確認強迫の人は必見!確認行為をやめて改善させるための5つのコツ

浦和すずのクリニックの鈴木です。


強迫症の代表的な症状として確認強迫があります。

・鍵がかかっていないか確認

・書類が間違っていないか確認

・誰か車でひいていないか確認


強迫症を改善するにはこれらの確認行為をしないことが必要となります。

しかし、頭で確認をしないでいようと思っていてもなかなかやめられない人も多いのではありませんか?

そこで今回は確認強迫の人が確認行為をやめて改善させるためのコツを5つ紹介します。

確認強迫の人は参考にしてみてください。



強迫行為と巻き込みを把握する



確認強迫の人が不安な時に確認してしまう行為を「強迫行為」と言います。

やればやるほど悪化します。

この強迫行為を把握しておらず、確認強迫が良くならない人もいます。

確認強迫の人は何度も鍵を確認するなど目に見える行動だけが強迫行為だと思っている人が多いです。
実は見逃されがちなものがあります。

頭の中でやっている強迫行為です。

例えば鍵をかけたかどうか頭の中で記憶をたどっていませんか?

「鍵をかけたから大丈夫」と思える理由をずっと考えて安心しようとしていませんか?

このように頭の中で安心しようとしていることも強迫行為になることもあります。


また鍵の確認は一回だけしかしていないといいながら、じぃーっと鍵を長時間見ていたりしているならそれも強迫行為となります。


明らかに目に見えて何度も強迫行為をしているだけでなく、頭で確認を繰り返すのも強迫行為であるためやめる必要があります。


家族を確認をしてしまう「巻き込み」も見逃されがちです。

巻きこみの例

・家族に「鍵をかけたら大丈夫だよね」と確認
・鍵をかけると不安になるから家族にかけてもらう

家族が巻き込みに従うと一時的には安心しますが、家族への確認が止められなくなり症状が悪化します。

そのうち家族も確認に嫌気がさしてきて家族関係が悪化することも少なくありません。


頭の中の強迫行為や巻き込みをやめていかないと強迫はなかなか改善はしません。

頭の中で強迫行為をしていないか?家族を巻きこんでいないか?チェックしてみてください。




確認できた実感や記憶に頼らない



確認が止められない理由の一つが「確認できた実感がない」「確認しても鍵をかけた記憶が残っていない」であることが多いです。

何度確認しても「鍵がかかっている」と実感がもてないし鍵をかけた記憶も曖昧。

むしろ確認すればするほどわからなくなったりしませんか?

「記憶障害ではないか?」と勘違いしてしまう人もいます。


もちろん記憶障害ではなく強迫の症状です。

一説では不安が強い時は目の前の確認したいものより「きちんと確認できていなかったらどうしよう」という不安に意識が向きやすいから記憶には残りにくく自信がもてない、とも言われています。

この状態については確認できた実感や記憶がなくても確認せずにそのままでいることで症状は改善します。

鍵をかけた実感がもてなくても、そのまま確認せずに外出する、など。

確認強迫が改善した人は「鍵をかけた実感がもてるようになりました!」というより「実感とかそういうこと考えなくなりました」とおっしゃる方が多い印象です。

改善すると確認できた実感や記憶にこだわらないようになるのかもしれません。




難易度が低いところからはじめる


確認しない方がよいことがわかっていても確認が止められないもの。

そんな時は難易度が低いところからチャレンジしてみるとよいです。


例えば外出する前の戸締りの確認をしてしまう場合。

確認してしまうものとして、窓、コンセント、電気のスイッチ、玄関の鍵などがあるとしましょう。

この中で確認しないで外出するならどれが難易度が低いを考えて実行するとよいです。

また外出するにしても10分くらいの距離のところなら確認しなくても済むかも、と思えることもあるでしょう。

最初は10分くらいから始めて、だんだん時間を延ばしていくことで確認しないで外出できるようになることもあります。

このように確認してしまう対象や条件を変えながら難易度を下げていくとチャンレジしやすくなります。



注意してほしいのは確認の回数を3回までとか回数制限にすること。

もちろん回数制限をして改善していくなら問題ありません。

しかし、それをやると強迫の人は一度やったら止められない、毎回の確認癖が結局治らないという人も多いです。

回数制限は確認強迫の人が一見難易度を低くする方法としてやれそうな気がする方法ですが、意外と難易度が高いのでご注意ください。



確認したい時の言い訳を把握する



確認したくなると、確認してもよい言い訳を考えるものです。

「最後に一回だけ確認」

「今回だけ確認」

「確認しないでミスがあったら大変」

「確認しないと本当に危険だから」

「この場合なら確認していいよね」

「確認しないと不安で何をやっても集中できないから」

「確認しないとずっと頭の中に不安が残る」

こんなことを考えていませんか?

自分がよく考えている確認の言い訳を振り返ってみましょう。

人によっては「自分がやっている確認は言い訳でじゃなくて絶対必要」と確認の正当性を考えてしまう人がいるかもしれません。

そんな人は確認をするメリット、デメリットを考えてみてください。

デメリットの方が多いなら確認しない方が楽かもしれないことに気づけることも多いです。

そしてその言い訳には耳を貸さないことが大切。

「またいつもの言い訳をしたくなっているけど、確認しないようにしよう」としてください。


家族に協力してもらう


自分で頑張ろうとしてもなかなか一歩前に踏み出せない人は最初に家族などに確認しないための協力してもらうとよいことがあります。

例えば、歩いていて「何か落としたのでは」と確認してしまいそうになったら家族に確認しないようにうながしてもらうとか。

「家族が見ているから安心」となっていたり、ずっと家族がいないと確認してしまうとなっていたりするとダメですが、最初になかなか踏み出せない人には有効であることもあります。

カウンセリングでもカウンセラーと外出して確認させないようにする練習をすることもあります。

少しできると一人でもやってみようと思えるものです。

ただし注意点が2つあります。

一つ目は家族が強迫の人を安心させようとしてしまうこと。

「何も落としてないから大丈夫だよ」

「さっききちんと鍵をかけてから大丈夫」

「悪いことは何も起こらないから大丈夫」

など安心させる言葉がけをするとそれは逆効果になります。

あくまでも不安感に慣れる練習であることを家族も理解することが必要です。

事前に強迫症と認知行動療法の知識をご家族も勉強しておいた方がよいです。


2つ目は事前にチャレンジすることについてきちんと話し合っておくことです。

なんでもかんでも最初から家族が確認を邪魔しようとするとだいたい喧嘩になります。

強迫症の本人と話し合いながら「今日は○○の確認をしないようにやってみよう」と同意を得ながらやってみましょう。

ここでも先述のように難易度が低いところから始めるとうまくいきやすいでしょう。



まとめ



確認強迫を改善するには「確認しない」ことが必要ですが、これがなかなか難しいものです。

今回紹介しているものを聞いたことはある人もいると思いますが、実践している人は少ない印象です。

参考にしながらすすめてみてください。

焦らずに一歩ずつすすめていくとよいでしょう。

うまくいかない時は認知行動療法の専門家に相談してください。




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