うつに「がんばれ」は禁句?

臨床心理士の鈴木です。

うつの人に「がんばれ」とは言ってはいけない、ということがあるゆる情報の中で流れています。
まるで禁句であるかのようです。

さて本当にそうなのでしょうか?

仲の良い友人から言われる
仲の悪い友人から言われる

まったくやる気が出ないとき
ちょっとやろうかなと思っていたとき、

ちょっとやろうかなと思っていて、周囲に励まされるとプレッシャーのとき、
ちょっとやろうかなと思っていて、周囲に後押しされたいとき、

などなど。

これらをそれぞれ組み合わせていくと無数の組み合わせがでてきます。

例えば、仲の良い友人から、ちょっとがんばって行動しようかと思っていたときに迷っていて、周囲から適切な言い方で「がんばれ」と後押しされ、行動してみたら、気分が良くなったということだって、実はあるのです。

よく言われるのは「がんばれ」というと「もうがんばれない」と思ってしまうので逆効果だということです。
これは多くの方が「がんばれ」と言っても、効果的でないときに「がんばれ」をいってしまうのでうまくいっていないのです。

「がんばれ」という「言葉」自体が悪いわけではありません。
「がんばれ」という言葉はその人にとって、また同じ人でも状況によって、どのように作用するかが違ってくるです。
つまり、文脈が大事だということです。

これは「うつはゆっくり休んでいれば必ず治る」といった、よく聞くフレーズも当てはまります。
休んでいて自然によくなることもあります。
しかし、良くならない場合もあります。
その一因として、休んでいることにより、楽しいと感じる機会を失っていることがあるからです。
「いつかやる気がでてきたら活動しよう」と引きこもり、楽しいと感じる機会を失っている可能性があります。

もちろん闇雲に活動すれば良いというわけではありません。
その時折、自分が何をすれば良いか、どのような心持でいると早く回復するか、周囲はどの対応すれば良いかが変わります。
カウンセリングではそれを自分で判断できるようセルフマネージメントの方法を教える役割もあります。

うつと不安のカウンセリングご希望の方は
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