相談システム

臨床心理士の鈴木です。

先日東京で行われた臨床心理士の会合に行ってきました。

テーマは「自殺対策」。

年間3万人くらいの方が自殺しているといわれています。

自殺の原因としては、雇用情勢、借金、アルコール、うつ病など様々挙げられていますが、一つのことが原因というよりも複数のことが要因となっていることが多いようです。

雇用情勢の悪化→解雇→借金→家族内でもめる→仕事のことでも家庭のことでも悩むようになる→うつ病→自殺
といったパターンが結構あります。

このようなパターンを防ぐためにうつ病治療のため医療機関を受診することが大切ですが、借金ある場合は弁護士だったり就労のことであればハローワークなど、様々な専門家の助けが必要です。

ただ、特に男性の方は困っても相談しないという方も少なくなりません。
私のカウンセリングを受けている方でも8割くらいが女性です。
男性は人に相談することへの抵抗感が強いのかもしれません。

もう少し相談のしやすいシステムや風土をつくる必要がありそうですね。

うつと不安のカウンセリングご希望の方は
浦和すずのきクリニックの受付、
または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。


双極性障害について

臨床心理士の鈴木です。

今日はさいたま市介護支援専門員の集会に呼ばれて研修会の講師をしてきました。
場所はプラザイースト。
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テーマは「ストレスマネージメントとうつ、躁への対応」。
つまり普段困っている人を援助する専門家のストレス処理をどうするか、というテーマです。

認知行動療法を中心としたストレスマネージメントをお話してきました。
研修会は何度やっても、最初の5分くらいは緊張しますね。

「うつ」と「躁」への対応については時間がなくて詳しく話せず。
残念。

うつ病と言われている人の中には「躁」状態が隠れていることもあります。
いわゆる「双極性障害(躁うつ病)」というものです。
うつかと思えば、急に元気になったように思えて活動性が急に増したり、イライラ感が強くなったりします。
場合によっては高い買い物をしたり、気持ちが大きくなったりして周囲に迷惑をかけたり、あまり眠らなくても元気なままでいることもあります。
治ったと思ってそのままでいると急にうつになり「うつの再発か」と誤解されり、「性格の問題」と言われたりして良くなりません。

双極性障害は薬物療法をきちんと受けることが必要です。
それとここでも認知行動療法を併用することで、再発予防にもなります。
うつと躁状態を把握の仕方、対処の仕方、生活リズムの整え方、家族の対応、などを学ぶ必要性があるのです。

思い当たる方は、早めに相談してみましょう。

うつと不安のカウンセリングご希望の方は
浦和すずのきクリニックの受付、
または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。


認知行動療法への誤解

臨床心理士の鈴木です。

近年、認知行動療法が医療機関等で盛んに行われるようにはなってきました。
本屋をのぞいてみると一般の方が自分で書き込みながらできるような本も増えてきています。
自分で本を買ってみてやってみたという方も少なくないと思います。
うつ病や不安障害に効果があると認められているという情報が様々なところから入っていっているようです。

それに伴い、誤解される方も増えています。
認知行動療法の本を見た感想で一番多いのが
「プラス思考にする方法ですよね。そのように考えれば良いのはわかりますが、考えられません。だから認知行動療法は合わないような気がします」
ということでした。

マイナスの考えに反論してプラス思考にするのが認知行動療法と思われているようです。
実はそのように誤解があるのは一般の方だけではありません。
よく精神科の医師からそのような説明を受けることがあるようです。
そして「あなたには認知行動療法は合わない」と医師から言われていることも少なくありません。
これは精神科の医師でも、認知行動療法については表面的な情報しか知らない場合があるのが原因の一つです。

新聞やパンフレットにもそのように紹介されている場合もあるので、誤解が生まれても仕方ないのかもしれませんが・・・。
それと他の機関で認知行動療法を受けてきた患者さんから話を聞くと、「考え」に反論する練習ばかり指導されて「いくらやってもプラス思考になりません」と訴える方も少なくありません。
つまり、下手をすると臨床心理士の中でも誤解している人がいるかもしれないということです。

本を読んでもうまくいかない場合は、認知行動療法の専門家に一度相談してみるとよいと思います。
誤解があったり、やり方がまずかったりしているところを指摘してくれるかもしれません。

うつと不安のカウンセリングご希望の方は
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眠れないときの羊

臨床心理士の鈴木です。

眠れないときにはどんなことを考えていますか?

実際のところ一番多く聞くのは「眠るときに嫌なことを考えてしまう」ということ。
悩んでいる時の就寝時間は嫌なことを考えやすい場です。

「嫌なことを忘れよう」としても忘れられないものです。

ではどうすればよいか?

そんな時の対処として昔から「羊が一匹、羊が2匹・・・」といった方法があります。
これはこれで余計なことを考えることを妨害することに成功することがあるのかもしれません。

しかし、なかなか眠れなかった場合は「羊が100匹・・・」と数が増えていくこと=眠れていないことの自覚、につながり眠れなくなります。
また有名な方法ということもあって、羊自体が眠れない意識を活性させることもあるようです。

不眠への対応としては様々な方法がありますが、どんな方法をとったとしても「眠ろう」という意識が強いとうまくいかないことが少なくありません。

まずは眠ろうとするに執着することから離れる練習が必要でしょう。

その練習方法としても認知行動療法があります。

以前にも書きましたが不眠への認知行動療法というものもあります。
特別なものではなく普通の認知行動療法がわかればすぐにできるものもあります。
しかし、睡眠薬のようにすぐに効果が出現するものではありません。
数週間~数ヶ月単位で粘り強くやっていくことで効果が報告されている方法です。
今すぐに寝た方が良い、という方には不向きかもしれません。
一方で睡眠薬以外の方法を知りたい、という方にはいいかもしれません。

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パルコで講師

臨床心理士の鈴木です。

今月11日に、さいたま市職員、看護師、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員などが開催する研修会の講師をしてきました。

浦和駅東口、パルコにある「コムナーレ」での開催。
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方向音痴な私でも今回は駅近で迷うことはないだろうと思っていましたが・・・インフォメーションを見ても何階が「コムナーレ」なのか書いていません。
いくら探してもしてもみつからない・・・。
結局警備員さんに聞いたところ、10階にあることが分かりようやく会場へ。

講師控室はミーティングルームを一部屋借りきっているのでどうも落ち着きません。
このためフロアをウロウロしているとこんな景色が。
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10階でしたが、庭もあり景色はなかなかきれいでした。
夜景なんか見られたら良いかもしれません。
浦和にもこんなところがあるんですね。

会場にはだいたい60~70人くらいの方がいらっしゃいました。
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勉強に集中できないかもしれませんが、夜景の見える場所の研修会も面白うそう・・・と心の中で思ってしまう。

研修のテーマは「脱・思い込み対人援助」。

主に科学的根拠に基づいたカウンセリング、実践についてと、傾聴技法の基本から応用までお話してきました。
また認知行動療法を用いたパニック障害の事例なども提示しながらお話しましたが、受講者の方はカウンセリングのイメージとのギャップが大きかったようです。
「ただ話を聞くだけ」「幼少時のことを詳しく話し続けること」がカウンセリングと思っている専門職の方もまだまだ多いのが現状。
なんとかその誤解が解けて少しでも新しい実践を取り組もうとしてくれる方が出てきてくれればと思っています。

3時間に及ぶ研修会。
会場がなぜか暑かったせいもあり、最後はややフラフラになっていました。
ちなみにまたもや余計な話をしていたような気がします・・・。

来月も研修会の講師予定。
空いた時間でまた資料づくりがんばります。

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資料作成中

臨床心理士の鈴木です。

研修会の講師をやることになったため最近仕事が終わった後は研修会の資料作りに追われています。

普通は「○○というテーマ」でという依頼が多いと思いますが、私の場合は「何かやってくれませんか」といった依頼が多いのです。
このためどんなテーマを話すかということから、ある程度自分で考えて資料づくりをしています。
自由に「こんなことも入れちゃおう」など、曖昧な依頼だからこそ楽しい部分も。
ただし、内容がつまらないと思われたら目も当てられない状況になるかもしれません。

こんな感じで資料作成しているせいか、私の作業が遅いのかどうかわかりませんが、結構時間がかかってしまいます。

大学の先生など教えることを生業としている人はもっとスラスラと書けてしまうものでしょうか。

まぁ、配布用資料と当日用資料とをわけて、ちょっとした仕掛けを作ろうと余計?なことをしているのも時間がかかる要因かもしれません。
これも当日本当に「余計なこと」だったら大変です。
さらに当日、余計なことばかりベラベラと話さないようにしないと・・・と毎回思いながらしゃべってしまう。

気をつけよう。

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強迫性障害の症状について

臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害というと
「手を何度も洗う」などの洗浄強迫とか
「家の鍵をしめたか何度も確認する」などが代表的な症状です。

しかし、そのほかにもあります。

「あるものをある一つのパターンに並べなくてはいけない」

「人を傷つけてしまうのではないかと思って人を避ける」

「物を捨てることができない」

「頭の中で特定の言葉を繰り返す」

「悪い考えが本当になるのではないかと考え、そうならないように特定の儀式をする」

まだまだたくさんありますが、洗浄とか確認がないと強迫性障害ではないとおもっている方も結構います。
長い間悩んでいるにもかかわらず未治療のまま何年も苦しんでいるようです。

現在ではインターネットの普及で情報が手に入りやすくなっています。
調べてみるとよいでしょう。

注意していただきたいのは上記のような症状があっても強迫性障害とは限らないことです。
他の病気である可能性があります。
一般の方にとって見分けることは難しいかもしれません。

悩んでいる方は早めに治療を受けることをお勧めします。

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ホットミルクで眠れる?

臨床心理士の鈴木です。

7月に入りましたが蒸し暑い日が続きますね。

夜は暑くて眠れないという方もいらっしゃると思います。

暑くて眠れないのとは違いますが、不眠で悩んでいる方は多いでしょう。

お薬以外の不眠対策としてよくいわれているのがホットミルクやハーブティーを寝る前に飲むこと。

「ホットミルクで眠れるようになった!」というインターネットの口コミでも見たことがありますし、専門家の間でもそのように言われています。

ただちょっとだけ落とし穴があります。
それは飲みすぎて夜間トイレに起きてしまうことです。
薬でもなんでもそうですが適量というものがありますので気をつけましょう。

また過大な期待をしてはいけません。
私のところに不眠で相談にくる方で、ホットミルクを飲むようになっただけで「眠れるようになった!」と言っている人は見たことはありません。
色々不眠対策をしてうまくいかなかった方が相談にくるので当然ですよね・・・。

眠れない方の多くは、何回か眠れないことが続くと「今夜も眠れないのではないか」と考えます。
そうすると「眠ろう」と努力します。
実は「眠ろう」と努力することは、「眠れない」という意識(不安)を呼び起こすことにもなるのです。
そうするとさらに目が冴えて、また眠ろうとして・・・。
不眠を改善する方法の一つはこの悪循環を断ち切ることです。
このためホットミルクだけでなく、不眠改善のための心持、生活習慣や睡眠習慣の改善、不眠の元になった悩みごとの解決など総合的にアプローチしていく必要性があります。

どのように改善していくかは人それぞれ違うので、主治医やカウンセラーに相談してみると良いでしょう。

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家族の教育

臨床心理士の鈴木です。

先週の土曜日、仕事が終わった後に学会出席のため、福島県郡山市へ行ってきました。

到着したのは20時頃。

土曜の夜なのですが駅前は閑散としています。

知人と合流して夕食をどこにしようか探していると、通行人によりも怖そうなお兄さん達の方を多く見かけます。

通行人がいないだけに怖い。

地元の方によれば郡山は「東北のシカゴ」と言われていたことがあったそうです。

「東北のシカゴ」・・・考えたのは誰だろう。

外は閑散としている印象ですが、お店の中は人でいっぱいでした。
福島はいわき~会津と地方によって特色があって、山の幸から海の幸まで名物がたくさんあるようです。

肝心の学会ですが家族療法に役立つ認知行動療法について主に参加しました。

家族への教育をすることによって、統合失調症やうつ病の再発率が低下することが分かってきています。
ちなみに家族が心の病の原因といっているわけではありませんよ。
家族の対応次第で心の病が回復してくるということです。

実は心理学の業界でも数十年前は統合失調症は母親の養育態度によって引き起こされるといった理論がありました。
根拠に乏しいため現代では完全に否定されています。

今では家族に対して家族心理教育など科学的な根拠に基づいたアプローチが採用されることが多いようです。
しかし、治療的な家族教育の普及が遅れています。
このことにより家族が苦しむだけでなく、結果として患者さん自身も回復しないという悪循環で苦しんでいる方が多くいらっしゃいます。

効果のある治療法が早く広まっていくことが望まれますね。

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パニック障害とうつ

臨床心理士の鈴木です。

パニック障害では「うつ」にもなっている方が多いのはよく知られています。

パニック障害になると発作を恐れて、電車に乗る、美容院や歯医者行く、レジにならぶことなどが次第にできなくなってきます。
また、動悸や息切れを恐れるあまり、運動をしなくなることも少なくありません。
そうなると友人に会ったり、運動したり、娯楽を楽しんだりといったことが少なくなります。

だんだん、悲観的な思考が強くなったり、何もする気になれなかったりとするのかもしれません。
気分も落ち込み、社会生活にも支障をきたすようになり、いわゆる「うつ」の症状が出現するかもしれません。

このような場合でも、パニックの治療が改善するにしたがって「うつ」の症状がよくなることもあります。
また「うつ」の治療とパニックの治療を並行するなどの手段をとることもあります。

パニック障害の「うつ」は見逃されていることが少なくありません。
やる気が起きない、食欲がない、何に対しても悲観的、急に泣き出すなどの「うつ」の症状があれば、医師やカウンセラーに伝えるようにしましょう。

うつと不安のカウンセリングご希望の方は
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