「 うつと不安のカウンセリング 」一覧

「気持ちがわかってくれる」と思われるテクニック

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

「自分のことを見抜かれている」「自分のことをわかっている」と他人に思わせる簡単な心理テクニックがあります。
そうすると他人から信頼感が得られやすくなります。

相手のことを「○○だけど、××だよね」と伝えるんです。
○○と××は逆の言葉をいれます。
○○には相手が出している表面的な印象の言葉を入れる効果的。

・あなたは大雑把に見えるけれど、こだわるところはこだわりますよね
・あなたは明るく振る舞っているけれど、心の底では暗い一面もありますね
・あなたは大人っぽく見えるけれど、子どもっぽいところもありますよね
・基本は一人が好きだけど、誰かといたいって思う時もある人だよね
・いつもは人前でつっぱっているけれど、本当はさみしがり屋だよね

「大人っぽいけれど、子供っぽい」とか二面性は誰しもがもっているものなんです。
ほとんどの人に共通しているところを言っているだけ。
しかし、目の前でいわれると「私のことわかってる!」って思いやすくなります。
特に表面上の特徴を最初に言われると(○○の部分)、裏の部分を知っている(××の部分)、と思われやすいのです。

昔から占い師とか霊媒師とかが相手の心をつかむために使われます。
バーナム効果って言います。
「何で私のこと知ってるの?」って思われるテクニックなんです。

関連記事
・あなたの性格言い当てます

こんなの自分はひっかからない!って思った人でも、日本人であれば血液型を信じている人は多いでしょう。
それもバーナム効果なんですよ。
・血液型の性格が当たると思ってしまうワケ

「いや血液型は当たっているところがある」とカタクナな人が多いハズ。
それくらいバーナム効果は強力なんです。

私が言うのもなんですが、心理学を学んでも人の心なんて読めるようにはなりません。
せいぜい心が読めるように見せかけるセコイ手があるくらい。
あたかも心が読めると主張している本がありますが、ま~ったく科学的根拠ないです。

このテクニックは相手からの信頼を得たい、心がわかっているように思われたい、って時に使えます。
頑張っているのに結果がでない、もう投げだしたいなぁ、って弱っている時に頑張っているって情報を知っている誰かが
「頑張っているけれど、本当はもうやめたいって思う気持ちもあるよね」
って言われたら、テクニックだって理解していても「この人わかってくれる」って思いますよね。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


簡単にできるうつや不安に強くなる方法

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

うつや不安が強い人は、悪循環になっていても同じような行動をとります。
柔軟性がなくなってくるのです。
失敗を恐れるので、新しいことにチャレンジしなくなる。
すると悪い状態のままになってしまいます。

実際に治療では、うつや不安を避けずに立ち向かっていく、これまでと違った行動をとる方法が効果があるとわかっているんです。
さらに柔軟な行動をすることで、禁煙やダイエットにも効果がある研究もあります。

また運が良くなる可能性を高めると言われています。
柔軟な行動をするといろんな経験が得られるので、結果として運がよかったという経験が得られます。
この辺りは運がよくなる!って保証はしませんけど。

だから自分を変えたいと思ったら、いつもと違った行動をとるクセをつけていくことが良いんです。
昨年流行ったルーティンとは逆ですね。
ルーティンはコツコツ同じことを繰り返す鍛錬としては良いところもあります。
しかしコツコツ同じことをやっていくのと、変化することが不安で同じ行動をとっているのと一緒にしてはいけません。

以前、いつもと違った行動を起こすと良いことを書きました。
カウンセラーも実践!不安に強くなり生活が楽しくなる方法

この記事に興味をもってくれた方って結構多かったんですよ。
なので調子にのって今回は違った行動をするバリエーションをご紹介します。

自分の性格と逆の行動をとってみる

自分の性格と反対のだと思う行動をとってみる方法があります。

例えば、
・自分が厳しい性格なら人に優しく接してみる
・大人しい性格なら、主張してみる
・節約家だと思えば、大盤振る舞いしてみる
・自分のことしか考えないなら、人のために何かしてみる

いつもと違う自分を演じるのです。
そうすると、いつもと違った体験が得られるでしょう。

あんまり大きなことでなく、上記くらいの小さなことをやったほうがよいです。
そうでないとすぐに挫折して「やらなきゃよかった」ってなります。

前回の記事を見て実際にやってみての感想で比較的多かったのは
「やってみましたが、面倒なのでやめました」
「新しいことをしたら後悔したんでやっぱりいつも通りに戻しました」
「人から無理しない方がいいといわれてやめました」
というもの。

結局、いつものパターンに戻ってしまうのです。
なかなか継続するのは難しいかもしれません。
しかし、そこで「やるか」「やらないか」の2択にならないことが大事。

「いつもはできないけれど、週に一回はやってみる」
「全部じゃなくてできそうなところからやってみる」
できるところから継続的にやっていけばいいんです。

いつもと違うことをすれば、失敗体験もつきもの。
「やらなきゃよかった」っと思わず、違うことをどんどんやっていきましょう。

関連記事
・「失敗したくない」ばかりだと、つまらない生活になりますよ
・失敗したなぁって思った時に立ち直るコツ

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吐き気が怖い 嘔吐恐怖症の治療・克服法

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

吐き気が怖い。
嘔吐恐怖症の症状です。
嘔吐恐怖症は正式な診断名ではないのですが、よくある症状なんです。
パニック障害、社交不安障害、強迫性障害、うつ病などどかぶるところが多いです。

吐き気が出そうな状況が苦手ではありませんか?
・人が吐いているのを見る
・吐いている人がいそうな場所(居酒屋、週末の電車、駅など)を避ける
・家族が嘔吐するのが怖い
・満腹になる

そのような状況になると自分も吐き気がしてそのまま我慢していないでしょうか?
結構悩んでいる人多いんですよ。
そのままにしておくと、仕事や学校にいけなくなったり、楽しみにしていたことができなくなったり。
女性だと妊娠が怖いって人もいます。

このため早く治した方が良いです。
今回は、嘔吐恐怖症の治し方について。

嘔吐恐怖症は不安なことを避けているともっとつらくなる

人にもよりますが、吐き気は怖いものの、あまり実際には吐いたことがない人が多いです。
我慢していた、不安なことを避けてきた、この辺りが理由かもしれません。

しかし、不安なことを避け、我慢していることが、症状が続いてしまう結果を引きおこすのです。
不安は避ければ避けるほど強くなる性質があるから。

かといって不安な場面を避けなければ大変なことになってしまう!って考えています。
実際に不安なところにいくと吐き気がするでしょう。
そこで、これまでは逃げて安心、ってしていたのを「逃げなくても何とかなる」ことを経験していくことが治療となります。

不安に挑戦する前に練習しておくこと

ただただ不安な場所にいってもなかなかうまくいきません。
余計怖くなるだけです。
不安なことに挑戦するにはコツが必要です。

コツの一つは不安な時の注意の方向。
嘔吐恐怖の人は吐き気に敏感で、自分の体の調子に注意がいきやすいのです。
例:
体の調子に注意が向く
→吐き気を意識
→吐き気出現
→不安が大きくなり、体に注意が向く
→吐き気が強くなる

このため注意が体に集中しないでおく練習をすると良いのです。
練習方法の概要はこちら。
・吐き気が怖い人の対処法
このあたりは専門家と練習しないと難しいかもしれません。

練習手順

ある程度注意の向け方をマスターしたら、不安に慣れる練習をします。
よくあるやり方は、不安場面をリストアップして、不安の強さを0(怖くない)~100(死ぬほど怖い)で評価。
数値の弱いところから、少しずつ挑戦していくとやりやすいです。
コツはパニック障害の治し方と同じなのでこの記事を参考にしてください。
・広場恐怖の克服方法 パニック障害の治し方

いろんな練習方法がありますが、簡単なやり方をご紹介します。
紙やスマホでこの手順を書きながらやると良いです。

手順は
①不安に挑戦する場面を決定
②不安場面での予想を立てる
③実際にどうなったかを結果を記録
④やってみて学んだことを書く

例:
①不安な場面
から揚げを食べる

②不安場面での予想
から揚げを食べると、吐き気がして、そのままでいたら吐くだろう

③結果
思ったより食べられた。吐き気は起こったが、吐くことはなかった。

④学んだこと
吐き気は起こっても、吐くことはない。

結果を見ながら①~④を繰り返していくと良いです。

基本的なやり方を書きました。
このブログをみて実践するだけで良くなる人もたまにいます。
しかし、一人で克服できる人は少ないと思います。
細かいところがわからかったり、壁にぶつかることがありますからね。
可能であれば、認知行動療法の専門家と相談しながらやっていくことをおすすめします。

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あなたは洗脳されているかも。厳しいことを体験しても心は強くなりません

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

会社の新人研修でやたらと厳しい研修するところありますよね。
マラソンしたり、大声出させたり、自己啓発的なことをしたり。

とってもか弱い私には耐えられそうもありません。
すぐに逃げ出しますね。

学校なんかでも、新入生に厳しいことをさせることがあります。
知人から聞いた話では、先輩の話を聞くときはつま先立ちをする、とか。
体育会系なんかそうですよね。

冷静に考える意味があるとは思えません。
厳しいことにをやったって、精神的に強くなるわけじゃないんですよ。
このあたり誤解している人が多いんじゃないでしょうか。
アスリートや軍隊のように厳しくやっている人が心の病気になりにくいかといえばそんなわけがありません。
むしろ、結構悩んでいる人が多いといわれているくらいです。

しかし「あれはあれで役に立ってるんだ」「あれで鍛えられた」「そんなもんだろう」って思っている大人は多いハズ。
とってもおかしなことなんですが、自分では気づいていません。
なぜなら心理的なカラクリがあるから。

シゴかれると「あれって役に立った」と考えるようになる

人は苦労して得たものに価値を置く心理が働くのです。
これも心理学の研究なんかでいわれていること。
モノでも地位でも組織にはいることでも。
例えば、欲しいものを簡単に手に入れた人と、いろんなところを探し回って苦労して手に入れた人では、苦労して手に入れた人の方がモノに価値をおきそうなのは予想つきますよね。

同じように部活、会社、組織で、最初にいじめのようなきついこと、大変なことを経験して仲間になると「その集団っていいな」「あのしごきで自分は鍛えられた」って思ってしまうのです。
不思議ですよね。

会社なんかで新人研修の時にしごきみたいなのを行うのは、その会社を魅力的に感じさせようとする効果があります(意図としているかわかりませんが)。
洗脳みたいなもんです。

それに耐え抜いた人は、単なる「しごき」「いじめ」みたいなものでも「今自分があるのは、あの時鍛えられたからだ」と、しごきを「価値あるもの」と考え、会社への忠誠心が高まります。
脱落した人は弱い人と見下し、それに耐え抜いた自分は強くなったと錯覚。
そして新しく入ってくる人にも同じようなことをさせるのです。
軍隊なんかがその辺利用しているのかな。

立たせたり、こきつかったり、殴ったり、しごいたり。
優しい人であっても、会社や部活ではそのようになります。

こういうのを一般的にイジメっていうのですが・・・。
問題なのはイジメている意識が当人にないのです。
「新人にはこうするんだ。自分は鍛えてやっているんだ。自分もそうして強くなったし。相手が弱いだけ」って思っています。
会社でパワハラがなくならないことの一因かもしれません。

新人に対して苦痛をあたえるのが「精神的に鍛えること」と思っていませんか?
「理不尽な苦労をしたから今の自分がある。後輩にもそのようなことを経験させるべきだ」と考えていませんか?

目を覚ましましょう。
単なるイジメです。
心理的なカラクリによって「精神的に強くなるんだ」と思い込んでいるだけ。

あと、いじめのような研修とか教育で集団に耐えきれず、適応できなかったって人いませんか?
「世の中そんなもので、自分が弱いだけじゃないのか?」
「これに耐えられないとどこにいってもダメなのでは」
「ここを辞めたって、こんな風にきついし、どこもいくとかないし」
と思いがち。
それで我慢してウツになる。
ちょっと洗脳されかかってますよ~!弱いとかそういうわけじゃないのです!
組織がおかしいだけです。
みんな洗脳されてるな~、くらいに思った方がいいですよ。
ウツになる前に、さっさと環境を変えることをおすすめします。

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うつや不安がひどくなる3つのパターンと対策

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

うつや不安から逃げようとすると、だいたい症状は悪化します。
症状が悪化してくると、また逃げようとしてやってしまうことがって、これがまた悪循環となります。
ついつい、さらに悪化させてしまう3つのことと対策についてご紹介するのであてはまる方は取り組んでいくとよいです。

①寝て嫌なことを考えなようにする
いわゆる「寝逃げ」というやつです。
起きていると、嫌なことばかり考える。
寝ている時だけが、嫌なことから逃れられる。
だから、寝る。
これは、何も解決していないので、起きると絶望感に悩まされます。

②酒を飲んで気持ちをごまかそうとする
楽しいお酒は良いのですが、嫌なことから逃げる酒は悪循環のもと。
落ち込んでいる時の酒は、さらに気分を落ち込ませる作用があります。
あと、依存症になる恐れも。
飲むなら楽しいお酒飲みにしましょう。

関連記事
・料理を作りながら飲酒・・・気分を落ち込ませる飲み方ですよ

③誰かに過度に依存する
さみしい気持ち、ぽっかり空いた気持ちを埋めたくて特定の友人、パートナー、異性関係に依存していませんか?
人は依存しあいながら生活していく生き物なのですが、過度に特定の人に依存すると問題になることも。
・友人やパートナーを過度に束縛する
・「自分のことだけ考えほしい」と考え応じなてくれないと関係を切りもっとさみしくなる
・異性に借金してもお金をつぎ込んだり複数の異性とと性的関係をもたないと不安
など。

一時的な安心はありますが、常に「相手を失う不安」に悩まされて、過度に依存してしまうのです。
孤独感が強い人が多いかと。

関連記事
・人に依存して何が悪い!依存が自立への第一歩

どうしたらよいのか?

3つのパターンにはまっていたらどうすれば良いのか?

この質問を投げかけてみましょう。
「寝たり、飲酒したり、他人に依存したりして、自分はいったい何から逃げようとしているのだろう」
不安の症状、将来への不安、孤独、人間関係とかいろいろありますよね。

きっとあなたが「こうありたいけど、できない」と思っていることがあることでしょう。
「本当は○○な生活を送りたいけれど、××だからできない」とか。
少しずつ避けたいところ(××のところ)を克服して、○○になれるように取り組んでいくと、困った状況から脱出できます。

「どうせそんなことできるわけない」「やってもムダ」と思うかもしれません。
しかし、実際はやれることがあるものです。
参考記事
・どうせやっても無駄っと思ったら読む話
・何もかもうまくいかない時
・失敗して落ち込んでいる人へ

逃げる方法をとると一時的な安心はありますが、もっとつらくなるだけ。
麻薬と一緒です。
現実と向き合い、一歩ずつ進んでいきましょう。
一人ではうまくいかないって人は相談しに来てくださいね。

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悪口を言われているのでは?って不安な時に考えるべきこと

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

「周囲から悪く思われているのでは」と不安になることってありますよね。
こういう悩みの多くは「思い込み」であることが多いです。

もちろん、実際に悪口を言われることもあるでしょう。
しかし、仮に悪口をいわれていたとしても、自分が思っているほどではないことがほとんど。

極端にいうと悩んでいるときは、他人がずっと自分の悪口を言っているように感じるんですよね。
他人は自分を見た時、自分がいない時、自分の悪口でいっぱいって。

私は「人から何を言われても気にしなさそう」と思われています。
その記事はこちら 
・人目を気にしないって本当によいことなの?

こんな私も昔「悪口ずっといわれているのかなぁ」って思っていたこともありました。
そんなことをある人にボソッと言ったら、「みんな鈴木さんにそこまで興味ないって」って言われてハッとしました。
「興味ない」ってのは、喜んでいいのかわかりませんが、そうなんですよ。

よっぽど好きか、よっぽど嫌いでもない限り、そこまで興味を持ち続けられません。
人の悪口を言っている人だって、24時間一人の悪口を言って過ごしていませんし。
悪口はせいぜい数分なんですよ。

それをずっと自分の悪口を言っているように思ってしまう。
悩んでいる時は自意識過剰になるんです。

それに悪口を言っている人って嫌われるのが心理学の研究でもわかっています。
・悪口を言えば自分が嫌われる
だから悪口言っている人がいるなぁって思ったら、その人は周囲からどんどん印象が悪くなっていっていると思うのも手です。

あと本当に無視されて、悩んでいる人はこんな手もあります。
無視された!そんな時の新たな対処法とは?

他人は自分が思っているほど、自分に興味がない。
「悪口をいわれているのではないか?」って悩んでいる時に思い出してください。

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「自分ばかりどうしてこんなつらい目に・・・」って思っている人が幸せになる方法

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

昔、「人に感謝しなさい」「ないものではなく、あるものに目を向けなさい」とか言われてもピンときませんでした。

「そんな道徳的なことはわかってる。聞きたくない」
「苦しい時に人に感謝できない!」って。

しかし、以前の記事にも書いたように心理学では「感謝の気持ちを表すほど幸福感が上がる」という結果が出ています。
・カップルが愛情を長続きさせる方法
・「自分には何もない」って暗くなったら読む話
これは何も「めぐまれているところもあるんだから、感謝しなさいよ」って理屈で自分を説得することではありません。
「こんな風に思え!」って言われると、全くやる気なくなりますよね。

部分的でもよいので、単に感謝の気持ちを表す(書く)だけでいいです。
考え方を改める必要はありません。

人に感謝を表すと、自分の幸福度が上がる。
自分の幸福度をあげる為に、人に感謝してもいいんじゃないかって思うんです。
偽善者っぽい?
そうかもしれませんが、誰も困りませんから大丈夫です。

また人のためにお金を使うと幸福度が高くなることがわかっています。
・心が満たされない人はお金で幸せを買おう

人のために何かをするのもストレスが和らぐのです。
・ストレスに強くなる簡単な方法

人に感謝し、人のためにお金を使い、人のために動く。
宗教とか道徳とかではなく、心理学的に自分の幸福度をあげる合理的な方法なんですよ。

つらい時ほど「どうして自分がこんな目に・・・」「人はあんなに幸せそうなのに自分は・・・」と注意が自分ばかりにいきます。
幸福度を上げる方向とは逆でですよね。

この理屈を知ってから「感謝する」「人のため」というのが、とっても役に立つと思えるようになりました。
人にもエラソーに教えています。
打算的ですが、実行したらフツーに良い人ですよね(笑)
これをやらない手はありません。

自分が今不幸だなぁって思っている人は、今すぐ実行しましょう。
ただし、ず~と継続しないと効果はないですからね。

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「旦那が変わるべきなのに、どうして私ばっかり努力しなきゃいけないの?」って思ったら

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

夫婦関係で悩みはたくさんありますが、だいたいはコミュニケーション不足だったり、伝え方の問題だったりします。
だから相談しにいらした方とどうすればうまくいくのか話し合いをしながらコミュニケーションの改善努力をしていきます。
女性の相談者が多いですね。

そこでよくある質問。
「どうして私ばかり、努力しなきゃいけないのですか?」というもの。
自分はこれまで努力をしてきた。
なぜさらに自分が努力しなきゃいけいのか?
相手がもっと努力するべきなのだ!

まぁ、気持ちもわからなくはありません。
自分が改善努力をしているのに、相手はなーんも努力もしていないような気がすると釈然としませんよね。

そんな人はこんな風に考えてみてはいかがでしょうか。

少なくとも、このままだと自分が苦しい。
旦那に変わってほしいのはやまやまだが、いつになるのかわからない。
旦那のためではなく、自分がよりよい生活を送るために、コミュニケーション技術を身につけて改善努力するんだ、と。

要するに、夫婦のためではなく自分のために改善努力をする。
自分の人生の主導権は他人ではなく、自分なんだと意識する。

そうすると多少は改善努力をしてみよかなーって思えてきませんか?
もうちょっと楽に生きるために動きだしましょう。お手伝いしますよ。

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過去を変えるには今を変える行動をしよう

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

過去の起こったことをクヨクヨ考える。
これはメンタルヘルス上、良い方向にいきません。
でも、ついつい考えちゃいますよね。

過去に起こったことは変えられません。
記憶も消すこともできません。
ホントに無理なんですよ。
ネットでそんな方法がある、みたいなこと書いてあったら、詐欺だと思っていいです。

だからといって悲観することはありません。
過去に対するとらえ方は変えることはできます。
とらえ方が変われば、つらい過去はそのままでも楽しく過ごすことはできます。

過去がつらいから「今」がつらいのでなく、「今」がつらいから過去がつらく感じる、と考えて見ましょう。

過去を変えるには現在を変えていく

よく「自分は過去にあんなつらい経験をしたから、今が幸せに感じる」という人がいますよね。
今つらくて悩んでいる人は「そんな風に思えるか!」とツッコミをいれたくなるでしょうが、ここではなぜそうなるかを考えてみましょう。

「今」が良くなると、過去のつらいことは変わらなくても、薄れてきます。
「あんなこともあったねー」「つらかったよねー」ってやつです。
つらいことがあってもよくなっている人は「今」を変えようと動き続けている人なんです。

過去にこだわっている人がやりがちな悪循環があります。
・いつも「前にこういうことがあったから」と考え込む
→だから今がうまくいかない、何をやってもムダと考え行動をやめる
→行動をやめるので、何も現実が変わらずそのまま
→動かないので考える時間が多くなり、さらに絶望する

こうなると「今」を変えられず過去にとらわれた生活になります。

ここから抜け出すためには、「今」を充実したものに変えていけるように一歩ずつ進んでいくことです。
「今」が変わることによって、つらい過去が、プロセスに変わっていきます。

本当にそんなことできるの?
まずやってみましょうよ。

これは数年かけてコツコツやっていくことです。
すぐに結果がでるものではありませんが、きっと変わっていけます。

この辺りの考え方はこちらの記事に書いていますので参考にしてください。
・何もかもうまくいかないと思った時
・本当にやってもムダか?

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心の病気でゆっくり休むってどういうこと?って思ったら読む話

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

よく心の病気になると「ゆっくり休んでください」といわれませんか?

ゆっくり休むって・・・どうするの?

この疑問を抱く人が多いのです。
病院でも教えてくれませんからね。

心の「ゆっくり休む」は普通の「休む」と必ずしも一致しません。
今回は心の病気の「ゆっくり休む」とはどういうことか?を書いてみます。

体を休める=心が休まるわけではない

一般的に「休む」のイメージは、寝る、ゴロゴロする、など「体を休める」だと思います。
しかし、心の病気は体を休めても、心が休まらないこともあるのです。

やる気がないからといって、ゴロゴロしていると、嫌なことを考えてさらに落ち込んでいくのが良くある例。
一見、休んでいるようで休めていない。
心の病気の時はむしろ「体を休めるとさらに落ち込むパターン」にはまることが多いです。

もちろん、寝ていて心が楽になったーって思えたらそれでいいんですよ。
そうでないならば体を休めることは、必ずしも心にとって良いとは限らないってこと。

心が休んでいる時って、あんまり悩み事にとらわれないものです。
そのような時間を増やせるといいですね。

心がどうやったら休めるか?楽になるか?は人によって違います。
何をしている時が「多少マシなのか?」と考えてみましょう。

もしかしたら、起き上がってコーヒーを飲んでいる時かもしれないし、ちょっと外出してみたり、ジムで運動している時かもしれません。
達成感がある、楽しい、ってものがあるといいですが、寝込むよりマシかなぁってことでも。
実はちょっとしたストレスがかかる活動の方が、考え込みをせず楽になることの方が多いのです。

ポイントは「自分にとってどうか?」ってこと。
散歩がよいとか言われますけど、散歩が苦手な人もいます。
私なんかは散歩をしていると、苦痛なだけでもっと落ち込みそうです。

人によってどう感じるかは違います。
自分がどの活動が休まるかはやってみなければわかりません。
少しずつ心が休まる活動を見つけていきましょう。

静かな環境が良いとは限らない

あと良くあるのが「静かでのどかな田舎で引っ越したら休めるのでは?」という誤解。
どちらかというと本人は嫌がっているのに家族がすすめたがりますね。
青森の田舎で生まれ育った私がはっきりいいましょう。
これは都会で生まれ育った人が抱きがちな妄想ですよ。
田舎でもたくさん心の病気の人はいます。
静かな土地にいったから楽になるとは限らないのです。
さみしく感じ、さらに余計なことを考えるかもしれません。

環境を変えると良いのは、環境が直接的なストレスになっている場合です。
ストレスが強い環境から離れることが「心が休まる」につながりますからね。
例えば、職場の上司から叱責ばかりされてうつになっていたら、職場から離れた方がよいのです。
自分にとって直接的な苦痛が少ない環境はどこか?を考えてみましょう。

こちらの記事も参考にしてください。
心が疲れた時はどのような環境に行けばよいのか?

ポイントは「自分」が休めるかどうか
体を休めることだったり、ネットや専門家が良いと言っていた活動を参考にしたりするのは構いません。
しかし、それは自分にとって心が休まることとは限らないのです。
「自分にとって」多少でもマシな活動か、の視点を持ちましょう。

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