睡眠と夢

臨床心理士の鈴木です。

暑くて寝ぐるしい日が続きますね。
眠れないという人も多いでしょう。

睡眠に「夢」はつきもの。
私のような職業をやっていると「こんな夢を見たけど、これはどういう意味?」と知人から聞かれることがあります。
色んな雑誌等で夢分析みたいのがあるので聞かれるのはわかっています。
そのようなことを専門としている同業者がいるのもわかっています。

しかし、あえてはっきりとしたことをいいますと・・・

そのような夢分析に、なんら科学的根拠はありません。
またそのような「治療法」も効果があるという根拠はありません。

このため私のカウンセリングでは夢の内容そのもの自体を扱うことは少ないです。
扱っても治療にはほとんど役に立つことはありません。
他の部分に取り組んでいった方がその人の役に立ちます。
分析内容の真偽はともかく、今後の治療的観点から役に立つように解釈するのは良いと思いますけど。

このように本当のことを言うとがっかりされることが多いです。
「深層心理」みたいなものが「心理学」だと思っている方も多いので・・・。

個人的には「なぜそのような夢をみるか」の本当のところはわからない方が良いと感じています。
どんな夢でも今後の役に立つように解釈できる機会が失われますから。

ただし
「どのようにしたら眠れるようになるか」
「悪夢に対してはどうしていけばよいか」
についてはご相談にのれると思います。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は
浦和すずのきクリニックの受付、
または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。


パニック障害と暑さ

臨床心理士の鈴木です。

暑くなってきましたね。
うちのクリニックでも「みどりのカーテン」をはじめたようです。
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最近では一般の家庭でもやっているところが多いようですね。

ただ、疑問が。
今も十分暑いのですが本当に役に立つのはいつだろう・・・。
虫がたくさんついたりしないのだろうか・・・。

まぁ、あまり考えすぎると何も始まりせんので、どうなるか観察してみようかと思っています。

暑くなるとパニック障害の方は外出するのがさらに怖くなりがちです。
あの「モアッ」とした空気。
息苦しさが増してくるでしょう。
怖くなり引きこもることとなります。
そうするとさらに恐怖感が増すという悪循環。

何度も書いていますが、パニック発作が怖いからといって不安場面を避けたり、気をそらすことばかり考えたり、頓服を飲むことしか考えていないのであれば、症状が長引きます。

夏は苦しいと思いますが、逆にパニック障害を克服するための練習機会がたくさんあります。
チャンスだと思って克服する練習をしてみましょう。

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他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。


うつと不安の休職中の注意点

臨床心理士の鈴木です。

うつや不安で悩んでいる人で
「気分が上向いたら動こう」
「やる気がでてきたら動こう」
「前向きになれたら動こう」
こんな感じで過ごしている人は要注意です。
いつになったら「やる気」が出てくると思いますか?
いつまで「やる気」が出てくるのを待ちますか?

うつや不安で休職していて、復職を考えている人で
「今日は気分が落ち込んでいるから寝ていた」
「不安が強いから薬を飲んで休んだ」
という状態であるならば、復職の時期を考えた方がよいかもしれません。
復職したあと落ち込んだり不安になったらどうしますか?
不安に対して頓服薬を服用して安心することが本当に回復していると言えますか?

日々の活動がその時々の気分に左右されている状態では復職は難しいでしょう。
まして「やる気が出てくるまで待つ」、「不安になったら頓服だ」というような対処しか持ち合わせていないでは復職してもすぐにぶり返す可能性があるでしょう。
復職するには気分に左右されずに目的の活動ができるようになるまでもっていかなくてはいけません。

うつや不安の気分に左右されずに活動するのは容易ではありません。
自分でできないと思う方は、専門家の手をかりて復職の準備をしてみましょう。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は
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社交不安障害・対人恐怖の方への復職プログラム

臨床心理士の鈴木です。

「社交不安障害・対人恐怖の方へのカウンセリングはどんなことをやるのか知りたい」という声がありましたので簡単に紹介します。
特に休職中の方の問い合わせが多かったです。

例えば人目が気になってしまい、「どのように思われれているのか」と思い悩む、赤面、発汗等、震え等で悩んでいる方へは・・・
①どのようにして症状が持続しているのかを解説
②人目が気になる時の考え方や行動をどのようにしていけば良くなっていくかを解説
③人目が気になった時はどのような心持ちでいればよいか、どこに注意を向けてどのような行動をしていけば良いかを解説
④カウンセリング中に練習
⑤日頃から練習することの解説
⑥実際の不安場面で挑戦してみて、微調整・復習

人によって大きく異なる場合ありますが、だいたいこのような流れです。
認知行動療法によるプログラムで書籍等で情報は入りやすいのですが、一般の方が本を読んで自己流でやるとだいたい失敗・挫折しますのでご注意を。

他で認知行動療法を受けていて「いまいち効果がなかった」という方もきていただければと思います。
そういう方の多くがずっと「プラス考える方法?」「新しい考えを見つける方法?」みたいなものを何回もやっているだけの方が多く、認知行動療法において大切な部分をやっておりません。
残念ながら社交不安障害に限らず、紙に「考え」を書かされてばかりの「認知行動療法」を受けて、良くなっていない方もかなり見かけます。
これは認知行動療法に不慣れな臨床心理士が多いことが要因と思われます。

集団で認知行動療法をやっているところもありますが、私は社交不安障害の方は個々に悩んでいる背景等も考慮して改善プログラムを立てなくてはいけないと思っていますので、集団療法はやっておりません。
・集団は苦手な方
・わからないことが集団だと聞けない方
・個別性を重視される方
は、個別カウンセリングをお勧めします。
症状が改善されるように私がマンツーマンでお手伝いします。

特に社交不安・対人恐怖で休職中の方は、苦手な場面がそのままだと復職してもまた悩むことになるので、休職中で時間のあるうちにカウンセリングを受けることをお勧めします。
現在復職中の方もまた休職にならないように対策を打ちましょう。

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夏と摂食障害

臨床心理士の鈴木です。

だんだん暑くなってきましたね。

追い打ちをかけるように節電で暑苦しい。

暑くなれば、薄着になります。
薄着になればボディラインが目立ちやすい。
このため「夏に向けてダイエット」なんて特集が毎年のように組まれていますね。
冬になれば「正月太りを防ぐ」なんて特集がでるので結局は一年中特集が組むことができるわけです。

そのような特集はやせたい人の目を引くのかもしれません。

「やせれば前向きになれる」と思っている人もいるでしょう。
確かに一時は前向きになれるでしょう。
しかし、いつまで前向きでいられるのでしょうか?

仮にやせたら今度は「昔のように太りたくない」と、痩せることに懸命になります。
太らないようにカロリーを計算、食事を制限・・・。
結局は太る恐怖に悩まされ、痩せる前と何も変わらず前向きにはなれないことが多いものです。

摂食障害の方はこのような経験がある方が多いかと思います。

体重や外見に囚われ続けると、人生の大切な部分を失うのかもしれません。
悩んでいる方は専門家の手を借りてはやく自分の人生を取り戻していきましょう。

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うつ病の講演会

臨床心理士の鈴木です。

さいたま市緑区役所で、区役所職員や看護師、ケアマネージャーの皆さん対象に研修会の講師をしてきました。

私はいつも道に迷うので、今回は会場まで迷わないようにと、車のナビに従って行きましたが・・・。
私の車のナビはどう考えても私を迷わそうとしているとしか思えません。
なぜか紛らわしい小道にはいり、曲がれない道路を曲がれと言います。
これは嫌がらせに近いですねぇ。
設定を変えたくても私は機械が苦手なので変えられません・・・。
予定よりも早く出たので遅刻せずにすみましたが・・・。

研修テーマは「精神科的基礎知識~うつを中心に~」。
うつの診断や薬の副作用、うつ病への対応について、看護師さん等医療・福祉のスタッフの皆さんが教科書的な知識ではわかりにくいと思われることを中心にお話してきました。
わかりにくい「うつ」。
身体の病気と「うつ」。
休んで薬を飲んでいても治らない「うつ」。
「うつ」でだるくて動けないときはどうすればよいか。
認知行動療法的な戦略、など。
ボイスレコーダーにとられているにもかかわらず、いつものように余計な話が多かったような。

印象に残ったのは、研修終了後の交流会で司会者の方がお話された私への印象。
私は研修会の時のマイクの持ち方に特徴があるそうです。
「先生がカラオケでマイクをもつ時はあんな風にもつんだろうなぁ、と思ってみてました」
と言われました。
どんな持ち方なんでしょう・・・。

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うつの悪循環

臨床心理士の鈴木です。

「うつ」になったとき、当然お薬がでます。
特に最初のひどい時はお薬と休養が一番良いです。
無理に身体を動かそうとせず、ゆっくり過ごすと自然に回復してきます。

ところが数ヶ月以上経っても変わらないことはないでしょうか?
不安になったら頓服を服用する。
イヤなことが思い浮かべば、眠って考えないようにする。
身体はだるいので家の中に閉じこもる。
このように「安静」にしていれば一時的には楽になるのかもしれません。

しかし、休んでいる間はイヤなことがさらに思い浮かぶものです。
だんだん効かなくなってくる頓服。
なかなか良くならない「うつ」。
先の見えない現状。
目にうつる人と比較。
元気だった頃の自分との比較。
プラス思考に考えられる方法を探そうとするが考えられない自分に落ち込む。

このようにしてさらに「うつ」に囚われます。
そうすると、また同じことを繰り返す・・・。

どのようにすればこの悪循環から抜け出せるのか。
この悪循環から抜け出す方法を提供するのがカウンセリング(認知行動療法)です。
一時しのぎの安心からの離脱や、だるさ・イヤな気持ちに囚われずやりたいことができるようにする援助をしていきます。

「いつまでも悪循環にはまりたくない」と思ったら、カウンセリング(認知行動療法)を受けてみてはいかがでしょうか。
少なくとも良くなるヒントは見つかると思いますよ。

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社交(社会)不安障害・対人恐怖の治療

臨床心理士の鈴木です。

人の視線が気になるなど、社交(社会)不安障害・対人恐怖症の方の多くは、大人になってからというよりは、子どもの頃から悩んでいるといわれています。

患者さんを見ているとそのような人が確かに多い印象です(もちろんそうでない人もいますが)。

治療しない場合、一生続く可能性もある病気です。
このため治療が必要です。

しかし、自分も周囲も「性格の問題」としてしまうパターンが少なくありません。
性格は変わらない→ということは治らない→治療を受けてどうこうなるわけではない、となってしまい、治療までたどりつかない方が大部分のようです。

「気の持ちようだ」「自信をもとう」「プラスに考えよう」など思いこもうとしても治りません。
自己啓発本を読んでも似通ったことしか書いてないと思います。

インターネットの普及で治療法などが広まってはいますが、これがまた怪しげなものが多い。
催眠療法と称して「胎児の頃にもどって、安心感が得られれば治る」といったものを良く聞きます。
また姿勢を治せば良くなるといったものも少なくありません。
さらにホームページで「独自に開発した治療法」として「利用者の絶賛されたコメント」があり、長いページの後に「ここをクリック」として誘導しているパターンが本当に多いですね。
それだけで治るのならば苦労はありませんし、治療的根拠もありません。
また数万~数十万と多額の料金を請求されることもあります。
値段が高い=質が高くて信頼のおける治療をしている、というイメージ戦略にのってはいけません。

実際の治療法としては薬物療法と認知行動療法があります。
どちらも科学的根拠(エビデンス)の出ている方法です。
もちろん一長一短はありますが、今のところそれ以上に効果をあげている方法は見当たりません。

改善するためには病気と治療法に正確な知識をもつことは重要です。
安易な民間療法は時間とお金を費やす結果となりやすいのです。
このため薬物療法や認知行動療法の実施機関の受診をお勧めします。

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過食と拒食と認知行動療法と対人関係療法

臨床心理士の鈴木です。

過食症や拒食症の方がこられると、対人関係療法をしてほしいと言われることが多いです。
もちろん希望されれば対人関係療法を実施します。

対人関係療法の他に認知行動療法を聞いたことがある人もすくなくありません。
ただ、認知行動療法というと、特に入院経験者は「行動制限させられるのでは」「考え方を変えるようにいわれるのでは」「体重管理をさせられるのでは」「バランスよく食べましょうという教育」という先入観があり、抵抗があるようです。
認知行動療法への誤解の一つかと。

私のところは外来のみですので行動制限することはありません。
またマイナス思考をプラス思考にするのが認知行動療法ではないので、無理やり考え方をかえるようなこともしません。
無理やり体重計に乗せて体重管理をすることもりません。
バランスよく食べることは重要ですが、それができないから困っているのでそこはカウンセリングの中心にはしません。
ご安心下さい。

過食症は過食をすることで精神的なバランスを保っている部分があります。
それを「過食しなければよい」と思い、過食を我慢してもストレスとなりますし、我慢できずに過食してもストレスとなります。
何を食べたか、カロリーはどれくらいか、体重は何キロか、見た目はどうか、人からどのように思われているかといったことばかり考えます。
そうするとさらに不安定になり過食がひどくなるという悪循環。
そのような状態を人には言えず、仮に言ったとしても他人には理解されず孤独感に悩まされる。
気持ちも休まりません。

このようにして自分の行動が過食中心となり、生活の大部分を占めてしまいます。
自分が本来送りたかった生活から遠のいていくのです。

「今日もまた過食をしてしまうのか」という悩みから開放されることは心地よいものです。
認知行動療法や対人関係療法はそのような悩みからの解放して、「こうありたい」と思っている生活が送れるようにお手伝いする方法でもあります。
「もう良くならないでは」とあきらめず、ご相談ください。

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地震後の心のケア

臨床心理士の鈴木です。

この度の東日本大震災で被災され方に心よりお見舞い申し上げます。

この震災で私の知っている臨床心理士や医療スタッフでも被災された方がたくさんいました。
地震以降心身の不安を訴える人も多いようです。
被災者でもある臨床心理士や医療スタッフが被災地で心身のケアにあたっています。
これからさらに心のケアの需要が増えてくるでしょう。

一方で、被災地の方だけでなく、首都圏の住んでいる方も精神的に不安定になっていることが報道されています。
それは様々な要因があるとは思うのですが、最近多いなと感じることがあります。
その一つなのですが・・・
毎日のようにテレビで「がんばろう」というメッセージが流れます。
それをみて「しんどい」と思う人が増えているような気がします。

前向きなメッセージで奮起する人はよいと思うのですが、それによってさらに落ち込むパターンもありますので、注意が必要です。
さらにこれが長期化してくると、がんばることができていた人もエネルギー切れになり、落ち込むパターンになりかねません。

また被災地の人が大変苦労しているのを見て「自分は苦労していない」と自分を責めて落ちこんでいっている人も少なくありません。
これも「自分はもっとがんばらなくては」ということが裏目に出てしまうパターンです。

このような時期に不安定になることは当然の反応といえます。
震災直後は「何とかしなくては」とがんばれていても、時間が経つと疲れてがんばりがきかなくなってくることもあるのです。
前向きな考えになれない自分を責めても、良い結果とはなりにくいでしょう。

何事もバランスが大事です。
「こんな時こそ前向きに思わなくては」だけでは長期戦には耐えられないように思えます。
がんばれるときもあるけれど、「がんばれない」時もある自分を認めてあげましょう。
そうすることが心身の回復を早めていくものですよ。

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