「 うつと不安のカウンセリング 」一覧

考えても仕方がないことを考えてしまう時の対処法

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

考えても仕方がないことを考えてしまう。
あーでもない、こーでもない。
そのうち時間が過ぎて、気持ちが沈む。

解決しないし、どんどん悩み続けるし、いいことないですよね。

こういう時に考えることって特徴があります。

・抽象的
「人生の意味ってなんだろう」って、抽象的なことを考えても解決しないですよね。
マイナスに考えてる時はマイナスの考えしか浮かびません。
マイナス思考の時に「人生の意味」を考えても、絶望的な結論しかでないです。

・未来や過去のこと
「あの時○○だったら」という後悔。
「この先お先真っ暗」というマイナスの未来と不安。
どちらも考えても解決しないことです。

・良い・悪いと責め続ける
「あれはいけない」「自分はダメだ」「他人は良い」と、良い・悪いを考え続ける。
他人や自分を責める思考は、怒りや落ち込みを増やすだけ。
考えてもムダです。

対処法は?

「考えない」って思っても考えちゃうものです。
ですから何かをすることが必要となります。
代表的な方法は以下の2つ。

・具体的に考える
「明日の仕事が不安だ」って考えは抽象的ですよね。
こんな時は具体的に考えていきましょう。
「この仕事の○○が問題だから、××とした対処をしよう」って感じで。
具体的な対処を考えたら、それ以上は取り組まないようにしましょう。

・考え込まず、次の行動に移る
考えているのっていつか?って振り返ってください。
だいたい時間があるときじゃないですか?
何か別の行動をしていくと考え込みにくくなります。
集中できなくてもよいので、やり続けましょう。
考え込むよりはマシです。

「それじゃ根本的に解決できないのでは」と思うかもしれません。
そもそも根本的な解決が出来ないことで悩んでいるのですから、考えるだけムダというか、悪化要因になってますよね。

このあたりはこちらの記事に詳しく書いています。
・うつでやる気がでなくても動けるようになるコツ

まとめ
基本的に悩んでいる時って、考えても悪化するだけでよいことはありません。
少しでも気分がマシな時に、具体的に考えていくようにしましょう。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


プラス思考は必要ない 悩んだ時にやるべきこととは

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

私はプラス思考って面倒だなぁって思ってます。
役に立つとは限らないですし。
プラス思考よりも役に立つことってあるんですよ。
今回はそんなお話し。

プラス思考が役に立つとは限らない

よくあるたとえ話です。

あなたは砂漠をさまよっています。
そこに水がはいったコップがありました。
コップには半分水が入っています。あなたはどう思います?どっちのタイプ?

A:半分しか入っていない

B:半分も入っている

Aはマイナス思考の人でダメ
Bはプラス思考の人で良い

だからAの人はBにするべきだ。
そんな解説をしているものが多いです。

私はこの考え方は違うと思いますね。
よく考えてください。おかしくないですかね。

本当にAがダメで、Bが良いのでしょうか?

「半分しかはいっていない」と考えて、節約して水を飲む計画を立てることが有効なことだってあります。
「半分も入っている」と考えて、むやみやたらに飲んだらあっという間に水がなくなります。

つまり、AがダメでBがわるいとは限らないのです。

そもそもこの状況で必要なのはプラス思考でもマイナス思考でもありません。
「どういうペースで飲んでいったら生存率が高まるか?」と、生き残るという「目的」のために「今やるべきことを考えて」「行動すること」です。

「半分も入っている」とプラスに考えようとする努力する暇があったら、さっさと具体的に水を飲むペースを考えて、砂漠を抜けるために歩き出すことの方がよっぽど大事ですよね。

つまりマイナス思考かプラス思考かなんて、問題を解決するのに関係ないのです。

現実生活でも同じ。
悩んでいる時、多くの人が元気がないのはマイナス思考が悪いんだ!と考えて、プラス思考にしようとしています。

極論をいいますと・・・
プラス思考なんてどーでもよい!のです。

マイナス思考の人はプラスに考えられない自分をマイナスに考えて落ち込むだけ。
問題解決に重要でないところを悩んでいるので、プラスだマイナスだと考えているうちは、悩みが大きくなるのです。

本屋さんには「ポジティブに考える」とか「考え方を変える本」って多いですよね。
そういう本を読んでいる人って、読んだ瞬間だけ元気になるけれど、長続きしない人です。
考え方を変える本を永遠に探し続けます。

こっちの記事にマイナスに考えるメリットもあるんですよーってこと書きました。
・マイナス思考の逆襲 プラス思考だから失敗する

砂漠の時の対処と同じで、悩みを解決して元気なるには
・具体的にどうすれば元気になれるか考える
・考えるだけでなく行動する
これが大事なのです。

結論
元気になるのにプラス思考は必要ない!
具体的に何をどうすれば良いか考えて、実行しましょう!

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


生活を充実させるための方法 今の状況から考えてみよう

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

あなたの今の生活はどんな感じでしょうか?
楽しいことがどれくらいあるか、嫌なことがどれくらいあるかを軸に4つの状態に分けてみると、今自分は何をするべきかわかりやすいです。
A~Dであなたはどこにあてはまりますか?

スライド1

A:生活が充実している状態。
楽しいこともあるし、不安でもやりたいことをどんどんやっています。
嫌なことが多いになぜ?って疑問に思うかもしれません。
ここがミソでして。
充実感って不安の先にあることが多いのです。
やりたいことをやる時って、「どうなるんだろう」って不安はつきものですよね。
うつや不安を克服した人はこっちかと。

B:生活はやれているけれど、充実感が少ない状態
良いことがあって、嫌なことが少ないってすっごくよく見えますよね。
しかし、生活はできているけれど、何か物足りなさを感じています。
嫌なことが起こらないのは失敗したり不安になったりすることを避けるからです。
やりたいけれどやれないものがある、失敗を恐れてあきらめているものがある、とか「本当はこうしたいのに」ってのを安定のためにあきらめています。

C:引きこもりのような状態
現実が苦しいので嫌なことを過度に避けています。
できるだけ刺激を避けるため生活範囲が極端にせまいです。
当然楽しいことも少ないので、これはこれでつらいでしょう。
将来のことを考えると絶望的になるので、テレビ、ゲームやネットをして何とかやり過ごしている人が多いかも。

D:気分が落ち込んでいる状態
現実世界で嫌なことがたくさんある割には良いことも少ない。
逃げることも、立ち向かうこともできないと思っている。
これはつらいです。
うつになります。

それぞれの対策

スライド2

Aの人
Aにあてはまる人は、何もいうことはありません。
良いことも悪いこともあることが充実につながるってことを忘れずにいましょう。

Bの人
Bにあてはまる人は、あなたが今後どのような生活がしたいのか?価値観が問われます。
充実した生活をおくるために、失敗を恐れずやりたいことをやっていくとAに向かっていきます。
当然Aに向かうにはリスクも。
しかし、リスクをとってでも欲しい未来がある、今の生活を抜け出したい、と思うならリスクをとる価値はあります。
失敗しても終わりじゃないです。
またチャレンジすればよいだけ。
もちろん、Bのままでいるのも手です。
やりたいことができない不満はあるんだけど、今の生活も捨てがたい。
そんな人はBにいて様子を見た方がよいでしょう。
どうしてもしんどくなってきたらAに向かってください。

Cの人
何とか嫌なことから避難しているけれど、楽しくもないですよね。
とりあえずはBに向かうと良いです。
つまり、ちょっとでも楽しいこと、ワクワクすること、嫌なことはいいからとりあえず好きなことだけをちょっとずつやっていきましょう。
そうすると気持ちが楽になってきます。

Dの人
うつ病になる前にAでもBでもCでも良いので動きましょう。
Aに行くなら、不安でも誰かに相談したりして現実問題を解決し、良いことを増やしていきましょう。精神的体力が残っている人向け。
Bに行くなら、とりあえず環境を変えて楽しいことを増やしていく。精神的に少しは体力がある人向け。
Cに行くなら、何よりも環境を変えてとりあえず休んで落ち着くことを優先。心も体もズタズタな人はとりあえずこっちへ。ちょっと休んだらはやめにBに向かいましょう。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


同じ心の病気の人と話したいと思ったら メリット・デメリットを知っておこう

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

「同じ病気の人と話したい」って考えることありませんか?
こういう時は、同じ病気の人の集まりにいってみるのも手です。

合う、合わないがあるので、評価は人によるでしょう。

今回は同じ症状のグループに参加する、メリット、デメリットについて書きます。
迷っている人は参考にしてください。
(切池、2014を改変)

メリット

・話せる場所ができる
自分の症状について友達には話せないもの。
同じことで悩んでいる人なら話しやすいですよね。
情報共有の場にもなります。

・孤独感が薄れる
「こんなことで悩んでいるのは自分だけ」って思いがち。
症状で悩んでいるのは自分だけじゃない!っ思えると勇気がでますよね。

・他人の良い点と悪い点を見ることで自分に活かせる
自分のことならわからないけれど、他人のことならわかりやすいもの。
他人がやっている、良いところは真似して、悪循環になってるなぁってところは改める。
「人のふり見て我がふり直せ」ですね。

デメリット(全員にあてはまるわけではありません)

・自分の症状は軽いと考え、治療しなくても大丈夫と思う
人より症状が軽いと思うことで、「まぁこれくらいならこのままでいいや」と、治療する努力を止めることがあります。
「みんなも同じように悩んでいるからこのままでもちょっと安心」では意味がありません。

・他人の悪いクセを学ぶ
他人がやっている悪いクセを学んでしまうことがあります。
「あ、こんな現実逃避の手段があったんだ!」って。
また効果のない治療法を他人がやり、それをまねてしまうことも。

・マイナスの影響を受ける可能性
人は近くにいる人の影響を受けやすいもの。
うつの人が周りにいると、うつの人が増えます。
ポジティブな人が近くにいると、ポジティブな人が増えます。
マイナスの影響を受けやすい人は、落ち込んだり、他人から聞いた症状がうつってくることもあるかもしれません。

集団って、やっぱり合う・合わないがあるんです。
患者さんを見ていても、「みんなと話すことで勇気がもらえた!」「良い情報をもらった」って人もいます。
逆に「良くなっていない人ばかりだからマイナスの影響を受けた」「人間関係で悩んだ」って人もいます。
どっちもいるので、あとは良い出会いかどうかかと。
デメリットよりもメリットが大きいかなぁって思えたら、参加してみると良いですよ。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


「気持ちがわかってくれる」と思われるテクニック

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

「自分のことを見抜かれている」「自分のことをわかっている」と他人に思わせる簡単な心理テクニックがあります。
そうすると他人から信頼感が得られやすくなります。

相手のことを「○○だけど、××だよね」と伝えるんです。
○○と××は逆の言葉をいれます。
○○には相手が出している表面的な印象の言葉を入れる効果的。

・あなたは大雑把に見えるけれど、こだわるところはこだわりますよね
・あなたは明るく振る舞っているけれど、心の底では暗い一面もありますね
・あなたは大人っぽく見えるけれど、子どもっぽいところもありますよね
・基本は一人が好きだけど、誰かといたいって思う時もある人だよね
・いつもは人前でつっぱっているけれど、本当はさみしがり屋だよね

「大人っぽいけれど、子供っぽい」とか二面性は誰しもがもっているものなんです。
ほとんどの人に共通しているところを言っているだけ。
しかし、目の前でいわれると「私のことわかってる!」って思いやすくなります。
特に表面上の特徴を最初に言われると(○○の部分)、裏の部分を知っている(××の部分)、と思われやすいのです。

昔から占い師とか霊媒師とかが相手の心をつかむために使われます。
バーナム効果って言います。
「何で私のこと知ってるの?」って思われるテクニックなんです。

関連記事
・あなたの性格言い当てます

こんなの自分はひっかからない!って思った人でも、日本人であれば血液型を信じている人は多いでしょう。
それもバーナム効果なんですよ。
・血液型の性格が当たると思ってしまうワケ

「いや血液型は当たっているところがある」とカタクナな人が多いハズ。
それくらいバーナム効果は強力なんです。

私が言うのもなんですが、心理学を学んでも人の心なんて読めるようにはなりません。
せいぜい心が読めるように見せかけるセコイ手があるくらい。
あたかも心が読めると主張している本がありますが、ま~ったく科学的根拠ないです。

このテクニックは相手からの信頼を得たい、心がわかっているように思われたい、って時に使えます。
頑張っているのに結果がでない、もう投げだしたいなぁ、って弱っている時に頑張っているって情報を知っている誰かが
「頑張っているけれど、本当はもうやめたいって思う気持ちもあるよね」
って言われたら、テクニックだって理解していても「この人わかってくれる」って思いますよね。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


簡単にできるうつや不安に強くなる方法

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

うつや不安が強い人は、悪循環になっていても同じような行動をとります。
柔軟性がなくなってくるのです。
失敗を恐れるので、新しいことにチャレンジしなくなる。
すると悪い状態のままになってしまいます。

実際に治療では、うつや不安を避けずに立ち向かっていく、これまでと違った行動をとる方法が効果があるとわかっているんです。
さらに柔軟な行動をすることで、禁煙やダイエットにも効果がある研究もあります。

また運が良くなる可能性を高めると言われています。
柔軟な行動をするといろんな経験が得られるので、結果として運がよかったという経験が得られます。
この辺りは運がよくなる!って保証はしませんけど。

だから自分を変えたいと思ったら、いつもと違った行動をとるクセをつけていくことが良いんです。
昨年流行ったルーティンとは逆ですね。
ルーティンはコツコツ同じことを繰り返す鍛錬としては良いところもあります。
しかしコツコツ同じことをやっていくのと、変化することが不安で同じ行動をとっているのと一緒にしてはいけません。

以前、いつもと違った行動を起こすと良いことを書きました。
カウンセラーも実践!不安に強くなり生活が楽しくなる方法

この記事に興味をもってくれた方って結構多かったんですよ。
なので調子にのって今回は違った行動をするバリエーションをご紹介します。

自分の性格と逆の行動をとってみる

自分の性格と反対のだと思う行動をとってみる方法があります。

例えば、
・自分が厳しい性格なら人に優しく接してみる
・大人しい性格なら、主張してみる
・節約家だと思えば、大盤振る舞いしてみる
・自分のことしか考えないなら、人のために何かしてみる

いつもと違う自分を演じるのです。
そうすると、いつもと違った体験が得られるでしょう。

あんまり大きなことでなく、上記くらいの小さなことをやったほうがよいです。
そうでないとすぐに挫折して「やらなきゃよかった」ってなります。

前回の記事を見て実際にやってみての感想で比較的多かったのは
「やってみましたが、面倒なのでやめました」
「新しいことをしたら後悔したんでやっぱりいつも通りに戻しました」
「人から無理しない方がいいといわれてやめました」
というもの。

結局、いつものパターンに戻ってしまうのです。
なかなか継続するのは難しいかもしれません。
しかし、そこで「やるか」「やらないか」の2択にならないことが大事。

「いつもはできないけれど、週に一回はやってみる」
「全部じゃなくてできそうなところからやってみる」
できるところから継続的にやっていけばいいんです。

いつもと違うことをすれば、失敗体験もつきもの。
「やらなきゃよかった」っと思わず、違うことをどんどんやっていきましょう。

関連記事
・「失敗したくない」ばかりだと、つまらない生活になりますよ
・失敗したなぁって思った時に立ち直るコツ

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


吐き気が怖い 嘔吐恐怖症の治療・克服法

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

吐き気が怖い。
嘔吐恐怖症の症状です。
嘔吐恐怖症は正式な診断名ではないのですが、よくある症状なんです。
パニック障害、社交不安障害、強迫性障害、うつ病などどかぶるところが多いです。

吐き気が出そうな状況が苦手ではありませんか?
・人が吐いているのを見る
・吐いている人がいそうな場所(居酒屋、週末の電車、駅など)を避ける
・家族が嘔吐するのが怖い
・満腹になる

そのような状況になると自分も吐き気がしてそのまま我慢していないでしょうか?
結構悩んでいる人多いんですよ。
そのままにしておくと、仕事や学校にいけなくなったり、楽しみにしていたことができなくなったり。
女性だと妊娠が怖いって人もいます。

このため早く治した方が良いです。
今回は、嘔吐恐怖症の治し方について。

嘔吐恐怖症は不安なことを避けているともっとつらくなる

人にもよりますが、吐き気は怖いものの、あまり実際には吐いたことがない人が多いです。
我慢していた、不安なことを避けてきた、この辺りが理由かもしれません。

しかし、不安なことを避け、我慢していることが、症状が続いてしまう結果を引きおこすのです。
不安は避ければ避けるほど強くなる性質があるから。

かといって不安な場面を避けなければ大変なことになってしまう!って考えています。
実際に不安なところにいくと吐き気がするでしょう。
そこで、これまでは逃げて安心、ってしていたのを「逃げなくても何とかなる」ことを経験していくことが治療となります。

不安に挑戦する前に練習しておくこと

ただただ不安な場所にいってもなかなかうまくいきません。
余計怖くなるだけです。
不安なことに挑戦するにはコツが必要です。

コツの一つは不安な時の注意の方向。
嘔吐恐怖の人は吐き気に敏感で、自分の体の調子に注意がいきやすいのです。
例:
体の調子に注意が向く
→吐き気を意識
→吐き気出現
→不安が大きくなり、体に注意が向く
→吐き気が強くなる

このため注意が体に集中しないでおく練習をすると良いのです。
練習方法の概要はこちら。
・吐き気が怖い人の対処法
このあたりは専門家と練習しないと難しいかもしれません。

練習手順

ある程度注意の向け方をマスターしたら、不安に慣れる練習をします。
よくあるやり方は、不安場面をリストアップして、不安の強さを0(怖くない)~100(死ぬほど怖い)で評価。
数値の弱いところから、少しずつ挑戦していくとやりやすいです。
コツはパニック障害の治し方と同じなのでこの記事を参考にしてください。
・広場恐怖の克服方法 パニック障害の治し方

いろんな練習方法がありますが、簡単なやり方をご紹介します。
紙やスマホでこの手順を書きながらやると良いです。

手順は
①不安に挑戦する場面を決定
②不安場面での予想を立てる
③実際にどうなったかを結果を記録
④やってみて学んだことを書く

例:
①不安な場面
から揚げを食べる

②不安場面での予想
から揚げを食べると、吐き気がして、そのままでいたら吐くだろう

③結果
思ったより食べられた。吐き気は起こったが、吐くことはなかった。

④学んだこと
吐き気は起こっても、吐くことはない。

結果を見ながら①~④を繰り返していくと良いです。

基本的なやり方を書きました。
このブログをみて実践するだけで良くなる人もたまにいます。
しかし、一人で克服できる人は少ないと思います。
細かいところがわからかったり、壁にぶつかることがありますからね。
可能であれば、認知行動療法の専門家と相談しながらやっていくことをおすすめします。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


あなたは洗脳されているかも。厳しいことを体験しても心は強くなりません

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

会社の新人研修でやたらと厳しい研修するところありますよね。
マラソンしたり、大声出させたり、自己啓発的なことをしたり。

とってもか弱い私には耐えられそうもありません。
すぐに逃げ出しますね。

学校なんかでも、新入生に厳しいことをさせることがあります。
知人から聞いた話では、先輩の話を聞くときはつま先立ちをする、とか。
体育会系なんかそうですよね。

冷静に考える意味があるとは思えません。
厳しいことにをやったって、精神的に強くなるわけじゃないんですよ。
このあたり誤解している人が多いんじゃないでしょうか。
アスリートや軍隊のように厳しくやっている人が心の病気になりにくいかといえばそんなわけがありません。
むしろ、結構悩んでいる人が多いといわれているくらいです。

しかし「あれはあれで役に立ってるんだ」「あれで鍛えられた」「そんなもんだろう」って思っている大人は多いハズ。
とってもおかしなことなんですが、自分では気づいていません。
なぜなら心理的なカラクリがあるから。

シゴかれると「あれって役に立った」と考えるようになる

人は苦労して得たものに価値を置く心理が働くのです。
これも心理学の研究なんかでいわれていること。
モノでも地位でも組織にはいることでも。
例えば、欲しいものを簡単に手に入れた人と、いろんなところを探し回って苦労して手に入れた人では、苦労して手に入れた人の方がモノに価値をおきそうなのは予想つきますよね。

同じように部活、会社、組織で、最初にいじめのようなきついこと、大変なことを経験して仲間になると「その集団っていいな」「あのしごきで自分は鍛えられた」って思ってしまうのです。
不思議ですよね。

会社なんかで新人研修の時にしごきみたいなのを行うのは、その会社を魅力的に感じさせようとする効果があります(意図としているかわかりませんが)。
洗脳みたいなもんです。

それに耐え抜いた人は、単なる「しごき」「いじめ」みたいなものでも「今自分があるのは、あの時鍛えられたからだ」と、しごきを「価値あるもの」と考え、会社への忠誠心が高まります。
脱落した人は弱い人と見下し、それに耐え抜いた自分は強くなったと錯覚。
そして新しく入ってくる人にも同じようなことをさせるのです。
軍隊なんかがその辺利用しているのかな。

立たせたり、こきつかったり、殴ったり、しごいたり。
優しい人であっても、会社や部活ではそのようになります。

こういうのを一般的にイジメっていうのですが・・・。
問題なのはイジメている意識が当人にないのです。
「新人にはこうするんだ。自分は鍛えてやっているんだ。自分もそうして強くなったし。相手が弱いだけ」って思っています。
会社でパワハラがなくならないことの一因かもしれません。

新人に対して苦痛をあたえるのが「精神的に鍛えること」と思っていませんか?
「理不尽な苦労をしたから今の自分がある。後輩にもそのようなことを経験させるべきだ」と考えていませんか?

目を覚ましましょう。
単なるイジメです。
心理的なカラクリによって「精神的に強くなるんだ」と思い込んでいるだけ。

あと、いじめのような研修とか教育で集団に耐えきれず、適応できなかったって人いませんか?
「世の中そんなもので、自分が弱いだけじゃないのか?」
「これに耐えられないとどこにいってもダメなのでは」
「ここを辞めたって、こんな風にきついし、どこもいくとかないし」
と思いがち。
それで我慢してウツになる。
ちょっと洗脳されかかってますよ~!弱いとかそういうわけじゃないのです!
組織がおかしいだけです。
みんな洗脳されてるな~、くらいに思った方がいいですよ。
ウツになる前に、さっさと環境を変えることをおすすめします。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


うつや不安がひどくなる3つのパターンと対策

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

うつや不安から逃げようとすると、だいたい症状は悪化します。
症状が悪化してくると、また逃げようとしてやってしまうことがって、これがまた悪循環となります。
ついつい、さらに悪化させてしまう3つのことと対策についてご紹介するのであてはまる方は取り組んでいくとよいです。

①寝て嫌なことを考えなようにする
いわゆる「寝逃げ」というやつです。
起きていると、嫌なことばかり考える。
寝ている時だけが、嫌なことから逃れられる。
だから、寝る。
これは、何も解決していないので、起きると絶望感に悩まされます。

②酒を飲んで気持ちをごまかそうとする
楽しいお酒は良いのですが、嫌なことから逃げる酒は悪循環のもと。
落ち込んでいる時の酒は、さらに気分を落ち込ませる作用があります。
あと、依存症になる恐れも。
飲むなら楽しいお酒飲みにしましょう。

関連記事
・料理を作りながら飲酒・・・気分を落ち込ませる飲み方ですよ

③誰かに過度に依存する
さみしい気持ち、ぽっかり空いた気持ちを埋めたくて特定の友人、パートナー、異性関係に依存していませんか?
人は依存しあいながら生活していく生き物なのですが、過度に特定の人に依存すると問題になることも。
・友人やパートナーを過度に束縛する
・「自分のことだけ考えほしい」と考え応じなてくれないと関係を切りもっとさみしくなる
・異性に借金してもお金をつぎ込んだり複数の異性とと性的関係をもたないと不安
など。

一時的な安心はありますが、常に「相手を失う不安」に悩まされて、過度に依存してしまうのです。
孤独感が強い人が多いかと。

関連記事
・人に依存して何が悪い!依存が自立への第一歩

どうしたらよいのか?

3つのパターンにはまっていたらどうすれば良いのか?

この質問を投げかけてみましょう。
「寝たり、飲酒したり、他人に依存したりして、自分はいったい何から逃げようとしているのだろう」
不安の症状、将来への不安、孤独、人間関係とかいろいろありますよね。

きっとあなたが「こうありたいけど、できない」と思っていることがあることでしょう。
「本当は○○な生活を送りたいけれど、××だからできない」とか。
少しずつ避けたいところ(××のところ)を克服して、○○になれるように取り組んでいくと、困った状況から脱出できます。

「どうせそんなことできるわけない」「やってもムダ」と思うかもしれません。
しかし、実際はやれることがあるものです。
参考記事
・どうせやっても無駄っと思ったら読む話
・何もかもうまくいかない時
・失敗して落ち込んでいる人へ

逃げる方法をとると一時的な安心はありますが、もっとつらくなるだけ。
麻薬と一緒です。
現実と向き合い、一歩ずつ進んでいきましょう。
一人ではうまくいかないって人は相談しに来てくださいね。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


悪口を言われているのでは?って不安な時に考えるべきこと

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

「周囲から悪く思われているのでは」と不安になることってありますよね。
こういう悩みの多くは「思い込み」であることが多いです。

もちろん、実際に悪口を言われることもあるでしょう。
しかし、仮に悪口をいわれていたとしても、自分が思っているほどではないことがほとんど。

極端にいうと悩んでいるときは、他人がずっと自分の悪口を言っているように感じるんですよね。
他人は自分を見た時、自分がいない時、自分の悪口でいっぱいって。

私は「人から何を言われても気にしなさそう」と思われています。
その記事はこちら 
・人目を気にしないって本当によいことなの?

こんな私も昔「悪口ずっといわれているのかなぁ」って思っていたこともありました。
そんなことをある人にボソッと言ったら、「みんな鈴木さんにそこまで興味ないって」って言われてハッとしました。
「興味ない」ってのは、喜んでいいのかわかりませんが、そうなんですよ。

よっぽど好きか、よっぽど嫌いでもない限り、そこまで興味を持ち続けられません。
人の悪口を言っている人だって、24時間一人の悪口を言って過ごしていませんし。
悪口はせいぜい数分なんですよ。

それをずっと自分の悪口を言っているように思ってしまう。
悩んでいる時は自意識過剰になるんです。

それに悪口を言っている人って嫌われるのが心理学の研究でもわかっています。
・悪口を言えば自分が嫌われる
だから悪口言っている人がいるなぁって思ったら、その人は周囲からどんどん印象が悪くなっていっていると思うのも手です。

あと本当に無視されて、悩んでいる人はこんな手もあります。
無視された!そんな時の新たな対処法とは?

他人は自分が思っているほど、自分に興味がない。
「悪口をいわれているのではないか?」って悩んでいる時に思い出してください。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。