「 うつと不安のカウンセリング 」一覧

認知行動療法への誤解

臨床心理士の鈴木です。

近年、認知行動療法が医療機関等で盛んに行われるようにはなってきました。
本屋をのぞいてみると一般の方が自分で書き込みながらできるような本も増えてきています。
自分で本を買ってみてやってみたという方も少なくないと思います。
うつ病や不安障害に効果があると認められているという情報が様々なところから入っていっているようです。

それに伴い、誤解される方も増えています。
認知行動療法の本を見た感想で一番多いのが
「プラス思考にする方法ですよね。そのように考えれば良いのはわかりますが、考えられません。だから認知行動療法は合わないような気がします」
ということでした。

マイナスの考えに反論してプラス思考にするのが認知行動療法と思われているようです。
実はそのように誤解があるのは一般の方だけではありません。
よく精神科の医師からそのような説明を受けることがあるようです。
そして「あなたには認知行動療法は合わない」と医師から言われていることも少なくありません。
これは精神科の医師でも、認知行動療法については表面的な情報しか知らない場合があるのが原因の一つです。

新聞やパンフレットにもそのように紹介されている場合もあるので、誤解が生まれても仕方ないのかもしれませんが・・・。
それと他の機関で認知行動療法を受けてきた患者さんから話を聞くと、「考え」に反論する練習ばかり指導されて「いくらやってもプラス思考になりません」と訴える方も少なくありません。
つまり、下手をすると臨床心理士の中でも誤解している人がいるかもしれないということです。

本を読んでもうまくいかない場合は、認知行動療法の専門家に一度相談してみるとよいと思います。
誤解があったり、やり方がまずかったりしているところを指摘してくれるかもしれません。

うつと不安のカウンセリングご希望の方は
浦和すずのきクリニックの受付、
または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。


ホットミルクで眠れる?

臨床心理士の鈴木です。

7月に入りましたが蒸し暑い日が続きますね。

夜は暑くて眠れないという方もいらっしゃると思います。

暑くて眠れないのとは違いますが、不眠で悩んでいる方は多いでしょう。

お薬以外の不眠対策としてよくいわれているのがホットミルクやハーブティーを寝る前に飲むこと。

「ホットミルクで眠れるようになった!」というインターネットの口コミでも見たことがありますし、専門家の間でもそのように言われています。

ただちょっとだけ落とし穴があります。
それは飲みすぎて夜間トイレに起きてしまうことです。
薬でもなんでもそうですが適量というものがありますので気をつけましょう。

また過大な期待をしてはいけません。
私のところに不眠で相談にくる方で、ホットミルクを飲むようになっただけで「眠れるようになった!」と言っている人は見たことはありません。
色々不眠対策をしてうまくいかなかった方が相談にくるので当然ですよね・・・。

眠れない方の多くは、何回か眠れないことが続くと「今夜も眠れないのではないか」と考えます。
そうすると「眠ろう」と努力します。
実は「眠ろう」と努力することは、「眠れない」という意識(不安)を呼び起こすことにもなるのです。
そうするとさらに目が冴えて、また眠ろうとして・・・。
不眠を改善する方法の一つはこの悪循環を断ち切ることです。
このためホットミルクだけでなく、不眠改善のための心持、生活習慣や睡眠習慣の改善、不眠の元になった悩みごとの解決など総合的にアプローチしていく必要性があります。

どのように改善していくかは人それぞれ違うので、主治医やカウンセラーに相談してみると良いでしょう。

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家族の集い

臨床心理士の鈴木です。

先日、さいたま市の区役所で開催された介護家族の集いに招かれていってきました。

高齢化社会を迎える中、これからの課題となる介護者のケア。

介護されている方が精神的にも肉体的にも疲れきってしまい、「うつ」になるケースも少なくありません。

まだまだ介護者への精神的サポートは十分とはいえない状況でしょう。
臨床心理士業界でも、この分野はこれからのところ。

当然のことながら介護家族の方は「臨床心理士って?」というリアクションです。
専門家側も臨床心理士がどのようなことをするのか(できるのか)、期待するイメージは様々。

今回の介護家族の集いは一回目の開催ということもあり手さぐりの状態でしたが、皆さんそれぞれ何かヒントを持ち帰っていただけたようです。

これからこの分野にも貢献していけるようにがんばります!

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他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。


悩みの悪循環

臨床心理士の鈴木です。

悩んでいる時に「元気だった頃の自分」と比べることはありませんか?

「あの時は~だったのに」と過去を考え「これからもずっと悩むのかなぁ」と未来を考える。
昔の自分にこだわり、昔のようにできなくなった自分を嘆く。

そして「昔はこんな不安はなかった」といって「不安をなくそう」と思うと、なくならい不安に直面し苦しむ。

さらに「こうなったのは自信がないのが原因だ」と思って「自信をもとう」と「思いこむ」という行為をしても、結局自信の持ち方がわからず、自信をもてない自分に直面しさらに落ち込みむ。

とどめには周囲に相談すると「考えすぎ」「気のもちよう」「わがまま」といわれ、さらに落ち込む。

こんな感じの悪循環に陥ることはよくあることです。
しかし、悪循環になっているにもかかわらず人間は同じ行動をとります。。
ということは解決策として「正しい」と思って実行していることが、さらに悩みを増大させているかもしれないのです。

さて、どこが悪循環の要因となっているか予想がつきますか?
ここまで見て「不安を思い出さなくするためにはどうしたらよいか」と考えたり、「全く予想がつかない」という方は悪循環にはまっている可能性があるので注意しましょう。

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他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。


不安障害のカウンセリング部屋以外でのカウンセリング

臨床心理士の鈴木です。

私はよくクリニック内をカウンセリング中にウロウロしています。

私のカウンセリングを受けたことがある人ならば「何かやってるな」と思うかもしれません。

カウンセリングというと「部屋の中で話を聞いているだけ」とか「話し合って助言される場」とイメージされる人もいるでしょう。
確かにそのようなケースが多いのは事実です。

しかし、場合によってはカウンセリングルームを出ることもあります。

例えばパニック障害の方でエレベーターが怖い人。
パニック発作への対処法を身につけてもらった後に私と一緒にエレベーターに乗ってみることもあります。

強迫性障害で「不潔だ」と思ったものに触れない人。
考え方や対処法を身につけてもらった後に私と一緒に「怖い」「不安」と思っていることを練習することもあります。

もちろん必要と判断した場合ですよ。

不安障害への治療はカウンセリング部屋で対処法を教えるだけでは不十分である事があります。
勇気をふりしぼって不安場面に挑戦しても、不安なことを微妙に回避する、「これくらいでいいか」と中途半端にやることによって、改善しないケースがあるからです。

これらの困難を補うため、カウンセラーと一緒に不安場面に挑戦することにより、効率的、効果的に練習できます。
また私の方はカウンセリング中で教えたことをさらに実践で指導することができるのです。
「一人だとどうしても勇気がでない」という人にも有効でしょう。

必要な場合には一緒に電車に乗ったり、自宅訪問したりします。

認知行動療法を実施している機関の全てがこのようなことをしているわけではありません。
色んな考え方のカウンセラーがいますし、カウンセラーは必要性を感じていても相談機関の方針でできないことがあるのです。
おそらく外に出たり自宅訪問したりする(できる)カウンセラーは少数派でしょう。

私はカウンセリング部屋以外のカウンセリングの有効性を実感していますし、口でいうよりも実践しながら教えた方がはるかに治療的だと思っています。
必要に応じて柔軟に対応できますし。

「本を読んでもよくわからない」「早くよくなりたい」「一人じゃ不安」「頭ではわかってるけど・・・できない」という人は私と一緒に対処法を練習することをお勧めしています。

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一人が良いけど、一人は嫌だ

臨床心理士の鈴木です。

「人付き合いが苦手」と悩んでいる人でこのような人はいませんか?。

人とつるむのが苦手。
できれば一人の方が良い。
だけどずっと一人は嫌だ。

「一人が好きだけど、一人は嫌だ」という一見矛盾しているようです。
どっちも自分の本当の気持ちなんですけどね。
「一人が好きなこともあれば、一人が嫌なこともある」ということ。
だから「どっちが本当の自分か」と考える必要はないのかもしれません。

そもそも「人付き合いが苦手で悩んでいる」という時点で「一人は嫌だ」って言っているようなものです。
つまり人付き合いを重視しているのです。
本当に人付き合いがどうでも良いと思っている人は、あまり人付き合いでは悩みませんから。

このように悩んでいる事柄には、自分が大事にしている願望や価値観が見え隠れするものです。
「悩んでいることを忘れよう、変えよう、何とかしよう」とするのは当然の気持ちかもしれませんが、今一度自分のストレス、悩みごとを振り返ってみてはいかがでしょうか。
自分の気持ち、価値観を考えるチャンスになるかもしれませんよ。

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ポジティブ思考という考え方

臨床心理士の鈴木です。

カウンセリングに来る多くの方が、これまでに色んな解決努力をされています。
一番多いのが自己啓発本です。

自己啓発本は多種多様にありますが、基本的には「ポジティブ思考にしよう」という趣旨のものが多いようですね。
ポジティブ思考を否定するわけではありませんが、調子が悪い時はそんな風には思えないものです。

もちろん「ポジティブに考えよう!」と思って、ポジティブになれたらそれで良いのですが・・・。
それが出来ないから困難が生じるはずなんですけどね。

そうするとポジティブになれない自分に落ち込むこともあります。
「またネガティブに考えてしまった」「もうこんなこと考えたくない」など。

「うつ」が良くなりかけていた人が再び「うつ」が来たときに、具体的な出来事で悩むというより「またうつになってしまった」と「うつになること自体に落ち込む」に似ているのかもしれませんね。

ポジティブに考えられない時にポジティブに考えようというのは、底なし沼で必死にもがき、さらにおぼれているようなもの。

そこから抜け出すのはポジティブに考えることでも、「うつにならないためにはどうしたら良いか」と考えることではないとしたらどう思いますか?

ポジティブ思考以外に八方塞で困っている状態から抜け出せる手段はたくさんあります。
そのためにはまず「プラスに考えなきゃいけない」という考え方から柔軟にする必要性があるかもしれませんね。

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急な坂とカウンセリング

臨床心理士の鈴木です。

先日、勉強会があって県外に行ってきました。

時間があったのでホテルに荷物を置き、周囲を散策。

もともとあてもない散歩が好きではない私。

何を思ったか、たまには歩いてみようとウロウロしていると・・・急な坂が。

この坂は最近運動不足気味の私にとってはこたえました。

「つらいなぁ」「やっぱり散歩してもつらいだけだなぁ」なんて考え、急な坂を上っているとこんな建物が・・・

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「急な坂スタジオ」とそのまんまのネーミング。
しかし、インパクトはありますよね。
おしゃれな?デザインのロゴですし。
新しい発見とういうか、ちょっと力が抜けました。

「散歩が嫌だ」と思って散歩をしてなかったらこのスタジオには出会わなかったでしょう。
嫌だなぁと思って下を歩いているだけでは見つからなかったかもしれません。
たまには普段と違う行動をとってみると新しい刺激、出会い、発見があるかもしれない、とも言えるでしょう。
ちょっとカウンセリングでやっていることと似ているのかもしれませんね。

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家族の相談について

臨床心理士の鈴木です。

Q&Aにも書いていますがよくある問い合わせ。

「(病気や症状がある)本人が来なくても、家族だけ相談に行っていいですか」

もちろん構いません。

相談機関によっては「本人が来なければ治療にならないので、家族だけ来ても意味がない」と言うことがあるそうです。

確かに本人が治療にくることは重要ですが、本人が拒否している場合はどうすればよいかとなります。
私は「どうしたら本人が相談にくるか、という相談」は重要だと思っていますので、遠慮なくご相談ください。
とりあえず家族がどうしたらよいか話し合っていきます。

また「カウンセラーってどんな人か」「カウンセリングってどんなことするのか」と不安なご家族もいらっしゃると思います。
そのような場合でもとりあえずご家族が私と会って、カウンセリングの必要性や「どんなことをするか」を話し合ったり、「カウンセラーがどんな人か」と偵察にきても構いません。

ご家族が安心していただくのも、カウンセリングの役割なのです。

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カウンセリングの受け時

臨床心理士の鈴木です。

今回は「カウンセリングの受け時」について。

私のカウンセリングを受けにくる8~9割が他院通院中、どこにも通院されていない方です。
クリニック付属のカウンセリングルームとしては少し変わった特徴らしいです。
多くが認知行動療法を受けるためにいらっしゃいます。

他のクリニックに通院中の方の話から、カウンセリングは必要ならば医師が勧めてくれるだろうと思っている方も多いということがわかりました。

ずっとカウンセリングを受けたかったことを医師に伝えたら「いいんじゃない」と言われ受けに来る人は良い方です。

これだけうつ病や不安障害に対して薬物療法と双璧をなしている認知行動療法であっても、医師のイメージは様々。
認知行動療法が嫌いな医師もいれば、知っていても「あなたみたいな人には向かないよ」と言われることもあるようです。
「向かない」という根拠としては乏しいことがほとんどです。
つまり、治療的根拠があり、回復の可能性がある精神療法であっても、主治医の考え方(好き嫌い)次第でカウンセリングが受けられないことはよくあることなのです。

医師から「カウンセリングをやってもムダ」と言われたのにかかわらず、受けにきて回復していった方もたくさんいます。
精神科医師の間でも認知行動療法などの精神療法に精通している人は多くはありません。
これは我々臨床心理士のアピール不足という要因もあるかもしれません。
本来薬物療法をするにしてもカウンセリングは併用していくのが良いとは思うのですが・・・。
精神医療の中でさえカウンセリングの位置づけは医療機関によって異なるようです。

カウンセリングを受けたいと思った時がカウンセリングの受け時だと思います。
お気軽にご相談ください。

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