やりたい仕事がない人の職場の探し方

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

仕事を決める時ってどうしてます?
やりたい仕事がないって悩みをよく聞きます。
私は別にやりたい仕事なくたったいいじゃない!って思うんですよ。

みんなそんなに仕事したいですか?
仕事にいきがいをもって、ってのはそれはそれでいいですけれど、趣味とか遊びとかに人生の価値を置いている人もいますよね。
だったらそこまで仕事にこだわる必要もないです。

楽しいとかマシかなぁって思う生活ってなんでしょう。
仕事とか趣味ってそれを実現するためのツールでしかなくて。

「そんなこといったって生活しなきゃいけない」
「仕事してないとなんとなくダメ」
まぁ、生活しなきゃいけないのはそうなんですが、無理に仕事してもうまくいかないですよ。

正社員じゃなきゃってあせって「正社員、未経験者OK!」の求人に飛びつき、行ってみたらブラックな職場だった。
嫌だけど「次がないかも」「他のところにいっても同じだから」「石の上にも3年って言うし」と無理に働き続ける。
で、結果としてうつになっている人って多いです。
こちらの記事も参考にしてください。
・あなたは洗脳されているかも。厳しいことを体験しても心は強くなりません。

よく「どんな仕事が合っているか?」の心理テストみたいな自己分析ありますけど、あんなの大して役に立ちません。
自分が今好きとか得意と思っているものが結果として出てくるだけ。
だからなんとなく「合ってる!」「納得!」って思いやすくなってるんです。
本当にあっているかどうかまでわかるハズもなく。
占いと同レベルですよ。
考えてください。
そんなんで合っているものがわかったら、みんなこんなに悩んでいるワケありません。

あと分析したところで就職後の満足度が高いわけではないことを以前書きました。
・金か愛か?これであなたの就職も恋愛もうまくいく

実際のところは運も大きいんですよね。
仕事内容とか、職場の人間関係とか。

じゃぁ、どうすればよいの?

どんな仕事がしたいのか?ではなく、
自分はどんなスタイルの生活を望んでいるの?をまず先に考えましょう。

そもそも働かなきゃいけないの?
その生活を手にいれるためにどんな仕事が最適なの?働く時間は?収入は?働く場所は?

こんな感じで考えてみるといいです。

こちらの記事も合わせてみると考えやすくなるかも。
・人生に迷ったらこれを読め!

望む生活スタイルって、ずっと一緒じゃなくて、その時によって変わっていくもの。
だから「どんな人生を歩みたいか?」とか大それたことじゃなくて
「どんな感じの生活だったらたのしいかなぁ、ワクワクするかなぁ」くらいに考えた方が良いです。

考える時は「世間一般ではこうだから」「老後が心配だから」「親が言っているから」ってのはNG。
そんなこと考えていると望む生活から離れていきます。

どんな生活したらよいかわからないし、やりたいこともないし、でも働かなきゃいけないって人は、とりあえずどうしてもやりたくない仕事をピックアップして、それ以外のところから選んでみるのも手。

働くことはあくまでも生活のツールの一つ。
人生の目的にならないようにしましょう。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


縁起強迫の治療・克服法

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

・嫌なイメージが思い浮かんだら、その時の行動をやり直す
・不吉な数字が思い浮かんだら、「良い」数字を思い浮かべる

強迫性障害の一種、縁起強迫の症状の一つです。

外からみると、無意味に同じ行動を繰り返したり、ボーっとつったっていたり、なんかブツブツいっていたりと奇妙に見えます。
病院でも統合失調症と間違われることがあるくらい。

私は何人も縁起強迫の人をみたことはありますが、同じカウンセラーでも治療したことがない人が多いようです。
対処法がわからないって人も少なくありません。
患者さんの方が認知行動療法を勉強していて対処法を知っていたりします。

認知行動療法の専門家がいる地域なら相談すればよいのですが、いない地域もあるかと思います。
そんな人は患者さん自身が対処法を知って克服していきましょう。

今回は縁起強迫の治療・克服法について書いていきます。

嫌なイメージを打ち消そうとして悪化する

代表的な悪循環はこんな感じ。
嫌なイメージ(死ぬ、病気、苦手な人)
→自分や家族が、イメージのようになってしまうのでは?
→不安になる
→打ち消しのための行動をする(良いイメージを思い浮かべる、行動をやり直す)
→きっちりと打ち消していないのでは?
→打消しのための行動
→やっぱりきっちり打ち消していないのでは
→打消しのための行動・・・

この繰り返しで生活に支障が出てきます。
打消している途中で誰かに話しかけられたり邪魔がはいるとやり直しするでしょう。
完璧な打消しができないので。

縁起強迫の人は嫌なイメージを避けようと、考えない努力をします。
しかし、考えない努力は「嫌なことを考えないようにしよう」って「考えてる」ことになるので、もっと嫌なことを考えるようになるのです。
考えない努力は無駄などころから、症状を悪化させます。

頭の中で「大丈夫だ何も起きない」ってのも打消しの儀式(強迫行為)です。
儀式をすると不安はもっと強くなりますので、安心させることはやってはいけません。
周囲が「何も起こらないから大丈夫だよ」と言ってしまうともっと症状が悪化します。

時々頑張って強迫行為をしないでいると悪いことが起こっていないかを探します。
生活していると何か悪いことは起きるので「やっぱり強迫行為をしなかったら悪いことが起きたんだ」と考えがちです。

縁起強迫の克服方法

治療・克服法は嫌なイメージや不安に慣れていくことです。
そのためにやることは2つ。
・打消しの行動(強迫行為)をやらないこと
・嫌なイメージに慣れていくこと
この二つの組み合わせをします。

嫌なイメージになれるためにはワザと不安なこと、避けていたことをやっていきます。

苦手な数字が4だとします。
4は「死」をイメージするからだと不安です。
4があると「5」を思い浮かべたり、何かやるのは4時を避けている。

こんな場合は以下のやり方が一例。

・4を思い浮かべてる
・4の数字を何度も書く
・ワザと4時に動く
・スマホの待ち受けを4の数字にする
・生活のいたるところに4を書いたものをはる
・「死ぬ」とイメージしながら日常生活を送る
・打消しの行為はしないで行動を続ける

こんなもんできるか~!と言いたくなりますよね。
もちろんやるのが怖い人はやりやすいところを探してそこから一歩ずつすすんでいくとよいです。
最初は不安で仕方ないかもしれませんが、しつこいくらいやっていくと思い浮かんでも気にならなくなってきます。

「何も起こらなかった」と安心はダメ

ここで気を付けたいことがあります。
「4が思い浮かんでも何も起こらなかったら大丈夫」とわかる練習ではありません。
そんな風に考えてもある程度まではよくなりますが、また元に戻るでしょう。
安心する理由を探していることは強迫にエサを与えているようなものです。
ちょっとよくなった時期もあるけれどぶり返した、って人はこのパターンが多いです。

我慢だけじゃダメ 積極的に嫌なイメージに慣れていくことがキモ

打消しの行為だけをやめることに一生懸命になりがちです。
克服のキモはあえて縁起の悪いことをやっていくこと。
「嫌なイメージうかんだから我慢しよう」ではなく「嫌なイメージは積極的に考えよう」
これがないといつまでたっても「我慢する」だけで良くなっていきにくいです。
「打ち消さない」ではなく「縁起の悪いことをワザとやる」をメインに克服プランを立てていきましょう。

一人でやってもうまくいかない場合は相談にきてくださいね。
強迫性障害が良くなっていった人の体験談はこちらです。

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パニック障害の治療・克服法

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

パニック障害の治療、克服法はネット上でいろいろ出ています。
たくさんありすぎて「結局何が正解なんだよ!」と考えてしまいますよね。
パニック障害は自然に良くなることがあります。
だから「○○をやったから良くなった」ってデマが広がりやすいのです。

どの情報がデマか?
それを書くといろんなところから苦情がくるので・・・。
会社員のつらいところ。
まぁ、時々ブログに書いてますけど。

しかし、おすすめの方法なら紹介して何も問題ないのでご紹介します。

パニック障害に対して科学的根拠がある治療法は「薬」と「認知行動療法」です。
どの治療法を選択するか迷ったらこの二つの選択がおすすめです。

どちらもメリット・デメリットがあるのでおさえておきましょう。

薬のメリット・デメリット

薬はパニック発作や不安を減らしてくれる役割があります。
不安が強くてどうしようもない、発作が起こりすぎてまず発作を減らした方がよい人にはおすすめです。
飲むだけなので楽ですし。

一方で、副作用やお薬を減らしたりやめたりする時に起こる副作用がデメリットです。
何年も飲まなくていけないことが多く、通院が長くなること、薬の使用による妊娠のことなど、気がかりなこともあります。
ネット上でも何年も薬を飲み続けている人っていますよね。
人によっては頓服薬がないと不安になって手放せなくなる人も。

認知行動療法のメリット・デメリット

認知行動療法は、パニックを悪化させやすい考え方や行動を変えていって克服する方法です。
よく不安な場面に実際にいっみて不安に慣れていく練習をしていきます。
また電車など不安に場面に慣れていくやり方だけではなく、わざと発作を起こして発作自体に慣れて克服する方法もあります。
関連記事
電車に乗れるようになっても、パニックが良くなていないワケ

認知行動療法のみで良くなることもありますし、薬と併用することも。
自分で対処法を学び克服していくので、再発率の低いとされています。
再発を繰り返している、薬に頼りたくない、将来妊娠希望って方におすすめです。

デメリットもあり不安場面に実際にいって練習していくので、不安は避けずに乗り越えようとする意欲が必要です。
不安は避けたい、頓服使用していれば問題ない、って方には向きません。

病院にいくとだいたいはお薬をすすめられます。
日本ではパニック障害の治療の中心となっているからです。

認知行動療法はお薬と同じくらいの効果がありますが、専門家が少ないことからなかなか受けることができません。
「必要ならばいつかお医者さんがすすめてくれるだろう」っと思っていてもすすめられないかと。
もしも受けるとすれば、自分で専門家を探さないといけないことが多いでしょう。

薬と認知行動療法のメリット・デメリットを考えて、治療法を選択してください。

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生活を充実させるための方法 今の状況から考えてみよう

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

あなたの今の生活はどんな感じでしょうか?
楽しいことがどれくらいあるか、嫌なことがどれくらいあるかを軸に4つの状態に分けてみると、今自分は何をするべきかわかりやすいです。
A~Dであなたはどこにあてはまりますか?

スライド1

A:生活が充実している状態。
楽しいこともあるし、不安でもやりたいことをどんどんやっています。
嫌なことが多いになぜ?って疑問に思うかもしれません。
ここがミソでして。
充実感って不安の先にあることが多いのです。
やりたいことをやる時って、「どうなるんだろう」って不安はつきものですよね。
うつや不安を克服した人はこっちかと。

B:生活はやれているけれど、充実感が少ない状態
良いことがあって、嫌なことが少ないってすっごくよく見えますよね。
しかし、生活はできているけれど、何か物足りなさを感じています。
嫌なことが起こらないのは失敗したり不安になったりすることを避けるからです。
やりたいけれどやれないものがある、失敗を恐れてあきらめているものがある、とか「本当はこうしたいのに」ってのを安定のためにあきらめています。

C:引きこもりのような状態
現実が苦しいので嫌なことを過度に避けています。
できるだけ刺激を避けるため生活範囲が極端にせまいです。
当然楽しいことも少ないので、これはこれでつらいでしょう。
将来のことを考えると絶望的になるので、テレビ、ゲームやネットをして何とかやり過ごしている人が多いかも。

D:気分が落ち込んでいる状態
現実世界で嫌なことがたくさんある割には良いことも少ない。
逃げることも、立ち向かうこともできないと思っている。
これはつらいです。
うつになります。

それぞれの対策

スライド2

Aの人
Aにあてはまる人は、何もいうことはありません。
良いことも悪いこともあることが充実につながるってことを忘れずにいましょう。

Bの人
Bにあてはまる人は、あなたが今後どのような生活がしたいのか?価値観が問われます。
充実した生活をおくるために、失敗を恐れずやりたいことをやっていくとAに向かっていきます。
当然Aに向かうにはリスクも。
しかし、リスクをとってでも欲しい未来がある、今の生活を抜け出したい、と思うならリスクをとる価値はあります。
失敗しても終わりじゃないです。
またチャレンジすればよいだけ。
もちろん、Bのままでいるのも手です。
やりたいことができない不満はあるんだけど、今の生活も捨てがたい。
そんな人はBにいて様子を見た方がよいでしょう。
どうしてもしんどくなってきたらAに向かってください。

Cの人
何とか嫌なことから避難しているけれど、楽しくもないですよね。
とりあえずはBに向かうと良いです。
つまり、ちょっとでも楽しいこと、ワクワクすること、嫌なことはいいからとりあえず好きなことだけをちょっとずつやっていきましょう。
そうすると気持ちが楽になってきます。

Dの人
うつ病になる前にAでもBでもCでも良いので動きましょう。
Aに行くなら、不安でも誰かに相談したりして現実問題を解決し、良いことを増やしていきましょう。精神的体力が残っている人向け。
Bに行くなら、とりあえず環境を変えて楽しいことを増やしていく。精神的に少しは体力がある人向け。
Cに行くなら、何よりも環境を変えてとりあえず休んで落ち着くことを優先。心も体もズタズタな人はとりあえずこっちへ。ちょっと休んだらはやめにBに向かいましょう。

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体重計にのると過食がひどくなる人の対処法

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

過食症で悩んでいる人は体重や体型を気にしています。
気にするとこんなことをしてしまうのです。

・一日に何度も体重計にのる
・鏡を何度も見て体型をチェック
・体に触って体型をチェック

これらの行動をするともっと体重や体型が気になるようになります。

体重計にのり数百グラム増えたら落ち込む
→落ち込むとやけになり過食
→過食により体重増加
→気になって体重計にのる
→落ち込んでやけになり過食・・・
こんな悪循環になるのです。

だから治療では頻繁に体重計にのったり、体型をチェックしたりすることをやめてもらう練習をします。
そうすることで体重へのとらわれが減ってきて、少しずつ過食も減ってきます。
ところがこれが結構難しい。
ついつい不安でやりたくなってしまうんです。
麻薬に近いものがあります。

そんな人は体重計を自宅から撤去するのも手。
食べ物と同じで、近くにあるとどうしても手が伸びてしまうんです。
意志の力にまかせるのではなく、環境を変えていくのがコツです。

どうしても体重を知りたい場合、病院に行っている人なら病院に行ったときにだけ体重を量りましょう。

ある程度コントロールできる人なら体重を量るにしても週に一回程度にしてください。
それ以上だと過食がどんどんひどくなる可能性があります。

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同じ心の病気の人と話したいと思ったら メリット・デメリットを知っておこう

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

「同じ病気の人と話したい」って考えることありませんか?
こういう時は、同じ病気の人の集まりにいってみるのも手です。

合う、合わないがあるので、評価は人によるでしょう。

今回は同じ症状のグループに参加する、メリット、デメリットについて書きます。
迷っている人は参考にしてください。
(切池、2014を改変)

メリット

・話せる場所ができる
自分の症状について友達には話せないもの。
同じことで悩んでいる人なら話しやすいですよね。
情報共有の場にもなります。

・孤独感が薄れる
「こんなことで悩んでいるのは自分だけ」って思いがち。
症状で悩んでいるのは自分だけじゃない!っ思えると勇気がでますよね。

・他人の良い点と悪い点を見ることで自分に活かせる
自分のことならわからないけれど、他人のことならわかりやすいもの。
他人がやっている、良いところは真似して、悪循環になってるなぁってところは改める。
「人のふり見て我がふり直せ」ですね。

デメリット(全員にあてはまるわけではありません)

・自分の症状は軽いと考え、治療しなくても大丈夫と思う
人より症状が軽いと思うことで、「まぁこれくらいならこのままでいいや」と、治療する努力を止めることがあります。
「みんなも同じように悩んでいるからこのままでもちょっと安心」では意味がありません。

・他人の悪いクセを学ぶ
他人がやっている悪いクセを学んでしまうことがあります。
「あ、こんな現実逃避の手段があったんだ!」って。
また効果のない治療法を他人がやり、それをまねてしまうことも。

・マイナスの影響を受ける可能性
人は近くにいる人の影響を受けやすいもの。
うつの人が周りにいると、うつの人が増えます。
ポジティブな人が近くにいると、ポジティブな人が増えます。
マイナスの影響を受けやすい人は、落ち込んだり、他人から聞いた症状がうつってくることもあるかもしれません。

集団って、やっぱり合う・合わないがあるんです。
患者さんを見ていても、「みんなと話すことで勇気がもらえた!」「良い情報をもらった」って人もいます。
逆に「良くなっていない人ばかりだからマイナスの影響を受けた」「人間関係で悩んだ」って人もいます。
どっちもいるので、あとは良い出会いかどうかかと。
デメリットよりもメリットが大きいかなぁって思えたら、参加してみると良いですよ。

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「気持ちがわかってくれる」と思われるテクニック

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

「自分のことを見抜かれている」「自分のことをわかっている」と他人に思わせる簡単な心理テクニックがあります。
そうすると他人から信頼感が得られやすくなります。

相手のことを「○○だけど、××だよね」と伝えるんです。
○○と××は逆の言葉をいれます。
○○には相手が出している表面的な印象の言葉を入れる効果的。

・あなたは大雑把に見えるけれど、こだわるところはこだわりますよね
・あなたは明るく振る舞っているけれど、心の底では暗い一面もありますね
・あなたは大人っぽく見えるけれど、子どもっぽいところもありますよね
・基本は一人が好きだけど、誰かといたいって思う時もある人だよね
・いつもは人前でつっぱっているけれど、本当はさみしがり屋だよね

「大人っぽいけれど、子供っぽい」とか二面性は誰しもがもっているものなんです。
ほとんどの人に共通しているところを言っているだけ。
しかし、目の前でいわれると「私のことわかってる!」って思いやすくなります。
特に表面上の特徴を最初に言われると(○○の部分)、裏の部分を知っている(××の部分)、と思われやすいのです。

昔から占い師とか霊媒師とかが相手の心をつかむために使われます。
バーナム効果って言います。
「何で私のこと知ってるの?」って思われるテクニックなんです。

関連記事
・あなたの性格言い当てます

こんなの自分はひっかからない!って思った人でも、日本人であれば血液型を信じている人は多いでしょう。
それもバーナム効果なんですよ。
・血液型の性格が当たると思ってしまうワケ

「いや血液型は当たっているところがある」とカタクナな人が多いハズ。
それくらいバーナム効果は強力なんです。

私が言うのもなんですが、心理学を学んでも人の心なんて読めるようにはなりません。
せいぜい心が読めるように見せかけるセコイ手があるくらい。
あたかも心が読めると主張している本がありますが、ま~ったく科学的根拠ないです。

このテクニックは相手からの信頼を得たい、心がわかっているように思われたい、って時に使えます。
頑張っているのに結果がでない、もう投げだしたいなぁ、って弱っている時に頑張っているって情報を知っている誰かが
「頑張っているけれど、本当はもうやめたいって思う気持ちもあるよね」
って言われたら、テクニックだって理解していても「この人わかってくれる」って思いますよね。

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簡単にできるうつや不安に強くなる方法

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うつや不安が強い人は、悪循環になっていても同じような行動をとります。
柔軟性がなくなってくるのです。
失敗を恐れるので、新しいことにチャレンジしなくなる。
すると悪い状態のままになってしまいます。

実際に治療では、うつや不安を避けずに立ち向かっていく、これまでと違った行動をとる方法が効果があるとわかっているんです。
さらに柔軟な行動をすることで、禁煙やダイエットにも効果がある研究もあります。

また運が良くなる可能性を高めると言われています。
柔軟な行動をするといろんな経験が得られるので、結果として運がよかったという経験が得られます。
この辺りは運がよくなる!って保証はしませんけど。

だから自分を変えたいと思ったら、いつもと違った行動をとるクセをつけていくことが良いんです。
昨年流行ったルーティンとは逆ですね。
ルーティンはコツコツ同じことを繰り返す鍛錬としては良いところもあります。
しかしコツコツ同じことをやっていくのと、変化することが不安で同じ行動をとっているのと一緒にしてはいけません。

以前、いつもと違った行動を起こすと良いことを書きました。
カウンセラーも実践!不安に強くなり生活が楽しくなる方法

この記事に興味をもってくれた方って結構多かったんですよ。
なので調子にのって今回は違った行動をするバリエーションをご紹介します。

自分の性格と逆の行動をとってみる

自分の性格と反対のだと思う行動をとってみる方法があります。

例えば、
・自分が厳しい性格なら人に優しく接してみる
・大人しい性格なら、主張してみる
・節約家だと思えば、大盤振る舞いしてみる
・自分のことしか考えないなら、人のために何かしてみる

いつもと違う自分を演じるのです。
そうすると、いつもと違った体験が得られるでしょう。

あんまり大きなことでなく、上記くらいの小さなことをやったほうがよいです。
そうでないとすぐに挫折して「やらなきゃよかった」ってなります。

前回の記事を見て実際にやってみての感想で比較的多かったのは
「やってみましたが、面倒なのでやめました」
「新しいことをしたら後悔したんでやっぱりいつも通りに戻しました」
「人から無理しない方がいいといわれてやめました」
というもの。

結局、いつものパターンに戻ってしまうのです。
なかなか継続するのは難しいかもしれません。
しかし、そこで「やるか」「やらないか」の2択にならないことが大事。

「いつもはできないけれど、週に一回はやってみる」
「全部じゃなくてできそうなところからやってみる」
できるところから継続的にやっていけばいいんです。

いつもと違うことをすれば、失敗体験もつきもの。
「やらなきゃよかった」っと思わず、違うことをどんどんやっていきましょう。

関連記事
・「失敗したくない」ばかりだと、つまらない生活になりますよ
・失敗したなぁって思った時に立ち直るコツ

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強迫性障害のワナ!普通の人くらいの時間で確認や手洗いをする方法

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

「フツウ程度」「これくらいでいいや」は強迫のワナ

強迫性障害の人は「フツウの人程度に手洗いや確認をしたい」と思っています。
しかし、フツウにやろうとしてもうまくいかないのが強迫性障害。

「フツウの人だってこれくらい安全確認のためにやるだろう」
「フツウの人だってこれくらいの手洗いはするだろう」
ってやるとうまくいかないです。

うまくいけばある程度は確認や手洗いが短くなるかもしれません。
そうなるとよくあるマズイパターンにはまります。
「フツウの人より長いけど、前より良くなったからいいよね」

強迫のワナですよー!
あまい誘惑。
ダイエットしている人に「ここまでがんばったらから、もう運動しなくていいんじゃない」ってのと同じ。

マシになったとしても、強迫にとらわれ続ける可能性が高いです。
何かの拍子で、すぐに強迫がもとに戻ります。

よく治療をして良くなると「前より生活に支障がなくなったからこれくらいでいいや」となり、避けているものを残してしまうことがあります。
後で困るよくあるパターンです。
まぁ、前より良くなったらそれはワザワザ不安に慣れていくことなんてやりたくないですよね。
でも強迫はそんな感じでしつこくあなたを苦しめます。

フツウ程度になるための方法

強迫性障害には認知行動療法が今のところ一番有効です。
認知行動療法ではフツウの人以上のことをしてもらうことが多いです。

「私はフツウになりたいだけ」
「なぜそんなことしなきゃいけないの?」
って思うでしょう。
「他人を危険にさらすかもしれないのに、安全のための確認をしないなんて・・・」と抵抗したくなります。
「自分がやっている強迫行為は必要なこと」と考えたくなるでしょう。
万が一を恐れて行為をやるのが強迫です。

これも強迫のワナですよー!
「ホラホラ、確認しないのは不安でしょ。無理しなくていいんだよ。フツウの人だってやってるんだからさぁ。一回だけ確認しちゃいなよ。カウンセラーの言っていることなんて無理なこといってるだけだからさぁ」
麻薬の売人のように、甘くささやいていません?

フツウ程度になるには順番が大事。
フツウにやろうとすれば、フツウ程度になるわけじゃないのです。
一度、フツウ以上のことをしながら不安に慣れてもらい、過剰な不安を取り除いていくと、フツウの確認や手洗いをしても強迫にとらわれにくくなります。
ここがポイントなんですよ。
もちろん、一度克服すれば一生大丈夫なのではなく、メンテナンスをしていくことは必要です。

まとめ

フツウを最初から基準にしてしまい、確認や手洗い、避けているものがあると、将来その代償を払うことになります。
つまり再発を繰り返す可能性が高いのです。
60代、70代になっても強迫で悩んでいる人はいます。

・確認や手洗いを少なくしようとしているけれど、何年もとらわれ続けている
・前よりよくなったけれど、何度も再発を繰り返している
こんな人は、フツウを基準に手洗いや確認をやろうとしていませんか?
苦手なことを避けていませんか?

フツウになるためには、一度フツウから離れて治療・克服していきましょう。

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吐き気が怖い 嘔吐恐怖症の治療・克服法

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

吐き気が怖い。
嘔吐恐怖症の症状です。
嘔吐恐怖症は正式な診断名ではないのですが、よくある症状なんです。
パニック障害、社交不安障害、強迫性障害、うつ病などどかぶるところが多いです。

吐き気が出そうな状況が苦手ではありませんか?
・人が吐いているのを見る
・吐いている人がいそうな場所(居酒屋、週末の電車、駅など)を避ける
・家族が嘔吐するのが怖い
・満腹になる

そのような状況になると自分も吐き気がしてそのまま我慢していないでしょうか?
結構悩んでいる人多いんですよ。
そのままにしておくと、仕事や学校にいけなくなったり、楽しみにしていたことができなくなったり。
女性だと妊娠が怖いって人もいます。

このため早く治した方が良いです。
今回は、嘔吐恐怖症の治し方について。

嘔吐恐怖症は不安なことを避けているともっとつらくなる

人にもよりますが、吐き気は怖いものの、あまり実際には吐いたことがない人が多いです。
我慢していた、不安なことを避けてきた、この辺りが理由かもしれません。

しかし、不安なことを避け、我慢していることが、症状が続いてしまう結果を引きおこすのです。
不安は避ければ避けるほど強くなる性質があるから。

かといって不安な場面を避けなければ大変なことになってしまう!って考えています。
実際に不安なところにいくと吐き気がするでしょう。
そこで、これまでは逃げて安心、ってしていたのを「逃げなくても何とかなる」ことを経験していくことが治療となります。

不安に挑戦する前に練習しておくこと

ただただ不安な場所にいってもなかなかうまくいきません。
余計怖くなるだけです。
不安なことに挑戦するにはコツが必要です。

コツの一つは不安な時の注意の方向。
嘔吐恐怖の人は吐き気に敏感で、自分の体の調子に注意がいきやすいのです。
例:
体の調子に注意が向く
→吐き気を意識
→吐き気出現
→不安が大きくなり、体に注意が向く
→吐き気が強くなる

このため注意が体に集中しないでおく練習をすると良いのです。
練習方法の概要はこちら。
・吐き気が怖い人の対処法
このあたりは専門家と練習しないと難しいかもしれません。

練習手順

ある程度注意の向け方をマスターしたら、不安に慣れる練習をします。
よくあるやり方は、不安場面をリストアップして、不安の強さを0(怖くない)~100(死ぬほど怖い)で評価。
数値の弱いところから、少しずつ挑戦していくとやりやすいです。
コツはパニック障害の治し方と同じなのでこの記事を参考にしてください。
・広場恐怖の克服方法 パニック障害の治し方

いろんな練習方法がありますが、簡単なやり方をご紹介します。
紙やスマホでこの手順を書きながらやると良いです。

手順は
①不安に挑戦する場面を決定
②不安場面での予想を立てる
③実際にどうなったかを結果を記録
④やってみて学んだことを書く

例:
①不安な場面
から揚げを食べる

②不安場面での予想
から揚げを食べると、吐き気がして、そのままでいたら吐くだろう

③結果
思ったより食べられた。吐き気は起こったが、吐くことはなかった。

④学んだこと
吐き気は起こっても、吐くことはない。

結果を見ながら①~④を繰り返していくと良いです。

基本的なやり方を書きました。
このブログをみて実践するだけで良くなる人もたまにいます。
しかし、一人で克服できる人は少ないと思います。
細かいところがわからかったり、壁にぶつかることがありますからね。
可能であれば、認知行動療法の専門家と相談しながらやっていくことをおすすめします。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
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