摂食障害の治療方法とインターネットサイト

臨床心理士の鈴木です。

最近インターネットを使って調べ物をしていました。
精神的な病気についてネットで調べようとすると、様々な情報があふれていますね。
そこで気になったことがいくつかありました。
今回は摂食障害のサイトについて少しお話します。

摂食障害のサイトなんかで多いのは
「摂食障害は過去の親子関係が原因となっており、そのトラウマが癒されることで治る」
という、根拠に乏しいフレーズ。
ネットや書籍でかなり広まっている説です。
「自分にあてはまる」と思わせるようなエピソードを載せるため信じてしまう方も多いでしょう。
しかし、正確な情報を言いますと過去の親子関係が原因である根拠もありませんし、そのトラウマが癒されれば治るという根拠もありません。

私なんかはそこに「催眠」「前世療法」などと書いてあったら、なおさら怪しく感じてしまう。
皆さんもカウンセラーのプロフィールをみると臨床心理士ではないことに気づくと思います。

一番まずいのは「過去の親子関係が原因」と言って、「親に謝ってもらう」ことが治療としているパターン。
両親との関係が悪化して、「わかってもらえない」という結果に。
または両親から「悪かった」と言われて一時的にすっきりしても、現実は何も変わらないという結果。
そうなると「まだ私の傷は癒えていない」という悪循環。

さらに「認知行動療法や対人関係療法やってます」と書いてあると「?」と思う。
認知行動療法も対人関係療法も「過去の親子関係が原因」「親に謝ってもらわなくてはいけない」とはしていません。
治療者がどちらの療法にも精通していない証拠でしょう。

例え実際に親子関係のトラウマがあったとしても、過去は変えられません。
過去をなんとかしようとすることはさらに過去にしばられることになります。
変えられるのは「今」です。
「今」を変えられれば「今」感じられる「過去」への思いも変えられることはあるかもしれません。

過食症や拒食症で悩んでいる方はたくさんいらっしゃって、藁をもつかむおもいで治療方法を探しているものです。
治療法について正確な情報が伝わるようになれば良いのですが・・・。

うつと不安のカウンセリングご希望の方は
浦和すずのきクリニックの受付、
または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。


認知行動療法によるストレスマネジメント

臨床心理士の鈴木です。

東京・丸の内でJR職員を対象にした、メンタルヘルスについての講演をしてきました。

私は援助職として働いている方対象の講演が多く、一般の方対象の講演は約3年ぶりです。
そのせいかいつもよりも緊張したような気がします。

最近では大企業を中心にメンタルヘルス予防に本格的に取り組もうとする傾向があるようですね。

今回は認知行動療法を中心としたストレスマネジメントについてお話をしました。
「ストレス状況でどのような考え方・行動をすればよいか」について一般の方はなかなか知る機会がないと思います。

健康な方も悩んでいる方もストレスマネジメントを学ぶことは非常に重要です。
実はストレスレベルが高すぎても低すぎても生産性は落ちる傾向があります。
このためストレスの付き合い方を学ぶことによって、仕事のパフォーマンスレベルをコントロールできるのです。

特に認知行動療法はスキルとして学びやすいと思います。
ストレスマネジメントに興味のある方は認知行動療法を書籍からで良いので学んでみるとよいでしょう。

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忘年会でのビンゴ

臨床心理士の鈴木です。

毎年恒例、関連機関合同の忘年会がありました。
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私は仕事が終わった後に行くので、会場についた頃にはほとんど食べ物はありません・・・。

お腹がすくのは我慢しつつ、忘年会のメインイベント、ビンゴに期待。
大型テレビや旅行券、ブランドバックなど比較的豪華な賞品があります。

いつもリーチまではいきますが、ビンゴにならない私。
今回も4つリーチがあったのにもかかわらずなかなかビンゴになりません。
そんな私がなんと!今回初めてビンゴになりました!
・・・と、思ったら最後の方だったので商品が足りなくなりジャンケンに。
このパターンは・・・と嫌な予感はしましたが案の定、一回目のジャンケンで負けました・・・。

今年も参加賞のチョコレートで我慢です・・・。

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復職支援のシンポジウム

臨床心理士の鈴木です。

名古屋で開催された行動療法学会に参加してきました。
私は○○研究室出身など学閥のようなものには属していないのですが、学会に参加しているとこんな私でも色んな方に声をかけてもらえるようになりました。
学会に参加していたさいたま市にいる行動療法家と合同勉強会の企画を模索したりと、学会に参加していると今後の技術向上となる出会いがあってワクワクします。

学会での話題に一つに復職支援についてのシンポジウムがありました。
有名どころの復職支援プログラムの内容について聞くことができましたが・・・。
実施している内容や問題となっているところは、どこもそれほど変わりないなぁという印象。

共通していたのは「何のために働くか」ということを場合によっては話し合うといったところ。
「こうありたい」と思うところと実際の状況が大きいほどストレスが増すものです。
そこをどう埋めるか考えずにただ復職することだけを目指すとうまくいかなこともあります。
職場に戻れば、状況は変わっていないことも多いわけですから。

「病気」「休職」を通じて「自分はどのように生きていきたいか」について考えるということも大切かもしれませんね。

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「心の病」と家族の対応

臨床心理士の鈴木です。

「こころ病」になると患者さん本人だけでなく、周囲の対応も大事です。

例えば
妻がうつ→夫に悩みを言う→最初は聞いてくれるが次第に「○○したら」という→「でも・・・」と否定的なことばかり言っていると夫が怒る、または「おれも疲れてるんだ」と言ってくる→さらにうつが悪化

よくあるパターンですが当てはまりませんか?

こうなると「わかってくれない」「相談してもムダ」と考え、孤独感に悩まされ、悪循環に入っていきます。

周囲も悪気があるわけではなく一生懸命なのですが、実際の場面となるとどう接していけばよいかわからなくなるものです。

時々「家族も同席してよいですか?」という質問を受けますが、もちろん構いません。
家族にどのように説明して良いか、または家族がどのように対応したら良いかということを話し合うことにより、突破口が開かれることもあります。

悪循環に気づいたら一人で悩まず早めに相談してみてください。

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パニック障害と飛行機

臨床心理士の鈴木です。

先日、飛行機に乗っていると「ハート形の島が見えます」というアナウンスが流れました。
外をのぞいて見るとこんな光景が。

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天気が良かったのできれいに見えたとのこと。
そのように言われるとお得な気分になります。
日本にも何個かハート形の島があるようですね。

飛行機はよくパニック障害の方が怖れている状況の一つです。

「飛行機なんか一生乗らなくても良い」と思っている人は克服しようとは思わないかもしれません。
しかし「本当は飛行機にのって旅行したい」と思っている人は何とかしたいところでしょう。

頓服薬を持っていれば飛行機に乗れるという人ならよいのですが、いざその場になると薬を持っていても不安に耐えられず飛行機を降りてしまう方もいます。

パニック障害に限ったことではありませんが、自分のやりたいことをやれなくなることがこのような病気は一番困ることでしょう。
娯楽、旅行、仕事、出産、育児など、「普通」であるはずのことができないことはつらいものです。

このブログでしつこいくらい書いていますが、薬だけでなかなか良くならない方、自分では解決の糸口をつかめないは方は、認知行動療法を試してみるとよいですよ。
きちんと科学的根拠のある方法です。

日本でも認知行動療法を実施している機関が増えています。
お近くの実施期間を探して見てください。

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相談システム

臨床心理士の鈴木です。

先日東京で行われた臨床心理士の会合に行ってきました。

テーマは「自殺対策」。

年間3万人くらいの方が自殺しているといわれています。

自殺の原因としては、雇用情勢、借金、アルコール、うつ病など様々挙げられていますが、一つのことが原因というよりも複数のことが要因となっていることが多いようです。

雇用情勢の悪化→解雇→借金→家族内でもめる→仕事のことでも家庭のことでも悩むようになる→うつ病→自殺
といったパターンが結構あります。

このようなパターンを防ぐためにうつ病治療のため医療機関を受診することが大切ですが、借金ある場合は弁護士だったり就労のことであればハローワークなど、様々な専門家の助けが必要です。

ただ、特に男性の方は困っても相談しないという方も少なくなりません。
私のカウンセリングを受けている方でも8割くらいが女性です。
男性は人に相談することへの抵抗感が強いのかもしれません。

もう少し相談のしやすいシステムや風土をつくる必要がありそうですね。

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双極性障害について

臨床心理士の鈴木です。

今日はさいたま市介護支援専門員の集会に呼ばれて研修会の講師をしてきました。
場所はプラザイースト。
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テーマは「ストレスマネージメントとうつ、躁への対応」。
つまり普段困っている人を援助する専門家のストレス処理をどうするか、というテーマです。

認知行動療法を中心としたストレスマネージメントをお話してきました。
研修会は何度やっても、最初の5分くらいは緊張しますね。

「うつ」と「躁」への対応については時間がなくて詳しく話せず。
残念。

うつ病と言われている人の中には「躁」状態が隠れていることもあります。
いわゆる「双極性障害(躁うつ病)」というものです。
うつかと思えば、急に元気になったように思えて活動性が急に増したり、イライラ感が強くなったりします。
場合によっては高い買い物をしたり、気持ちが大きくなったりして周囲に迷惑をかけたり、あまり眠らなくても元気なままでいることもあります。
治ったと思ってそのままでいると急にうつになり「うつの再発か」と誤解されり、「性格の問題」と言われたりして良くなりません。

双極性障害は薬物療法をきちんと受けることが必要です。
それとここでも認知行動療法を併用することで、再発予防にもなります。
うつと躁状態を把握の仕方、対処の仕方、生活リズムの整え方、家族の対応、などを学ぶ必要性があるのです。

思い当たる方は、早めに相談してみましょう。

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認知行動療法への誤解

臨床心理士の鈴木です。

近年、認知行動療法が医療機関等で盛んに行われるようにはなってきました。
本屋をのぞいてみると一般の方が自分で書き込みながらできるような本も増えてきています。
自分で本を買ってみてやってみたという方も少なくないと思います。
うつ病や不安障害に効果があると認められているという情報が様々なところから入っていっているようです。

それに伴い、誤解される方も増えています。
認知行動療法の本を見た感想で一番多いのが
「プラス思考にする方法ですよね。そのように考えれば良いのはわかりますが、考えられません。だから認知行動療法は合わないような気がします」
ということでした。

マイナスの考えに反論してプラス思考にするのが認知行動療法と思われているようです。
実はそのように誤解があるのは一般の方だけではありません。
よく精神科の医師からそのような説明を受けることがあるようです。
そして「あなたには認知行動療法は合わない」と医師から言われていることも少なくありません。
これは精神科の医師でも、認知行動療法については表面的な情報しか知らない場合があるのが原因の一つです。

新聞やパンフレットにもそのように紹介されている場合もあるので、誤解が生まれても仕方ないのかもしれませんが・・・。
それと他の機関で認知行動療法を受けてきた患者さんから話を聞くと、「考え」に反論する練習ばかり指導されて「いくらやってもプラス思考になりません」と訴える方も少なくありません。
つまり、下手をすると臨床心理士の中でも誤解している人がいるかもしれないということです。

本を読んでもうまくいかない場合は、認知行動療法の専門家に一度相談してみるとよいと思います。
誤解があったり、やり方がまずかったりしているところを指摘してくれるかもしれません。

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眠れないときの羊

臨床心理士の鈴木です。

眠れないときにはどんなことを考えていますか?

実際のところ一番多く聞くのは「眠るときに嫌なことを考えてしまう」ということ。
悩んでいる時の就寝時間は嫌なことを考えやすい場です。

「嫌なことを忘れよう」としても忘れられないものです。

ではどうすればよいか?

そんな時の対処として昔から「羊が一匹、羊が2匹・・・」といった方法があります。
これはこれで余計なことを考えることを妨害することに成功することがあるのかもしれません。

しかし、なかなか眠れなかった場合は「羊が100匹・・・」と数が増えていくこと=眠れていないことの自覚、につながり眠れなくなります。
また有名な方法ということもあって、羊自体が眠れない意識を活性させることもあるようです。

不眠への対応としては様々な方法がありますが、どんな方法をとったとしても「眠ろう」という意識が強いとうまくいかないことが少なくありません。

まずは眠ろうとするに執着することから離れる練習が必要でしょう。

その練習方法としても認知行動療法があります。

以前にも書きましたが不眠への認知行動療法というものもあります。
特別なものではなく普通の認知行動療法がわかればすぐにできるものもあります。
しかし、睡眠薬のようにすぐに効果が出現するものではありません。
数週間~数ヶ月単位で粘り強くやっていくことで効果が報告されている方法です。
今すぐに寝た方が良い、という方には不向きかもしれません。
一方で睡眠薬以外の方法を知りたい、という方にはいいかもしれません。

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