不潔恐怖の治し方 3つのステップとコツ

浦和すずのきクリニックの鈴木です。
このような症状で悩んでいませんか?

・洗っても汚れが落ちている気がせず入浴が長い

・汚いと思うものがたくさんあり、何か触る度に手を洗う

・家族にも手を洗わせる

強迫症という病気の中の不潔恐怖と言われているモノかもしれません。

日本人に多い強迫の一つです。

「手洗いを少しずつ短くしていく」ということをやりがちですが、それではなかなかうまくいかないことが多いです。

改善にはコツが必要です。

そこで今回は不潔恐怖の治し方について説明します。

不潔恐怖が悪化する原因は?

まず、なぜ不潔恐怖がひどくなるのか?について説明します。

ドアノブが汚いと思ったとします。

そうすると手を洗いたくなりますよね。

最初は手を洗うことでスッキリしているのですが、次第にきちんと洗えていないような気がして何度も洗うようになるのです。

「ドアノブが汚いのでは」と浮かんでくる不安な考えを「強迫観念」、手を洗うなど不安をなくそうとする行為を「強迫行為」と言います。

手洗いなどの強迫行為はやればやるほど「きちんと洗えていない」という感覚が強くなる性質があります。

ですから手洗いがやめられなくなります。

次第に汚いと思うものが増えます。

リモコン、つり革、パソコンなど、自分が汚いと思ったら手を洗ったり、ウェットティッシュなどで拭かないと気が済まなくなるでしょう。

人によっては「触ったのでは」と思っただけで、手洗いをしたくなります。

汚れを広げたくないために、帰宅したらシャワーを浴びたり着替えないとダメになります。

キレイにしておきたい場所は「聖域」と呼ばれています。

聖域を守るために手洗いをしたり、外から持ち込んだものを洗ったり隔離したりします。

聖域を守ろうとすればするほど、不安は強くなる性質があるので、症状はどんどん悪化していくのです。

 不潔恐怖を改善する方法

どうすれば不潔恐怖が治るのでしょうか?

不潔恐怖を改善する方法で最も効果的な方法があります。

それが「曝露反応妨害法(ばくろはんのうぼうがいほう)というやり方です。

不潔恐怖症は不潔なこと避けてどんどんひどくなっています。

不潔さに敏感になっているのです。

克服するためには敏感になっている感覚を鈍感にしていく必要があります。

不潔だと思う感覚に慣らしていき、触ったり洗ったりしなくても流せるようにしていくとよいのです。

この方法が曝露反応妨害法です。

具体的にどのようにすすめていけばよいかを説明します。

 1.汚いと思うものをリストアップ

 

触ると手を洗いたくなるようなものがありますよね。

ドアノブ、スイッチ、人、座席、トイレの便座などなど。

まず、避けているものをリストアップしてみましょう。

リストアップしたらそれぞれ0(全然怖くない)~100(死ぬほど怖い)で数字を付けます。 怖さのランキングがわかればよいです。

細かい数値にこだわる必要はありません。

 2.キレイにしておきた場所をリストアップ

 

ベッド、ソファ、自宅、自分の体の一部(顔、頭など)キレイにしておきたい場所があるハズです。

「聖域」と言われています。

ピンとこない人は、1で挙げたものが触れたら拭いたり洗ったりしてしまいそうなものを思い出してください。

自宅をキレイにしておきたい人は多いですが、場所によって怖さが違うことが多いです。

例えば自宅でもリビング、ダイニング、自分の部屋など場所によってキレイしておきたい強さは違いますよね。

「聖域」を1と同じようにリストアップして、汚されたら嫌なランキングを作ってみましょう。

 3.不安でやっている行為(強迫行為)は何かを把握

 

1で挙げた汚いと思うものを触ったり、2の聖域をキレイにするためにやっていることをリストアップします。

いわゆる強迫行為です。

手を洗う、ウェットティッシュでふく、帰宅したら着替えをしたりシャワーを浴びる、スリッパをはく、他人に「これはキレイだよね」と確認する、などが代表例。

あと強迫行為は頭の中で安心させるようなことも含みます。

例 頭の中で「これはキレイだ」と言い聞かせる

 4.1~3を組み合わせて不安に挑戦していく

1~3で挙げたものを組み合わせて練習します。

基本の流れは以下です。

① 1で挙げた汚いと思っているものに触る

② その後2の「聖域」を触るなどして汚れを広げていくイメージにする

③ 3の強迫行為はしない

①ドアノブ(汚いと思うもの)にじっくり触り、

②その手でベッド(聖域)をベタベタ触って汚れを広げる感覚にさせ、

③手を洗わない(強迫行為をしない)
1(汚いと思うもの)と2(聖域)の怖さのランキングの下の方から組み合わせてやっていくとやりやすいでしょう。

また頭の中で「キレイだから大丈夫」と安心させていた人は「もう汚れてしまった」と汚れたイメージをするようにしましょう。

最初はかなり不安になりますが、時間とともに不安を薄らいできます。

逆に我慢できないからといって、途中で手洗いなど強迫行為をやってしまうと余計ひどくなりますので注意してください。

これを何度もやると、だんだん不安のピークが下がってきて、汚いと思うものに触ってもそれほど不安を感じなくなります。

以前より不安がマシになってきたらハードルを上げてやっていくとよいでしょう。

 「手洗いを短くする」ではなく「汚れに慣らす」ことがコツ

 

よく「手洗いを短くする」をやろうとしている人が多いです。

「フツウの人程度に手洗いできればよいだけなんだ」と思っているのかもしれません。

またトイレの後など「フツウの人でも手を洗うよね」と「フツウの日本人」を基準に手を洗いたくなるでしょう。

しかし、それではうまくいきません。

手洗いをやり始めるとだいたい止まらなくなるから。

手洗いなど強迫行為は麻薬にたとえられます。

強迫の人は強迫行為という麻薬中毒になっているようなもの。

麻薬中毒になっている人にとって、「ほどよい麻薬使用」は難しいのです。

不潔恐怖は「汚れに慣れていく」「世界中どこにいっても汚いと思う状態にする」という意識が重要です。

「手洗いを短くする」ではなく「汚れだらけに慣らしていく」練習だと思ってやってください。

またフツウを基準にしない方がうまくいきます。

少なくとも手洗いを短くする練習は汚れに慣れた後にした方がうまくいきやすいです。

 やってもうまくいかない時

上記の方法をやってもなかなか不安に慣れないことがあります。

よくあるうまくいかない要因を2つ挙げます。

①十分に汚れに触れていない

ドアノブなど汚いと思うものに触るにしても、指先でちょっとしか触れていない、短い時間しかやってない、練習回数が少ないなど、汚れに十分に触れていないのではありませんか?

汚れにはじっくり触り、毎日か週に3~4回以上、一時間以上の練習はするようにしましょう。

②強迫行為をしている、または避けている

汚いと思ったものに触るのが、入浴する直前だったりしませんか?

「後で手洗いをするからいいや」と安心させていませんか?

手洗いをする前提で汚いと思うものに触っても改善しません。

また汚いと思ったものに触ることができても聖域に広げていない人も多いです。

24時間、どこにいっても汚いと思える状況を作っていきましょう。

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 まとめ

不潔恐怖は

・不潔だと思っているものに慣らす

・きれいにしておきたい場所などを汚す

・手洗いなど安心させる行為はしない

これらをやることで多くの方はかなり改善します。

なかなかうまくいかない時はカウンセリングで私が改善のお手伝いができるのでご相談ください。
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