不安な場面に挑戦するために

臨床心理士の鈴木です。

先日、鎌倉までいってきました。

平日の昼間に電車でいってみましたが、
非常に込みあっていました。

よどむ空気、
ギュウギュウの車内、
駅には停まらず何かのトラブルが起こり線路上で途中停車、
パニック障害の多くの方が苦手な状況です。

いや、パニック障害の方ならずとも不快な場面です。
ですから満員電車を好きになる必要はありません。
極端に言えば「嫌だな」「不安だな」と考えても問題なく乗れればいいわけです。

パニック障害の方で認知行動療法について調べたときに、
「曝露(エクスポージャー)」をすると聞いたことがあるのでは思います。
「曝露」は不安場面にさらされることを指します。

これを聞くと
「不安場面にさらされると、もっと怖くなりそう」
「理屈ではわかるけど勇気がでない」
と思う方が多いようです。

ごもっとも。

電車にのれなくて困っているのに、
やるようにといわれても困るのは当たり前です。
無理に克服しようとしてもさらに怖くなります。

このため、さらに悪化しないような工夫が必要となってきます。
工夫としては考えを柔軟にしたり、心身のコントロールについて学んだりと人によって様々です。
しかし一般用の認知行動療法の書籍だけでは不十分なことも多いはず。
単に「我慢して電車に乗ろう」では曝露が嫌になったり、もっと怖くなったりします。
このため専門のカウンセラーにカウンセリングを受けることをお勧めしています。

鎌倉では革の専門店にいきたくて行って来ました。
インターネットではなかなか買えなかったこともあり、鎌倉の店舗までいったのです。
その店舗は海外有名ブランド店のようなゴージャス感はありませんが、落ちついた店内、落ちついた接客、革製品も落ち着いたものが多い。
シンプル好きな30代以降向けのお店です。
インターネットは便利ですがやっぱり手にとって買う方が私は好きです。
嫌な満員電車も目的があると頑張って乗ろうかと思うもの。

曝露も単に不安を克服するために電車に乗るとしない方がうまくいったりします。
目的についての視点が変わるとよいこともありますよ。