「 2011年05月 」一覧

社交(社会)不安障害・対人恐怖の治療

臨床心理士の鈴木です。

人の視線が気になるなど、社交(社会)不安障害・対人恐怖症の方の多くは、大人になってからというよりは、子どもの頃から悩んでいるといわれています。

患者さんを見ているとそのような人が確かに多い印象です(もちろんそうでない人もいますが)。

治療しない場合、一生続く可能性もある病気です。
このため治療が必要です。

しかし、自分も周囲も「性格の問題」としてしまうパターンが少なくありません。
性格は変わらない→ということは治らない→治療を受けてどうこうなるわけではない、となってしまい、治療までたどりつかない方が大部分のようです。

「気の持ちようだ」「自信をもとう」「プラスに考えよう」など思いこもうとしても治りません。
自己啓発本を読んでも似通ったことしか書いてないと思います。

インターネットの普及で治療法などが広まってはいますが、これがまた怪しげなものが多い。
催眠療法と称して「胎児の頃にもどって、安心感が得られれば治る」といったものを良く聞きます。
また姿勢を治せば良くなるといったものも少なくありません。
さらにホームページで「独自に開発した治療法」として「利用者の絶賛されたコメント」があり、長いページの後に「ここをクリック」として誘導しているパターンが本当に多いですね。
それだけで治るのならば苦労はありませんし、治療的根拠もありません。
また数万~数十万と多額の料金を請求されることもあります。
値段が高い=質が高くて信頼のおける治療をしている、というイメージ戦略にのってはいけません。

実際の治療法としては薬物療法と認知行動療法があります。
どちらも科学的根拠(エビデンス)の出ている方法です。
もちろん一長一短はありますが、今のところそれ以上に効果をあげている方法は見当たりません。

改善するためには病気と治療法に正確な知識をもつことは重要です。
安易な民間療法は時間とお金を費やす結果となりやすいのです。
このため薬物療法や認知行動療法の実施機関の受診をお勧めします。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は
浦和すずのきクリニックの受付、
または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。


過食と拒食と認知行動療法と対人関係療法

臨床心理士の鈴木です。

過食症や拒食症の方がこられると、対人関係療法をしてほしいと言われることが多いです。
もちろん希望されれば対人関係療法を実施します。

対人関係療法の他に認知行動療法を聞いたことがある人もすくなくありません。
ただ、認知行動療法というと、特に入院経験者は「行動制限させられるのでは」「考え方を変えるようにいわれるのでは」「体重管理をさせられるのでは」「バランスよく食べましょうという教育」という先入観があり、抵抗があるようです。
認知行動療法への誤解の一つかと。

私のところは外来のみですので行動制限することはありません。
またマイナス思考をプラス思考にするのが認知行動療法ではないので、無理やり考え方をかえるようなこともしません。
無理やり体重計に乗せて体重管理をすることもりません。
バランスよく食べることは重要ですが、それができないから困っているのでそこはカウンセリングの中心にはしません。
ご安心下さい。

過食症は過食をすることで精神的なバランスを保っている部分があります。
それを「過食しなければよい」と思い、過食を我慢してもストレスとなりますし、我慢できずに過食してもストレスとなります。
何を食べたか、カロリーはどれくらいか、体重は何キロか、見た目はどうか、人からどのように思われているかといったことばかり考えます。
そうするとさらに不安定になり過食がひどくなるという悪循環。
そのような状態を人には言えず、仮に言ったとしても他人には理解されず孤独感に悩まされる。
気持ちも休まりません。

このようにして自分の行動が過食中心となり、生活の大部分を占めてしまいます。
自分が本来送りたかった生活から遠のいていくのです。

「今日もまた過食をしてしまうのか」という悩みから開放されることは心地よいものです。
認知行動療法や対人関係療法はそのような悩みからの解放して、「こうありたい」と思っている生活が送れるようにお手伝いする方法でもあります。
「もう良くならないでは」とあきらめず、ご相談ください。

うつと不安のカウンセリングご希望の方は
浦和すずのきクリニックの受付、
または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。