「 うつ病 」一覧

うつ病と不快な思考への対処

臨床心理士の鈴木です。

うつ病になったとき、繰り返しよぎる不快な考えに対してどのように対処してますか?

「今後どうなるんだろう」
「治らないのかな」
「昔からマイナス思考だったしなぁ」
「再度うつ状態になるのが怖い」

など。

対処として
「そんなことは考えないようにしよう」
「気分転換でもして忘れよう」
「プラスに考えてみよう」
「うつにならないように休んでいよう」

こんな対処の仕方をしてませんか?

考えないようにして、考えないでいられますか?
気分転換して一時的に楽になっても、考える時間ができると、また思い出して悩んでいませんか?
プラスに考えれば良いことは分かっていても、そのように心から思えない、と考えていませんんか?
うつに気をつけるあまり、生活が楽しめていないのではありませんか?

必死で嫌な考え、感情、記憶を振り払おうとすると、一時的には有効であることはありますが、時間が経てばまた戻ってきます。
そして色んな対処方法を調べて、実戦し、うまくいかない、という結論に達するうちに、「やっぱり思い出してしまう」ということになり、疲れ果てていくものです。

そんな悪循環から抜け出し方を私のカウンセリングでは教えています。
何か月休んでも、薬を飲んでも、うつが治らない、うつの再発が怖い、という方は、考えることに疲れ果てる前に来てください。
不快な考えに対しては意外な抜け道があるものです。

うつと不安のカウンセリングご希望の方は
浦和すずのきクリニックの受付、
または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。


うつ病と家族とコミュニケーション

臨床心理士の鈴木です。

うつ病になると、うつ病本人の治療が必要です。
当然のことですね。

うつ病になった「本人の中」に「うつ病」というものがあり、それを治療するべきとなります。

しかし、うつ病は本人だけの問題だけではない場合が多いものです。

例えば専業主婦の女性がうつ病になったとします。

だんだん意欲の低下、不眠などが現れ、夕食のメニューを決めることができなくなるなど、家事全般に影響を及ぼします。

それを見た夫は心配し、「趣味でも始めたら?」「こんな風に考えたら?」「雑誌についてた~法をやってみたら?」など、様々な提案をします。
うつ病について調べると、お薬を飲んで、休養させると書いてあるのでその通りにしてみたり。

しかし、なかなか良くならない。

夫が解決方法を提案しても「・・・でも、できない」「そんな風に考えられない」「そんな方法はストレスになる」と、妻は言う。
そうすると「治る気持ちがない、なまけているだけ」「気持ちが弱い」「親の育て方が悪いんだ」「せっかく提案してるのに・・・やる気の問題だ」と夫は感じ、イライラしていきます。

妻はそんな夫を見て「わかってもらえない」と、さらに落ちこんでいき、そうするとさらに夫がイライラ・・・という悪循環。

このように、うつ病は周囲にも大きく影響を及ぼし、関係の悪化→症状の悪化→関係の悪化→・・・を繰り返していきます。

本人が悪い、周囲が悪い、と言っているわけではありません。
上記の例では、うつ病の妻は元気を出そうとしても出せないのです。
こんな時は苦しい思いを聴いてほしいだけのことが多いものです。
夫は自分なりに解決案を提案するなど努力しているものの、どう接してよいかわからない状態になっています。
ただ話を聴いてほしい、受け入れてほしい妻と、妻のために解決案を提案しようとする夫との間にコミュニケーションのズレがあり、かみ合っていないのです。

特に対処方法を勉強している家族ほど「その通りにならない」「頭ではわかっているけどイライラする」「いつまでこの状態でいるんだろう」と、教科書通りにならないと不安になることもあります。

このため本人だけでなく、家族もうつ病に対する知識や対処方法を学ぶと、治療がスムーズになることが多いと思います。
お互いのコミュニケーション方法を変えていくことは大事です。
私は可能ならば家族がきて下さるよう頼むこともあります。

うつ病である本人への直接的な治療も大事ですが、ご家族や親しい人とのコミュニケーションが上手くいくと、うつはぐっと楽になりますよ。

うつと不安のカウンセリングご希望の方は
浦和すずのきクリニックの受付、
または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。


うつに「がんばれ」は禁句?

臨床心理士の鈴木です。

うつの人に「がんばれ」とは言ってはいけない、ということがあるゆる情報の中で流れています。
まるで禁句であるかのようです。

さて本当にそうなのでしょうか?

仲の良い友人から言われる
仲の悪い友人から言われる

まったくやる気が出ないとき
ちょっとやろうかなと思っていたとき、

ちょっとやろうかなと思っていて、周囲に励まされるとプレッシャーのとき、
ちょっとやろうかなと思っていて、周囲に後押しされたいとき、

などなど。

これらをそれぞれ組み合わせていくと無数の組み合わせがでてきます。

例えば、仲の良い友人から、ちょっとがんばって行動しようかと思っていたときに迷っていて、周囲から適切な言い方で「がんばれ」と後押しされ、行動してみたら、気分が良くなったということだって、実はあるのです。

よく言われるのは「がんばれ」というと「もうがんばれない」と思ってしまうので逆効果だということです。
これは多くの方が「がんばれ」と言っても、効果的でないときに「がんばれ」をいってしまうのでうまくいっていないのです。

「がんばれ」という「言葉」自体が悪いわけではありません。
「がんばれ」という言葉はその人にとって、また同じ人でも状況によって、どのように作用するかが違ってくるです。
つまり、文脈が大事だということです。

これは「うつはゆっくり休んでいれば必ず治る」といった、よく聞くフレーズも当てはまります。
休んでいて自然によくなることもあります。
しかし、良くならない場合もあります。
その一因として、休んでいることにより、楽しいと感じる機会を失っていることがあるからです。
「いつかやる気がでてきたら活動しよう」と引きこもり、楽しいと感じる機会を失っている可能性があります。

もちろん闇雲に活動すれば良いというわけではありません。
その時折、自分が何をすれば良いか、どのような心持でいると早く回復するか、周囲はどの対応すれば良いかが変わります。
カウンセリングではそれを自分で判断できるようセルフマネージメントの方法を教える役割もあります。

うつと不安のカウンセリングご希望の方は
浦和すずのきクリニックの受付、
または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。