パニック障害の悪化パターンと対処法を説明します

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

パニック障害がどのようなパターンで悪化しやすいか理解しておくことは大事です。

どこをどうしていけばよいかがわかるから。

多くの人をこれを知らず、何年も悩み続けることになっています。

そこで今回は、よくあるパニックの悪化パターンと、その対策を順を追って解説します。

自分がどんなところでつまづいていることが理解でき、どんな対策をうてばよいかが知ることができます。

パニックになるきっかけ

パニックになるきっけかについてはこのパターンが多いです。

①ある日突然、ドキドキ、息苦しさが起こる。

②「死ぬのではないか」「気が狂うのではないか」と考え、救急車を呼ぶなどして病院に行く

③病院にいって検査をするが異常がないと言われる

対策

①のきっかけは、電車や寝ている時とかいろいろ。

知っておいた方がよいのは、パニックの原因は不明ということ。

ストレスがなくても起こります。原因探しをしても見つからないのです。

ネットなどで原因として出ている情報は全て仮説で、実証されていません。

このため「どうしてこうなったのだろう」と原因探しをするのではなく「どうやったらよくなるのだろう」と考えた方が良いです。

②のように「ドキドキ」など体の感覚を「呼吸ができなくて死ぬ」など間違った解釈をしてしまうのです。「死ぬことも気が狂うことなく、脳の誤作動だ」と考えた方が良いでしょう。

③のように救急車を呼んで病院にいきますが、当然体に異常がないのでその日のうちに帰されることが多いです。症状が起こったときには自分なりの対策を打てるようにしていきましょう。

怖くなって生活範囲が狭くなる

発作が怖いとどうしても怖い場面を避けるようになります。

このパターンが多いですね。

④ドキドキ、息苦しくなったらどうしよう、と考え怖くなる

⑤パニックになりそうな場所、状況を避ける

⑥生活の幅が狭くなり、日常生活に支障が出る

対策

④のように「あーなったらどうしよう」と不安になることを予期不安と言います。

予期不安への対処方法はこちらの記事に書いています。

⑤のように怖い場所を避けるのを「広場恐怖」っていうのです。

広場恐怖の治し方はこちら。

広場恐怖はない人もいます。

場所は怖くないけれど症状がでること自体だけ怖いってタイプ。

⑥ですが、不安は避ければさけるほど怖くなる性質があります。

不安な場所を避ければもっと不安は強くなります。

すると生活範囲が狭くなり、やりたいことができずパニックにおびえる生活になりがち。

それでうつっぽくなる人もいます。

このため、不安を避けずに挑戦していきましょう。

ウツっぽくならないためには運動など体を動かすことがおススメです。

治療を始めた時におこりがちなこと

日常生活に支障がでると病院に行く人が多いでしょう。

改善していく人もいますが、そうでない人もいます。

改善していかない時のパターンはこんな感じです。

⑦病院に行って薬を飲む

⑧飲むとマシになり安心するが、薬を持ち歩かないと不安。嫌な場所は極力避ける

⑨調子が良い時は何とかなるが、症状がでるとまた元に戻るの繰り返しで病院に何年も通い続けている

対策

⑦についてですが、本来パニック障害の治療は薬と認知行動療法ですが、日本では病院にいくとまず薬をすすめられることがほとんど。

お医者さんは薬物療法がメインであることと、認知行動療法をやれるカウンセラーが少ないことが要因の一つ。

それでよくなる人もいますが⑧のように人によっては「薬がないと不安」となる人もいます。

落ち着いていても嫌な場所を避けず続けて安心している人がいますが、それだと怖いままなんです。

こちらの記事を参考に。

病院では教えてくれないパニック障害が怖いままの理由

⑨のように症状が出ない時は「良くなった」と思えますが、少し症状がでると「悪くなった」と考え、パニックに振り回される生活となります。

実は症状がでないようにしようと思っているうちは、パニックにおびえた生活となるのです。

ここから脱するためには症状が出ても何とかなる、という経験をしていくことが必要です。

そのためには認知行動療法をやることになるでしょう。

認知行動療法についてはこちらを参考にしてください。

パニック障害の治療・克服法

まとめ

多くのパニックの人にあてはまる悪化パターンとその対策について説明しました。

このパターンをパニックになった初期段階で気づいていれば、対策も打ちやすく、早くよくなっていくと思います。

パターンにはまっている人は、早めに相談しにきてくださいね。

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