軽度のうつ病に薬は効かない?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

ちょっと最近のニュースで
「うつ病で休職にならないためには、軽いうちに薬と休養をとりましょう」
と書いてあるのを見ました。

よく言われてはいますが、ちょっとツッコミどころがあります。

この「軽いうちに」というのがどういう意味かにもよりますが、「軽度のうつ病」ということであれば、薬物療法はきちんとした効果を示していません。

ちなみに認知行動療法も。

薬も認知行動療法も中等度以上のうつに対し効果的という科学的根拠があるのです。

うつ病のガイドラインでは安易に薬物治療や認知行動療法をやることについて注意を促しています。

やってはダメということではなくてケースバイケースということですけど。

ちゃんと日本うつ病学会のガイドラインにもそのように書いています。
ガイドラインはこちら。
一般の方にはちょっと読みにくいかもしれません。
http://www.secretariat.ne.jp/jsmd/mood_disorder/img/130924.pdf

ただ難しいところが「じゃぁ、どうすればいいの?」というところ。

薬をためらってどんどん悪化していっても大変だし。

個人的な見解ですが、軽度の方でも認知行動療法がぴったり合う人もいるし。

ガイドラインによれば、簡単にいうとうつ病の知識と対応についてきちんと提供することと、話をきちんときいてあげることをやっていきましょう、みたいなことを書いています。

まぁ、結局は人による、とスッキリしない結論になってしまいますけど。

軽度のうつ病の方はこういう知識をもってどういう治療を選択するか医師なりカウンセラーなりと相談してみてください。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


吐くこと、吐き気が怖い人は治療が必要です

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

3月になると異動のシーズンで飲み会も増えますよね。

飲み会が苦手な人の一部に嘔吐恐怖の人がいます。

人が吐いているのを見るのが怖いって人いませんか?

吐いてしまうような場所や臭いを恐れている人はいませんか?

嘔吐恐怖症っていいます。

診断としては「特定の恐怖症」というのに今のところ分類されます(今後どうなるかわかりませんが)。

パニック障害や社交不安障害と併発することが多いのです。

嘔吐恐怖症の人がやりがちな飲み会での行動は

・お酒の席を回避する
・お酒は飲まない
・人前では何も食べないようにする
・常にのどの違和感に注意を向けている

などなど。

「お酒の席だけ避けていればなんとかなるからこのままでいいや」
という考え方もありますが、お酒の席だけじゃ済まなくなることも多いです。

次第に・・・
・週末の電車は吐いている人がいるから避ける
・長距離の乗り物を避ける
・「吐く」という言葉を見ただけで不安になり避ける
・女性であれば妊娠時のつわりをおそれて妊娠を躊躇する
・子どもが吐いていても不安になり育児が困難になる

となる可能性もあります。

他の不安障害もそうですが、一つの不安から生活の様々な場面に広がっていきます。

治療法としては今のところ薬物療法と認知行動療法が有効と言われています。

ひどくなる前に治しておきましょう。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


強迫性障害の家族からあるよくある質問

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害は家族を巻き込みやすいです。

家族にも手洗いや潔癖を要求する、家族に確認をもとめてしまう。

最初は「本人のために」と思ってやっていったことがエスカレートしていくんですね。

結果として本人も家族も疲弊していきます。

だから巻き込みに対しての要求には応じてはいけません。

このことでよくある質問とその返答について書いてみました。

Q:3回に一回くらいは本人の(強迫の)要求にこたえてもいいですか?
A:「ちょっとだけ」「一回だけ」に誘惑に耐えるのは本人だけではありません。ご家族も一切応じてはいけません。症状の悪化につながります。

Q:泣いたり、叫んだりしたら要求に応じていいですか?おかしくなるんじゃないかと心配です。
A:泣いても、叫んでも強迫の要求にこたえてはいけません。おかしくなることは絶対にありません。苦しんでいる本人をみてご家族もつらいと思いますが、ここがふんばりどころです。ただし、思いやりをもって強迫への要求を断ってください。

Q:(不潔強迫の行動療法をやっている場合)帰宅したら手を洗ってほしいのですが・・・。私もやってるし普通の人だってやってますよね?
A:「普通の人」を基準に治療をしているとあまりよくなりません。ご家族まで同じようにする必要はありませんが、ご本人の治療には理解をしめしてあげてください。

よくある質問ですが、実際のところアドバイス通りにはいきません。

ついつい要求に応じてしまったり、「失敗したなぁ」と思うようなことをするものです。

右肩上がりに対応がうまくならないのはご家族もご本人も同じです。

良くなっていく過程ではいろんな葛藤があるでしょう。

少しずつ対応方法に慣れていってくださいね。

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寝つきをよくする方法

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

オリンピックが深夜~朝方に放映されたこともあり睡眠リズムが狂って人がいますよね。

早めに建て直さないといけません。

その時によくある間違い。

「眠れないのに布団の中で目を閉じて何時間もいる」ということ。

これはやっているともっと眠れなくなるのです。

医療関係者からそのように指導を受けた、と聞くこともあります。

それは医療関係者でもきちんとした知識が知られていないことによるもので、間違った指導なのでご注意ください。

では、どうすればよいか。

眠れない時は布団の外に出て何かをする、ということが必要です。

何をするかについては過度な刺激にならない音楽、読書等がおすすめです。

やることは事前に何個か決めて準備しましょう。

眠くなったら布団に戻り、眠れなければ起きて何かをするを繰り返します。

例え眠れなくても翌日昼寝をしないとか、いろいろ他にも決まりがあります。

すぐに睡眠が改善するわけではないので挫折しやすいのですが、他のやり方を合わせて実行すると数週間で改善してきます。

薬以外で睡眠を改善したい方におすすめです。

薬を飲んでいる人も今回書いたことは不眠症のガイドラインですすめられています。

しかし医療機関でもどのように睡眠に気を付ければよいかを指導されることはほとんどないでしょう。

正しい知識を身につけて治していきましょう。

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赤面恐怖症改善のコツ

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

赤面してしまうのが怖い人がよくやってしまう行動があります。

・薄暗いレストランを選ぶ(赤面がわからないように)
・ファンデーションをあつめにぬる
・温かい食べ物を避ける
・対面には座らない
・できるだけ下を向くようにする
・ハイネックの服を着る
・冷たい飲み物を飲み体を冷やす

やっていませんか?

これは安全確保行動といって、あがり症の人や赤面が不安な人がやると症状が悪化していく要因となります。

こういう行動はやめなくてはいけないのです。

不安場面に挑んでも苦手意識が強くなるだけです。

赤面してるなぁって思ったとき、やっていることを振り返ってみてください。

そこに克服すべき課題をみつけることができるかもしれません。

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うつや不安が小さくなる過ごし方

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

私はうつや不安の対処法についてブログでよく書いています。

しかし、うつや不安の対処法以外に目を向けていってほしいことがあります。

それは日常生活の過ごし方です。

一般的に考える時間が長いとうつや不安は強くなりやすいんです。

昼間やることがないと症状が強くなりませんか?

落ち込んだり不安だから動けなくなっている人も多いと思うのですが、それが悪化要因になります。

嫌なことをたっぷり考える時間がありますから。

寝る前、お風呂に入っている時、ちょっと休憩している時なんかは思い当たる方も多いのでは?

暇はうつや不安のエサとなりやすいんです。

だからある程度は昼間やれることをやっていった方が良いのです。

活動量を増やすことでうつや不安に囚われにくくなってきます。

何をやればよいかは人によって異なります。

ただあんまり趣味をみつけようとか大きなことにこだわらない方が良いでしょう。

趣味は結構ハードルが高いです。

ちょっとやってみるとマシかなぁ、って思えるくらいのことを何個かやってみることから始めた方がよいかもしれません。

やってみてから考えよう、って感じで気合いをいれすぎずに。

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パニック発作に慣れるまでの時間

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

雪で電車が止まったり、車が動けなくなったりしているのがニュースに流れていますよね。

パニック障害の方はこういうニュースを見て不安になっていませんか?

「閉じ込められたらどうしよう」

と。

電車に乗ったり、高速道路にいったりするのが怖くなりますよね。

しかし、不安は避ければ避けるほど強くなる性質があります。

だから避けないで練習する必要があるんですね。

この時に注意しなければならない点の一つ。

不安が下がるまで不安にさらされ続ける、ということ。

不安が強くなってきたからといって途中でやめると不安はもっと強くなる可能性があります。

だから、途中で電車を降りたり高速のパーキングに寄ったりしていると、快速電車に乗れなくなったりパーキングまでの距離があるところがいけなくなるのです。

「不安になったらやめればよい(降りればよい)」と思ってやっているとうまくいかないことが多いでしょう。

もちろん最初は一駅のるとかハードルが低いところから練習して構いませんが、そこで止まっている人を結構みかけます。

十分な時間不安にさらされないとなかなか克服できません。

どれくらいの時間がよいかに正解はありませんが、基本的に不安の度合いのピークが100だったとしたら、ある程度下がるまで(30くらい?)はやってみましょう。

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食べ過ぎない食事方法

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

ついつい食べ過ぎってありますよね。

そんな人は食べすぎを防ぐ食べ方を実践してみてください。

よく過食症の人にやってもらうのですが、食べすぎになっている人にも応用できます。

①規則正しい食生活をする
朝、昼、晩+おやつ1~3回とります。おやつは必ずとります。我慢するとあとで反動がきますからね。その代り決めた食事頻度以上はとってはいけません。規則正しい食事をとっていると食べたいという衝動が減ってきます。

②食品を包んだまま、鍋から直接食べることはしない
最初に食べる分だけをとりわけ、残りは食べ始める前に処理をするか、誰かにあげるなどしてください。ただし、一人前は食べましょう。一人前以上でもいけません。

③「ながら食べ」はしない
テレビをみなたら、スマホを見ながら、本を読みながらは食べすぎのもととなります。食事に集中できていないので、満足感が減ります。

④食事スピードはゆっくりと
よく言われていることですが重要です。早食いで過食に走る人もいます。少なくとも15分以上はかけるようにしましょう。

⑤つまみぐいはしない
料理をつくっているとき、3食+おやつ以外の「つまみぐい」はしていけません。つまみぐいは食べすぎのもととなります。

地味~なことの繰り返しが食べすぎをふせいでいきます。

少しずつ実践していきましょう。

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リラックスしているとメダルは取れない

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

オリンピックが真っ最中です。

オリンピックを見ていると本番に力を出し切るって難しいなぁって感じますよね。

緊張しやすい人はこういう場面で大変です。

しかし「緊張しないようにリラックス」ではうまくいきません。

リラックスしようと努力するとだいたいさらに緊張することになります。

そもそも本当にリラックスしている状態が何かをやる上で一番よいのか?というとそんなことはありません。

緊張とパフォーマンスの関係は以下の図みたいになっているといわれています。

やる気

興奮レベルっていうのが緊張や不安具合だと思ってください。

緊張が強すぎるとうまくいかないのはわかりますよね。

実は緊張が弱すぎてもパフォーマンスは良くありません。

適度な緊張感が必要なんです。

心理学的にはヤーキーズドットソンの法則と言われています。

お仕事、競技、慣れないところで話す時など緊張しやすい人は「緊張感は必要なもの」と覚えておきましょう。

緊張するかしないかではなく「緊張をうまく利用する」人が金メダルに近くなるのかもしれませんね。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
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心理学的に効果的なバレンタインチョコ

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

先日知人のところに営業の女性が来てバレンタインデーということでその事業所全員にチョコをプレゼントしたそうです。

営業の方がチョコを配るというのはよくありますよね。

返報性の原理といって人は何かあげたりしてもらったりすると、恩義を感じて何かを返したくなるという原理が働きます。

何かをしてもらいたいと思えば、まず自分が与えるというやつです。

意図的かどうかは別として営業・販売のテクニックとしてよく使われます(試食・無料サンプルとか)。

しかしこの営業の女性はちょっとひと手間かかってました。

「〇〇さん。いつもありがとうございます。〇〇(営業の方の名前)」
と手書きで一人ひとりに書いてある。

しかも一人ひとり違う絵も。

これは心理学的によくできたプレゼントです。

何かを人に頼むときに手書きでメモや手紙を添えるとお願いを聞いてもらいやすくなる、という心理学的な効果があります。

手間暇かけた印象になるんですね。

実験で効果が確かめられています

名前や絵を一人ひとりに書いていてさらに効果的でしょう。

心理学的になかなかよくできた営業さんのプレゼントだと感心しました。

普通にプレゼントする場合は営業とは違い、意図をもってやるのは抵抗がある人もいるかもしれません。

しかし、相手には喜ばれる可能性が高まります。

こういう人に喜ばれる心理テクニックはどんどん使いましょう。

今年のバレンタインデーのチョコはひと手間かけてみてはいかがでしょうか。

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