第4回相談機関選びのポイント―カウンセリング方法の選び方①

臨床心理士の鈴木です。

第4回、相談機関選びのポイントです。

今回は「どんなカウンセリングを受ければ良いのか」です。

「何療法でも結局は、カウンセラーとの相性が重要」と言ってしまえばそうかもしれません。
信頼関係が非常に大切ですから。
「腕のいい」と言われているカウンセラーが全ての人に対しうまくいくとは限らないのも事実です。
経験豊富なベテランのカウンセラーが必ずしも良いとも限らず、経験の浅い若手のカウンセラーが一生懸命で、問題解決へ導くこともあります。

しかし、「それではどう選んでいいのかわらかなくて困る」というのが一般の方の意見ではないのでしょうか。

私のお勧めを言いますと、うつ病、パニック障害、強迫性障害で悩んでいる方は「認知行動療法」をしてる機関です。
その理由は、治療的な根拠のある方法だからです。
以前にも書きましたが、うつやパニックの方が認知行動療法を施行した場合、施行しなかった人よりも、改善率が高いというデータが出ているのです。

では他の「~療法」もそういうのがあるのでは?と思いませんでしたか?
実は「~療法」といわれている多くの方法が、その効果に対するデータに乏しく十分に治療的な根拠があるとはいえないのです。
それは有名な心理学者が言っていたり、心理学の教科書に書いてある「~療法」というものであってもです。

これを手術に例えてみると・・・
あなたがある病を患っていて、医師に「手術をした方が良い。この手術は、治療的な根拠があるというデータに乏しい方法で何%の人が良くなるかも分からない方法なんだけど、昔の偉い人も言っていたし、私の好きな方法なのでやってみませんか?」と言われたらどうします?
普通、やりませんよね?
その手術をした後、たまたま環境の変化で良くなった、自然とよくなった、とういことはあるかもしれませんが。

この例は極端ですが、治療的な根拠に乏しいカウンセリング法を受けるとはそのようなものです。

海外では、根拠に乏しいカウンセリング方法に対して保険が支払われない国もあるので、認知行動療法がスタンダードになっていることが多いのですが、日本ではそのようなシステムがなく、根拠に乏しい治療法を行っている機関が多いのが現状です。

ここでさらなる問題が・・・。
認知行動療法家はまだまだ日本で少ないハズ・・・なのですが、調べてみると怪しげな相談機関でも「認知行動療法をやってます」とホームページに書いているのを見るようになりました。
中身をみると「?」と思うものもたくさんあります。

このようなことから単に「認知行動療法をやってます」とアピールしているところにいけば良いということでもなくなってきています。

そんなわけで、次回はさらに「認知行動療法をやっているカウンセラーをどのようにして選ぶか」について書きます。

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