ポジティブ思考という考え方

臨床心理士の鈴木です。

カウンセリングに来る多くの方が、これまでに色んな解決努力をされています。
一番多いのが自己啓発本です。

自己啓発本は多種多様にありますが、基本的には「ポジティブ思考にしよう」という趣旨のものが多いようですね。
ポジティブ思考を否定するわけではありませんが、調子が悪い時はそんな風には思えないものです。

もちろん「ポジティブに考えよう!」と思って、ポジティブになれたらそれで良いのですが・・・。
それが出来ないから困難が生じるはずなんですけどね。

そうするとポジティブになれない自分に落ち込むこともあります。
「またネガティブに考えてしまった」「もうこんなこと考えたくない」など。

「うつ」が良くなりかけていた人が再び「うつ」が来たときに、具体的な出来事で悩むというより「またうつになってしまった」と「うつになること自体に落ち込む」に似ているのかもしれませんね。

ポジティブに考えられない時にポジティブに考えようというのは、底なし沼で必死にもがき、さらにおぼれているようなもの。

そこから抜け出すのはポジティブに考えることでも、「うつにならないためにはどうしたら良いか」と考えることではないとしたらどう思いますか?

ポジティブ思考以外に八方塞で困っている状態から抜け出せる手段はたくさんあります。
そのためにはまず「プラスに考えなきゃいけない」という考え方から柔軟にする必要性があるかもしれませんね。

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