手洗いや確認をやめたら不安。でも悪化することはありません

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害の治療は、自ら不安なことに直面してもらいます。
手洗いをやめてもらったり、確認をやめてもらったり。
強迫性障害に一番効果がある認知行動療法のやり方です。

そこでよくでる質問。
「強迫行為(手洗い、確認など)をしないってとても不安です。逆に悪くなったりおかしくなったりしませんか?」

不安がいくら強くなっても問題なし(最初は苦痛ですが)。むしろ今のままの方が不安定になる

はい、おかしくなりません。
苦痛はあるかもしれませんが、おかしくなることはありません。
その苦痛も治療を続けていくうちに減ってきます。
むしろ、強迫行為(手洗い、確認)を続けて行く方が、精神的に苦しくなってきます。

悪くなることもありません。
ただし強迫行為をやめると、一時的に強迫観念が増えることがあり「悪くなった」と感じるかもしれません。
強迫行為は麻薬と同じようなものと言われています。
麻薬を止めると一時的に「やりたい」って気持ちが強くなり、精神的に不安定になるのは想像できますよね。

ここを乗り越えられないと、あとで我慢していた分を取り返すかのようにもっと強迫行為が増えていきます。
繰り返していくと「やっぱり強迫行為を減らそうとしても無駄だ」と思うかもしれません。
かといって「麻薬をやめるとやりたい気持ちが出てきて不安定になる。だから麻薬をやっていいんだ」とはなりませんよね。

あとこちらの記事も参考にしてください。
「一回だけ」が確認強迫を悪化させる

最後までやり通せば、その不安にも慣れてきます。
そこまでやりきりましょう!

苦しくなったらこちらの記事も参考にしてください。
本当に良くなるの?強迫性障害の認知行動療法について

やり方に自信がない時は認知行動療法の専門家に相談

いくら不安なことをやっても、おかしくなることはありません。
やり通せば状態が悪化することもないです。
ただし中途半端にやったり、途中でやめると強迫行為をもっとやりたくなるかもしれません。

このためできるだけやり方には気を付けた方がよいです。
やり方に自信がない人は認知行動療法専門のカウンセラーのもとでやることをおすすめします。

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