夏と摂食障害

臨床心理士の鈴木です。

だんだん暑くなってきましたね。

追い打ちをかけるように節電で暑苦しい。

暑くなれば、薄着になります。
薄着になればボディラインが目立ちやすい。
このため「夏に向けてダイエット」なんて特集が毎年のように組まれていますね。
冬になれば「正月太りを防ぐ」なんて特集がでるので結局は一年中特集が組むことができるわけです。

そのような特集はやせたい人の目を引くのかもしれません。

「やせれば前向きになれる」と思っている人もいるでしょう。
確かに一時は前向きになれるでしょう。
しかし、いつまで前向きでいられるのでしょうか?

仮にやせたら今度は「昔のように太りたくない」と、痩せることに懸命になります。
太らないようにカロリーを計算、食事を制限・・・。
結局は太る恐怖に悩まされ、痩せる前と何も変わらず前向きにはなれないことが多いものです。

摂食障害の方はこのような経験がある方が多いかと思います。

体重や外見に囚われ続けると、人生の大切な部分を失うのかもしれません。
悩んでいる方は専門家の手を借りてはやく自分の人生を取り戻していきましょう。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は
浦和すずのきクリニックの受付、
または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。


うつ病の講演会

臨床心理士の鈴木です。

さいたま市緑区役所で、区役所職員や看護師、ケアマネージャーの皆さん対象に研修会の講師をしてきました。

私はいつも道に迷うので、今回は会場まで迷わないようにと、車のナビに従って行きましたが・・・。
私の車のナビはどう考えても私を迷わそうとしているとしか思えません。
なぜか紛らわしい小道にはいり、曲がれない道路を曲がれと言います。
これは嫌がらせに近いですねぇ。
設定を変えたくても私は機械が苦手なので変えられません・・・。
予定よりも早く出たので遅刻せずにすみましたが・・・。

研修テーマは「精神科的基礎知識~うつを中心に~」。
うつの診断や薬の副作用、うつ病への対応について、看護師さん等医療・福祉のスタッフの皆さんが教科書的な知識ではわかりにくいと思われることを中心にお話してきました。
わかりにくい「うつ」。
身体の病気と「うつ」。
休んで薬を飲んでいても治らない「うつ」。
「うつ」でだるくて動けないときはどうすればよいか。
認知行動療法的な戦略、など。
ボイスレコーダーにとられているにもかかわらず、いつものように余計な話が多かったような。

印象に残ったのは、研修終了後の交流会で司会者の方がお話された私への印象。
私は研修会の時のマイクの持ち方に特徴があるそうです。
「先生がカラオケでマイクをもつ時はあんな風にもつんだろうなぁ、と思ってみてました」
と言われました。
どんな持ち方なんでしょう・・・。

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うつの悪循環

臨床心理士の鈴木です。

「うつ」になったとき、当然お薬がでます。
特に最初のひどい時はお薬と休養が一番良いです。
無理に身体を動かそうとせず、ゆっくり過ごすと自然に回復してきます。

ところが数ヶ月以上経っても変わらないことはないでしょうか?
不安になったら頓服を服用する。
イヤなことが思い浮かべば、眠って考えないようにする。
身体はだるいので家の中に閉じこもる。
このように「安静」にしていれば一時的には楽になるのかもしれません。

しかし、休んでいる間はイヤなことがさらに思い浮かぶものです。
だんだん効かなくなってくる頓服。
なかなか良くならない「うつ」。
先の見えない現状。
目にうつる人と比較。
元気だった頃の自分との比較。
プラス思考に考えられる方法を探そうとするが考えられない自分に落ち込む。

このようにしてさらに「うつ」に囚われます。
そうすると、また同じことを繰り返す・・・。

どのようにすればこの悪循環から抜け出せるのか。
この悪循環から抜け出す方法を提供するのがカウンセリング(認知行動療法)です。
一時しのぎの安心からの離脱や、だるさ・イヤな気持ちに囚われずやりたいことができるようにする援助をしていきます。

「いつまでも悪循環にはまりたくない」と思ったら、カウンセリング(認知行動療法)を受けてみてはいかがでしょうか。
少なくとも良くなるヒントは見つかると思いますよ。

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社交(社会)不安障害・対人恐怖の治療

臨床心理士の鈴木です。

人の視線が気になるなど、社交(社会)不安障害・対人恐怖症の方の多くは、大人になってからというよりは、子どもの頃から悩んでいるといわれています。

患者さんを見ているとそのような人が確かに多い印象です(もちろんそうでない人もいますが)。

治療しない場合、一生続く可能性もある病気です。
このため治療が必要です。

しかし、自分も周囲も「性格の問題」としてしまうパターンが少なくありません。
性格は変わらない→ということは治らない→治療を受けてどうこうなるわけではない、となってしまい、治療までたどりつかない方が大部分のようです。

「気の持ちようだ」「自信をもとう」「プラスに考えよう」など思いこもうとしても治りません。
自己啓発本を読んでも似通ったことしか書いてないと思います。

インターネットの普及で治療法などが広まってはいますが、これがまた怪しげなものが多い。
催眠療法と称して「胎児の頃にもどって、安心感が得られれば治る」といったものを良く聞きます。
また姿勢を治せば良くなるといったものも少なくありません。
さらにホームページで「独自に開発した治療法」として「利用者の絶賛されたコメント」があり、長いページの後に「ここをクリック」として誘導しているパターンが本当に多いですね。
それだけで治るのならば苦労はありませんし、治療的根拠もありません。
また数万~数十万と多額の料金を請求されることもあります。
値段が高い=質が高くて信頼のおける治療をしている、というイメージ戦略にのってはいけません。

実際の治療法としては薬物療法と認知行動療法があります。
どちらも科学的根拠(エビデンス)の出ている方法です。
もちろん一長一短はありますが、今のところそれ以上に効果をあげている方法は見当たりません。

改善するためには病気と治療法に正確な知識をもつことは重要です。
安易な民間療法は時間とお金を費やす結果となりやすいのです。
このため薬物療法や認知行動療法の実施機関の受診をお勧めします。

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過食と拒食と認知行動療法と対人関係療法

臨床心理士の鈴木です。

過食症や拒食症の方がこられると、対人関係療法をしてほしいと言われることが多いです。
もちろん希望されれば対人関係療法を実施します。

対人関係療法の他に認知行動療法を聞いたことがある人もすくなくありません。
ただ、認知行動療法というと、特に入院経験者は「行動制限させられるのでは」「考え方を変えるようにいわれるのでは」「体重管理をさせられるのでは」「バランスよく食べましょうという教育」という先入観があり、抵抗があるようです。
認知行動療法への誤解の一つかと。

私のところは外来のみですので行動制限することはありません。
またマイナス思考をプラス思考にするのが認知行動療法ではないので、無理やり考え方をかえるようなこともしません。
無理やり体重計に乗せて体重管理をすることもりません。
バランスよく食べることは重要ですが、それができないから困っているのでそこはカウンセリングの中心にはしません。
ご安心下さい。

過食症は過食をすることで精神的なバランスを保っている部分があります。
それを「過食しなければよい」と思い、過食を我慢してもストレスとなりますし、我慢できずに過食してもストレスとなります。
何を食べたか、カロリーはどれくらいか、体重は何キロか、見た目はどうか、人からどのように思われているかといったことばかり考えます。
そうするとさらに不安定になり過食がひどくなるという悪循環。
そのような状態を人には言えず、仮に言ったとしても他人には理解されず孤独感に悩まされる。
気持ちも休まりません。

このようにして自分の行動が過食中心となり、生活の大部分を占めてしまいます。
自分が本来送りたかった生活から遠のいていくのです。

「今日もまた過食をしてしまうのか」という悩みから開放されることは心地よいものです。
認知行動療法や対人関係療法はそのような悩みからの解放して、「こうありたい」と思っている生活が送れるようにお手伝いする方法でもあります。
「もう良くならないでは」とあきらめず、ご相談ください。

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地震後の心のケア

臨床心理士の鈴木です。

この度の東日本大震災で被災され方に心よりお見舞い申し上げます。

この震災で私の知っている臨床心理士や医療スタッフでも被災された方がたくさんいました。
地震以降心身の不安を訴える人も多いようです。
被災者でもある臨床心理士や医療スタッフが被災地で心身のケアにあたっています。
これからさらに心のケアの需要が増えてくるでしょう。

一方で、被災地の方だけでなく、首都圏の住んでいる方も精神的に不安定になっていることが報道されています。
それは様々な要因があるとは思うのですが、最近多いなと感じることがあります。
その一つなのですが・・・
毎日のようにテレビで「がんばろう」というメッセージが流れます。
それをみて「しんどい」と思う人が増えているような気がします。

前向きなメッセージで奮起する人はよいと思うのですが、それによってさらに落ち込むパターンもありますので、注意が必要です。
さらにこれが長期化してくると、がんばることができていた人もエネルギー切れになり、落ち込むパターンになりかねません。

また被災地の人が大変苦労しているのを見て「自分は苦労していない」と自分を責めて落ちこんでいっている人も少なくありません。
これも「自分はもっとがんばらなくては」ということが裏目に出てしまうパターンです。

このような時期に不安定になることは当然の反応といえます。
震災直後は「何とかしなくては」とがんばれていても、時間が経つと疲れてがんばりがきかなくなってくることもあるのです。
前向きな考えになれない自分を責めても、良い結果とはなりにくいでしょう。

何事もバランスが大事です。
「こんな時こそ前向きに思わなくては」だけでは長期戦には耐えられないように思えます。
がんばれるときもあるけれど、「がんばれない」時もある自分を認めてあげましょう。
そうすることが心身の回復を早めていくものですよ。

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強迫性障害と囚われる時間

臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害には行動療法が世界的にもスタンダードな治療法ですし、治療において第一選択肢とされていますが、強迫性障害の方で行動療法を受けている人はそれほど多くはないと思います。

その理由の一つは強迫性障害だと思わずに長い間過ごしていること。
子どもの頃から症状はあったものの、病気だとは思わずにすごしていることがあります。
まず病院を受診するまでに時間がかかるのです。

さらに病院を受診したとしても
・強迫性障害と診断されない
・薬物療法を何年も続けていても良くならない
・症状が軽減しても薬を減らすとまた元に戻る
といったパターンが少なくありません。

また行動療法を希望したとしても
・「やっても意味がない」と主治医から言われる
・そもそも行動療法をやっている臨床心理士がいない
というパターンになることも多いでしょう。

これらのことから強迫性障害の方は薬物療法と行動療法という二つの標準的な治療を受けるまで数年~10数年かかることは珍しくないといわれています。
行動療法についてはやっていない人の方が多いのではないでしょうか。
その期間、多くの時間を強迫的な考え・行動に囚われることとなるのです。

以前はあまり治らない病気といわれていましたが、現在では適切な治療を受ければ良くなっていくというデータがでています。
早めの治療を心がけていくことで、強迫性障害に囚われない時間を取り戻していきましょう。

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白衣と認知行動療法

臨床心理士の鈴木です。

先日、都内にある「癌研有明病院」で、職員向け研修の講師として招待され行ってきました。

有明駅やビッグサイトの近くにある、国内屈指のガン専門病院です。
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ベッド数が700もあり、建物は新しくてキレイです。
予定よりも早く到着したのでどうしようかと思っていましたが、病院内にタリーズコーヒーがありゆっくりできました。
これだけ大きな病院だとハード面はクリニックと全然違います。
私の職場内にもコーヒーショップがあったら・・・羨ましい・・・。

病院内を案内してもらいましたが、よくよく見ると院内の様々なところに患者さんを気遣う工夫がされていますね。
さすがです。

研修テーマは「禁煙指導に活かすカウンセリング技術」。
病院内の講堂で開催。
医師や看護師が中心に集まっていました。

私の職場では白衣を着る職員がほとんどいないので(私も含め)、今回のように多くの白衣を着た人達を目の前にすると結構緊張しました。
私は講演会の時いつも緊張するのですが、その緊張も講演が始まるとすっと忘れていきます。
人前で緊張してしまう人に対して普段教えていることを自然にしているのかもしれませんね。

中身は主に認知行動療法を中心としたものをお話してきました。
精神科以外の医師、看護師が多いと思うので、一度の講演ではさすがに伝えきれないところがありましたが・・・。
活用していただいて、少しでも役に立ってもらえればと思っています。

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うつへの対応と講演会

臨床心理士の鈴木です。

浦和区のケアマネージャーさんと市役所職員の勉強会に招待され「対人援助職のストレスマネジメント」という題目でお話をしてきました。

場所は浦和ふれあい館。
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最近、ストレスマネジメントについてお話する機会が増えています。
今回はうつ病への対応が中心。
お話の中身は
・ストレスについて
・マイナスに考える時の対応
・クヨクヨ悩み続ける時の対応
・不眠への対応
・コミュニケーションの癖について

教科書的なものだけだとつまらない・・・と勝手に思い、認知行動療法の新しい?技法なども織り交ぜてお話しました。

結局普段のカウンセリングでお話していることと同じですね。

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対人関係療法と専門家

臨床心理士の鈴木です。

先日、対人関係療法の勉強会に行ってきました。

いつものようにこじんまりしていますが、対人関係療法で有名な某先生を囲んでの勉強会で大変充実していました。
年齢層も高く(・・・ような)、中堅以上の精神科医や臨床心理士が勉強会に参加している印象です。

対人関係療法は本だけみるとただただ気持ちを伝えましょう、というイメージをもたれがちですが、そうではなく非常に広範囲なことをアセスメントし、戦略として用いています。

過食症やうつの方にはお勧めのやり方の一つかもしれません。
ただ、患者さんが本を読み一人でやるにはやや難しいような気がします。
やはり専門家のもとでやった方が良いでしょう。

対人関係療法の定期的な勉強会はこの勉強会以外ではあまりされていないはずですが、インターネットをみると「対人関係療法の第一人者」と書いてある「誰?」という人も時々見かけます。
また某有名先生の「弟子」と自称している「誰?」という人も。
もちろん私が知らない人もたくさんいると思いますが、経歴などをみると違うだろうなぁと。

認知行動療法もそうですが、対人関係療法の正確な情報が広がっていくのも時間がかかりそうです。

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