族に確認をもとめてしまう。

最初は「本人のために」と思ってやっていったことがエスカレートしていくんですね。

結果として本人も家族も疲弊していきます。

だから巻き込みに対しての要求には応じてはいけません。

このことでよくある質問とその返答について書いてみました。

Q:3回に一回くらいは本人の(強迫の)要求にこたえてもいいですか?
A:「ちょっとだけ」「一回だけ」に誘惑に耐えるのは本人だけではありません。ご家族も一切応じてはいけません。症状の悪化につながります。

Q:泣いたり、叫んだりしたら要求に応じていいですか?おかしくなるんじゃないかと心配です。
A:泣いても、叫んでも強迫の要求にこたえてはいけません。おかしくなることは絶対にありません。苦しんでいる本人をみてご家族もつらいと思いますが、ここがふんばりどころです。ただし、思いやりをもって強迫への要求を断ってください。

Q:(不潔強迫の行動療法をやっている場合)帰宅したら手を洗ってほしいのですが・・・。私もやってるし普通の人だってやってますよね?
A:「普通の人」を基準に治療をしているとあまりよくなりません。ご家族まで同じようにする必要はありませんが、ご本人の治療には理解をしめしてあげてください。

よくある質問ですが、実際のところアドバイス通りにはいきません。

ついつい要求に応じてしまったり、「失敗したなぁ」と思うようなことをするものです。

右肩上がりに対応がうまくならないのはご家族もご本人も同じです。

良くなっていく過程ではいろんな葛藤があるでしょう。

少しずつ対応方法に慣れていってくださいね。

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頭の中の強迫行為にご注意を

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

強迫行為の「行為」というと
「目に見えている行動」
「振るまい」
をイメージしていませんか?

これは違います。

強迫行為には頭で考えていることも含むんです。

例えばメールを送ったかどうか確認しようとして

「大丈夫、大丈夫、送った、送った」

と頭の中で安心を得ようとして、フリーズしているように見えることがあります。

この時頭のなかで「大丈夫」「送った」と何度も繰り返していることも強迫行為です。

強迫性障害には行動療法が有効であると有名ですが行動療法でいう「行動」の意味は一般的な「行動」とは違います。

頭の中で考えていることとも「行動」とみなします。

行動療法の「行動」は死んでいる人ができないことが「行動」と言われています。

考えることは死人にはできません(多分)。

行動療法でも頭の中で考えていることは扱います。

「目に見えている行動しか扱わないのが行動療法」という誤解ですからね。

強迫の人は頭の中で行っている「行動」も注意してみてください。

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ウィルスを防ごうとすると強迫になる?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

ノロウィルスやインフルエンザが流行っていますよね。

テレビでは、特殊な蛍光塗料をつけて部屋で遊んだり作業をさせ、ブラックライトで蛍光塗料の広がりを見せて
「こんないっぱいウィルスって広がっているんですよ」
というものをこの時期になるといつもやっています。

これをみていると、どこに触っても塗料がつきます。

食べ物、ドアのとって、スイッチ、家具、おもちゃ、顔。

だから外から帰ったら手を洗いましょうということですが・・・。

この理屈でいくとウィルスを防ぐとなったら、
・帰宅したらどこもふれずにシャワーをあびて、着替える
・外からもってきたものは家の中にはもちこまない
・触ったものは常に拭く
・家族も同様のことをさせる
となりますよね。

これって・・・いわゆる洗浄強迫・不潔強迫ってやつですよね。

テレビの実験でやっているような結果を完全にやろうとしても無理ですし、やろうとすれば強迫性障害の領域となってしまいます。

ウィルス予防は大切ですが、一般家庭ではやりすぎにご注意ください。

あ、洗浄強迫と不潔強迫の人は基本的に手洗いはダメですよ。

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強迫の手洗いも色んなタイプがあります

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害の代表と言えば、手洗いをするような強迫ですよね。

この手洗いなんですが、不潔なものが嫌だから手洗いをするとは限りません。

人によっては・・・

・不吉な事や嫌な事が思い浮かんだ時に手洗い

・特定の人(親、異性、知人、特徴的な人など)に嫌悪感を抱いて手洗いをする

・汚いとは思わないけれど、なんとなくすっきりするまで手洗いをする

などなど、人によって様々です。

いろんな強迫のタイプと結びついているようです。

ほっとくと不潔強迫のように手洗いしたい対象はどんどん広がっていくので治療が必要です。

ものによりますが基本的な治療の仕方は洗浄強迫や不潔強迫と同じような感じです。

・苦手なものに接近して

・手は洗わない

・嫌な感覚に慣れていく

治療は早め早めでやっていきましょう。

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子どもの強迫性障害に行動療法は有効?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

以前からあったよくある質問なのですが、最近も多くなってきたので書きます。

「子どもの強迫性障害にも行動療法有効ですか?」

ということ。

結論から言いますと・・・有効です!

世界中の研究結果からも明らかですし、実際に私も良くなっていく子はたくさん見てきましたし。

しかし、医療関係者の間でもこのことを知らない人も多いようです。

「子どもの強迫性障害に行動療法はできないよ」

と、間違った情報をお医者さんからも言われることもあります(もしかしたらそのように言われることが多いかもしれません)。

行動療法専門のお医者さんってあまりいないので正確な情報が行き届いていないのかもしれません。

それでお薬のみの治療になってしまう。

もちろんそれで良くなっているのであればいいのですが。

薬で良くなっていない人ってたくさんいます。

だから子どもにも行動療法をおすすめしています。

症状がひどくなり、日常生活に支障をきたす前に治療していきましょう。

ただし大人と同様、子どもの行動療法も本人の「良くなりたい」というモチベーションが必要となります。

ご両親が嫌がっているのを無理矢理病院に連れてきて「行動療法やってください」ではうまくいかないことが多いのでご注意ください。

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強迫性障害の治療に「一回だけ」は危険

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害の克服する練習の途中でついつい起こってしまうこと。

「一回だけ」

という誘惑にかられること。

「今回一回だけ確認」
「今回一回だけ手洗い」
「今回一回だけすっきりしないからやりたい」

多くの場合「一回だけやろう」とすると、一回だけでは止められません。

「一回だけ」「今回だけ」をきっかけに強迫行為が強くなってきます。

「普通の人だって一回くらい確認するじゃない」
「普通の人だってトイレの後は一回手を洗うじゃない」

という誘惑も同時に出てくるものです。

「普通の人でも・・・」という誘惑にかられると「一回だけ」になってしまい、強迫が強くなります。

心当たりがある人も多いのでは?

このため「一回だけやる」という練習は大抵うまくいかないのです。

大変だとは思いますが「一回だけ」の誘惑には乗らないようにしましょう。

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