強迫性障害のワナ!普通の人くらいの時間で確認や手洗いをする方法

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

「フツウ程度」「これくらいでいいや」は強迫のワナ

強迫性障害の人は「フツウの人程度に手洗いや確認をしたい」と思っています。
しかし、フツウにやろうとしてもうまくいかないのが強迫性障害。

「フツウの人だってこれくらい安全確認のためにやるだろう」
「フツウの人だってこれくらいの手洗いはするだろう」
ってやるとうまくいかないです。

うまくいけばある程度は確認や手洗いが短くなるかもしれません。
そうなるとよくあるマズイパターンにはまります。
「フツウの人より長いけど、前より良くなったからいいよね」

強迫のワナですよー!
あまい誘惑。
ダイエットしている人に「ここまでがんばったらから、もう運動しなくていいんじゃない」ってのと同じ。

マシになったとしても、強迫にとらわれ続ける可能性が高いです。
何かの拍子で、すぐに強迫がもとに戻ります。

よく治療をして良くなると「前より生活に支障がなくなったからこれくらいでいいや」となり、避けているものを残してしまうことがあります。
後で困るよくあるパターンです。
まぁ、前より良くなったらそれはワザワザ不安に慣れていくことなんてやりたくないですよね。
でも強迫はそんな感じでしつこくあなたを苦しめます。

フツウ程度になるための方法

強迫性障害には認知行動療法が今のところ一番有効です。
認知行動療法ではフツウの人以上のことをしてもらうことが多いです。

「私はフツウになりたいだけ」
「なぜそんなことしなきゃいけないの?」
って思うでしょう。
「他人を危険にさらすかもしれないのに、安全のための確認をしないなんて・・・」と抵抗したくなります。
「自分がやっている強迫行為は必要なこと」と考えたくなるでしょう。
万が一を恐れて行為をやるのが強迫です。

これも強迫のワナですよー!
「ホラホラ、確認しないのは不安でしょ。無理しなくていいんだよ。フツウの人だってやってるんだからさぁ。一回だけ確認しちゃいなよ。カウンセラーの言っていることなんて無理なこといってるだけだからさぁ」
麻薬の売人のように、甘くささやいていません?

フツウ程度になるには順番が大事。
フツウにやろうとすれば、フツウ程度になるわけじゃないのです。
一度、フツウ以上のことをしながら不安に慣れてもらい、過剰な不安を取り除いていくと、フツウの確認や手洗いをしても強迫にとらわれにくくなります。
ここがポイントなんですよ。
もちろん、一度克服すれば一生大丈夫なのではなく、メンテナンスをしていくことは必要です。

まとめ

フツウを最初から基準にしてしまい、確認や手洗い、避けているものがあると、将来その代償を払うことになります。
つまり再発を繰り返す可能性が高いのです。
60代、70代になっても強迫で悩んでいる人はいます。

・確認や手洗いを少なくしようとしているけれど、何年もとらわれ続けている
・前よりよくなったけれど、何度も再発を繰り返している
こんな人は、フツウを基準に手洗いや確認をやろうとしていませんか?
苦手なことを避けていませんか?

フツウになるためには、一度フツウから離れて治療・克服していきましょう。

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