考えても仕方がないことを考えてしまう時の対処法

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

考えても仕方がないことを考えてしまう。
あーでもない、こーでもない。
そのうち時間が過ぎて、気持ちが沈む。

解決しないし、どんどん悩み続けるし、いいことないですよね。

こういう時に考えることって特徴があります。

・抽象的
「人生の意味ってなんだろう」って、抽象的なことを考えても解決しないですよね。
マイナスに考えてる時はマイナスの考えしか浮かびません。
マイナス思考の時に「人生の意味」を考えても、絶望的な結論しかでないです。

・未来や過去のこと
「あの時○○だったら」という後悔。
「この先お先真っ暗」というマイナスの未来と不安。
どちらも考えても解決しないことです。

・良い・悪いと責め続ける
「あれはいけない」「自分はダメだ」「他人は良い」と、良い・悪いを考え続ける。
他人や自分を責める思考は、怒りや落ち込みを増やすだけ。
考えてもムダです。

対処法は?

「考えない」って思っても考えちゃうものです。
ですから何かをすることが必要となります。
代表的な方法は以下の2つ。

・具体的に考える
「明日の仕事が不安だ」って考えは抽象的ですよね。
こんな時は具体的に考えていきましょう。
「この仕事の○○が問題だから、××とした対処をしよう」って感じで。
具体的な対処を考えたら、それ以上は取り組まないようにしましょう。

・考え込まず、次の行動に移る
考えているのっていつか?って振り返ってください。
だいたい時間があるときじゃないですか?
何か別の行動をしていくと考え込みにくくなります。
集中できなくてもよいので、やり続けましょう。
考え込むよりはマシです。

「それじゃ根本的に解決できないのでは」と思うかもしれません。
そもそも根本的な解決が出来ないことで悩んでいるのですから、考えるだけムダというか、悪化要因になってますよね。

このあたりはこちらの記事に詳しく書いています。
・うつでやる気がでなくても動けるようになるコツ

まとめ
基本的に悩んでいる時って、考えても悪化するだけでよいことはありません。
少しでも気分がマシな時に、具体的に考えていくようにしましょう。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


食べ始めたら止まらない そんな時過食の人はどう対処すればよいのか

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

過食症の人は一度過食を始めると「もうどうにでもなっちゃえ」とヤケになりがちです。
「もう食べ始めたらおしまい」ってなってませんか?

過食症の人は完璧主義な人が多いと言われています。
少しでも「失敗」と思うと、「全部ダメ」となりやすいかもしれません。

確かに食べ始めたのを止めるのは難しいです。
でも終わりじゃないんですよ。
そこからできることはあります。

食べ残しってできます?

それは中途半端に食べることです。

食べものを残すことって苦手じゃないですか?
食べ始めたら、全部食べなきゃ気が済まない。
それをワザと残してもらうんです。

例えば菓子パンを食べ始めたら半分くらいで捨てるとか。
環境には悪そうですけどね。
でも、過食が良くなればそういうこともなくなります。

普段からちょっと食べては捨てる練習をしてみましょう。

最初はなんか気持ち悪いし、罪悪感が残るかもしれません。
捨てる練習をしていくことで、だんだん慣れてきます。

その時、できるだけゆっくり食べて口の中に食べ物がある時間を延ばしていくのがコツです。

そうしていくと「過食をするかしないか」の2択から「過食はちょっとしちゃったけど、ここまでで済んだ」と選択肢が増えてきます。
完璧主義を柔軟にしていく練習にもなりますね。

時間をかけて少しずつ治療していましょう

過食症は治すのに時間がかかると言われています。
過食をやめればよいって単純なものでないですし。
少しずつ考え方や行動の仕方、生活の送り方を変えていくことで改善していきます。
あせらず地道に治療していきましょう。

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反発されずに言うことを聞いてもらう方法

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

私は人から命令されるのが嫌いです。
「○○やれ」といわれるとメンドーだなぁ、って思っちゃいます。
仕事においても上司のいうことは聞かないことが多い割には、勝手に患者さんのためのサービスを立ち上げたりして怒られてました。
常識的にはそりゃ怒られますよね・・・。
こんなことしているので、基本的に出世できるタイプではありません。
まぁ、出世に興味がないから別に問題ありませんけどね・・・って態度がマズイらしいです。
会社員としてのレベルは低いので、みなさんは私のマネしちゃいけません。

反発されない命令の方法とは

子育て、夫婦関係、部下への対応など、やってほしいものはあるけれど、反発されることはありませんか?
反発される人は「○○をやりなさい」と言っています。
私みたいなのが、子どもだったり、パートナーだったり、部下だったりすると大変です。

「やりなさい」と言われれば反発したくなるものです。

子どものころ私は「勉強しなさい」と言われると絶対勉強しませんでした。
そんな経験ありません?
「今やろうとしてたのに!」って。
言われなくてもあんまりしませんでしたが・・・。

こんな時一工夫すると反発される可能性は低くなります。
その方法とはやってほしいことの選択肢を出すこと。

例:
「リビングの掃除か、お風呂の掃除、どっちからやってもらえない?」
「国語と算数の勉強どっちがやりたい?」

選択肢は2つじゃなくても良いです。

人は選択肢を示されると「自分で選んだ」って感覚が得られます。
そうすると「自分で選んだのだから」と反発しにくくなるのです。
だから実行してもらえる確率は高くなります。

ただし「○○をやって」→「ヤダ」→「じゃぁ、××やって」と一問一答のようにやると効果はありません。
必ず同時に選択肢を出すのがコツです。

仮にうまくいかなくても「やりさない」というよりは相手からの印象は良くなります。
ついつい命令口調になりがちな人は実践してみてはいかがでしょうか。

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プラス思考は必要ない 悩んだ時にやるべきこととは

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

私はプラス思考って面倒だなぁって思ってます。
役に立つとは限らないですし。
プラス思考よりも役に立つことってあるんですよ。
今回はそんなお話し。

プラス思考が役に立つとは限らない

よくあるたとえ話です。

あなたは砂漠をさまよっています。
そこに水がはいったコップがありました。
コップには半分水が入っています。あなたはどう思います?どっちのタイプ?

A:半分しか入っていない

B:半分も入っている

Aはマイナス思考の人でダメ
Bはプラス思考の人で良い

だからAの人はBにするべきだ。
そんな解説をしているものが多いです。

私はこの考え方は違うと思いますね。
よく考えてください。おかしくないですかね。

本当にAがダメで、Bが良いのでしょうか?

「半分しかはいっていない」と考えて、節約して水を飲む計画を立てることが有効なことだってあります。
「半分も入っている」と考えて、むやみやたらに飲んだらあっという間に水がなくなります。

つまり、AがダメでBがわるいとは限らないのです。

そもそもこの状況で必要なのはプラス思考でもマイナス思考でもありません。
「どういうペースで飲んでいったら生存率が高まるか?」と、生き残るという「目的」のために「今やるべきことを考えて」「行動すること」です。

「半分も入っている」とプラスに考えようとする努力する暇があったら、さっさと具体的に水を飲むペースを考えて、砂漠を抜けるために歩き出すことの方がよっぽど大事ですよね。

つまりマイナス思考かプラス思考かなんて、問題を解決するのに関係ないのです。

現実生活でも同じ。
悩んでいる時、多くの人が元気がないのはマイナス思考が悪いんだ!と考えて、プラス思考にしようとしています。

極論をいいますと・・・
プラス思考なんてどーでもよい!のです。

マイナス思考の人はプラスに考えられない自分をマイナスに考えて落ち込むだけ。
問題解決に重要でないところを悩んでいるので、プラスだマイナスだと考えているうちは、悩みが大きくなるのです。

本屋さんには「ポジティブに考える」とか「考え方を変える本」って多いですよね。
そういう本を読んでいる人って、読んだ瞬間だけ元気になるけれど、長続きしない人です。
考え方を変える本を永遠に探し続けます。

こっちの記事にマイナスに考えるメリットもあるんですよーってこと書きました。
・マイナス思考の逆襲 プラス思考だから失敗する

砂漠の時の対処と同じで、悩みを解決して元気なるには
・具体的にどうすれば元気になれるか考える
・考えるだけでなく行動する
これが大事なのです。

結論
元気になるのにプラス思考は必要ない!
具体的に何をどうすれば良いか考えて、実行しましょう!

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やりたい仕事がない人の職場の探し方

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

仕事を決める時ってどうしてます?
やりたい仕事がないって悩みをよく聞きます。
私は別にやりたい仕事なくたったいいじゃない!って思うんですよ。

みんなそんなに仕事したいですか?
仕事にいきがいをもって、ってのはそれはそれでいいですけれど、趣味とか遊びとかに人生の価値を置いている人もいますよね。
だったらそこまで仕事にこだわる必要もないです。

楽しいとかマシかなぁって思う生活ってなんでしょう。
仕事とか趣味ってそれを実現するためのツールでしかなくて。

「そんなこといったって生活しなきゃいけない」
「仕事してないとなんとなくダメ」
まぁ、生活しなきゃいけないのはそうなんですが、無理に仕事してもうまくいかないですよ。

正社員じゃなきゃってあせって「正社員、未経験者OK!」の求人に飛びつき、行ってみたらブラックな職場だった。
嫌だけど「次がないかも」「他のところにいっても同じだから」「石の上にも3年って言うし」と無理に働き続ける。
で、結果としてうつになっている人って多いです。
こちらの記事も参考にしてください。
・あなたは洗脳されているかも。厳しいことを体験しても心は強くなりません。

よく「どんな仕事が合っているか?」の心理テストみたいな自己分析ありますけど、あんなの大して役に立ちません。
自分が今好きとか得意と思っているものが結果として出てくるだけ。
だからなんとなく「合ってる!」「納得!」って思いやすくなってるんです。
本当にあっているかどうかまでわかるハズもなく。
占いと同レベルですよ。
考えてください。
そんなんで合っているものがわかったら、みんなこんなに悩んでいるワケありません。

あと分析したところで就職後の満足度が高いわけではないことを以前書きました。
・金か愛か?これであなたの就職も恋愛もうまくいく

実際のところは運も大きいんですよね。
仕事内容とか、職場の人間関係とか。

じゃぁ、どうすればよいの?

どんな仕事がしたいのか?ではなく、
自分はどんなスタイルの生活を望んでいるの?をまず先に考えましょう。

そもそも働かなきゃいけないの?
その生活を手にいれるためにどんな仕事が最適なの?働く時間は?収入は?働く場所は?

こんな感じで考えてみるといいです。

こちらの記事も合わせてみると考えやすくなるかも。
・人生に迷ったらこれを読め!

望む生活スタイルって、ずっと一緒じゃなくて、その時によって変わっていくもの。
だから「どんな人生を歩みたいか?」とか大それたことじゃなくて
「どんな感じの生活だったらたのしいかなぁ、ワクワクするかなぁ」くらいに考えた方が良いです。

考える時は「世間一般ではこうだから」「老後が心配だから」「親が言っているから」ってのはNG。
そんなこと考えていると望む生活から離れていきます。

どんな生活したらよいかわからないし、やりたいこともないし、でも働かなきゃいけないって人は、とりあえずどうしてもやりたくない仕事をピックアップして、それ以外のところから選んでみるのも手。

働くことはあくまでも生活のツールの一つ。
人生の目的にならないようにしましょう。

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縁起強迫の治療・克服法

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

・嫌なイメージが思い浮かんだら、その時の行動をやり直す
・不吉な数字が思い浮かんだら、「良い」数字を思い浮かべる

強迫性障害の一種、縁起強迫の症状の一つです。

外からみると、無意味に同じ行動を繰り返したり、ボーっとつったっていたり、なんかブツブツいっていたりと奇妙に見えます。
病院でも統合失調症と間違われることがあるくらい。

私は何人も縁起強迫の人をみたことはありますが、同じカウンセラーでも治療したことがない人が多いようです。
対処法がわからないって人も少なくありません。
患者さんの方が認知行動療法を勉強していて対処法を知っていたりします。

認知行動療法の専門家がいる地域なら相談すればよいのですが、いない地域もあるかと思います。
そんな人は患者さん自身が対処法を知って克服していきましょう。

今回は縁起強迫の治療・克服法について書いていきます。

嫌なイメージを打ち消そうとして悪化する

代表的な悪循環はこんな感じ。
嫌なイメージ(死ぬ、病気、苦手な人)
→自分や家族が、イメージのようになってしまうのでは?
→不安になる
→打ち消しのための行動をする(良いイメージを思い浮かべる、行動をやり直す)
→きっちりと打ち消していないのでは?
→打消しのための行動
→やっぱりきっちり打ち消していないのでは
→打消しのための行動・・・

この繰り返しで生活に支障が出てきます。
打消している途中で誰かに話しかけられたり邪魔がはいるとやり直しするでしょう。
完璧な打消しができないので。

縁起強迫の人は嫌なイメージを避けようと、考えない努力をします。
しかし、考えない努力は「嫌なことを考えないようにしよう」って「考えてる」ことになるので、もっと嫌なことを考えるようになるのです。
考えない努力は無駄などころから、症状を悪化させます。

頭の中で「大丈夫だ何も起きない」ってのも打消しの儀式(強迫行為)です。
儀式をすると不安はもっと強くなりますので、安心させることはやってはいけません。
周囲が「何も起こらないから大丈夫だよ」と言ってしまうともっと症状が悪化します。

時々頑張って強迫行為をしないでいると悪いことが起こっていないかを探します。
生活していると何か悪いことは起きるので「やっぱり強迫行為をしなかったら悪いことが起きたんだ」と考えがちです。

縁起強迫の克服方法

治療・克服法は嫌なイメージや不安に慣れていくことです。
そのためにやることは2つ。
・打消しの行動(強迫行為)をやらないこと
・嫌なイメージに慣れていくこと
この二つの組み合わせをします。

嫌なイメージになれるためにはワザと不安なこと、避けていたことをやっていきます。

苦手な数字が4だとします。
4は「死」をイメージするからだと不安です。
4があると「5」を思い浮かべたり、何かやるのは4時を避けている。

こんな場合は以下のやり方が一例。

・4を思い浮かべてる
・4の数字を何度も書く
・ワザと4時に動く
・スマホの待ち受けを4の数字にする
・生活のいたるところに4を書いたものをはる
・「死ぬ」とイメージしながら日常生活を送る
・打消しの行為はしないで行動を続ける

こんなもんできるか~!と言いたくなりますよね。
もちろんやるのが怖い人はやりやすいところを探してそこから一歩ずつすすんでいくとよいです。
最初は不安で仕方ないかもしれませんが、しつこいくらいやっていくと思い浮かんでも気にならなくなってきます。

「何も起こらなかった」と安心はダメ

ここで気を付けたいことがあります。
「4が思い浮かんでも何も起こらなかったら大丈夫」とわかる練習ではありません。
そんな風に考えてもある程度まではよくなりますが、また元に戻るでしょう。
安心する理由を探していることは強迫にエサを与えているようなものです。
ちょっとよくなった時期もあるけれどぶり返した、って人はこのパターンが多いです。

我慢だけじゃダメ 積極的に嫌なイメージに慣れていくことがキモ

打消しの行為だけをやめることに一生懸命になりがちです。
克服のキモはあえて縁起の悪いことをやっていくこと。
「嫌なイメージうかんだから我慢しよう」ではなく「嫌なイメージは積極的に考えよう」
これがないといつまでたっても「我慢する」だけで良くなっていきにくいです。
「打ち消さない」ではなく「縁起の悪いことをワザとやる」をメインに克服プランを立てていきましょう。

一人でやってもうまくいかない場合は相談にきてくださいね。
強迫性障害が良くなっていった人の体験談はこちらです。

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パニック障害の治療・克服法

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

パニック障害の治療、克服法はネット上でいろいろ出ています。
たくさんありすぎて「結局何が正解なんだよ!」と考えてしまいますよね。
パニック障害は自然に良くなることがあります。
だから「○○をやったから良くなった」ってデマが広がりやすいのです。

どの情報がデマか?
それを書くといろんなところから苦情がくるので・・・。
会社員のつらいところ。
まぁ、時々ブログに書いてますけど。

しかし、おすすめの方法なら紹介して何も問題ないのでご紹介します。

パニック障害に対して科学的根拠がある治療法は「薬」と「認知行動療法」です。
どの治療法を選択するか迷ったらこの二つの選択がおすすめです。

どちらもメリット・デメリットがあるのでおさえておきましょう。

薬のメリット・デメリット

薬はパニック発作や不安を減らしてくれる役割があります。
不安が強くてどうしようもない、発作が起こりすぎてまず発作を減らした方がよい人にはおすすめです。
飲むだけなので楽ですし。

一方で、副作用やお薬を減らしたりやめたりする時に起こる副作用がデメリットです。
何年も飲まなくていけないことが多く、通院が長くなること、薬の使用による妊娠のことなど、気がかりなこともあります。
ネット上でも何年も薬を飲み続けている人っていますよね。
人によっては頓服薬がないと不安になって手放せなくなる人も。

認知行動療法のメリット・デメリット

認知行動療法は、パニックを悪化させやすい考え方や行動を変えていって克服する方法です。
よく不安な場面に実際にいっみて不安に慣れていく練習をしていきます。
また電車など不安に場面に慣れていくやり方だけではなく、わざと発作を起こして発作自体に慣れて克服する方法もあります。
関連記事
電車に乗れるようになっても、パニックが良くなていないワケ

認知行動療法のみで良くなることもありますし、薬と併用することも。
自分で対処法を学び克服していくので、再発率の低いとされています。
再発を繰り返している、薬に頼りたくない、将来妊娠希望って方におすすめです。

デメリットもあり不安場面に実際にいって練習していくので、不安は避けずに乗り越えようとする意欲が必要です。
不安は避けたい、頓服使用していれば問題ない、って方には向きません。

病院にいくとだいたいはお薬をすすめられます。
日本ではパニック障害の治療の中心となっているからです。

認知行動療法はお薬と同じくらいの効果がありますが、専門家が少ないことからなかなか受けることができません。
「必要ならばいつかお医者さんがすすめてくれるだろう」っと思っていてもすすめられないかと。
もしも受けるとすれば、自分で専門家を探さないといけないことが多いでしょう。

薬と認知行動療法のメリット・デメリットを考えて、治療法を選択してください。

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生活を充実させるための方法 今の状況から考えてみよう

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

あなたの今の生活はどんな感じでしょうか?
楽しいことがどれくらいあるか、嫌なことがどれくらいあるかを軸に4つの状態に分けてみると、今自分は何をするべきかわかりやすいです。
A~Dであなたはどこにあてはまりますか?

スライド1

A:生活が充実している状態。
楽しいこともあるし、不安でもやりたいことをどんどんやっています。
嫌なことが多いになぜ?って疑問に思うかもしれません。
ここがミソでして。
充実感って不安の先にあることが多いのです。
やりたいことをやる時って、「どうなるんだろう」って不安はつきものですよね。
うつや不安を克服した人はこっちかと。

B:生活はやれているけれど、充実感が少ない状態
良いことがあって、嫌なことが少ないってすっごくよく見えますよね。
しかし、生活はできているけれど、何か物足りなさを感じています。
嫌なことが起こらないのは失敗したり不安になったりすることを避けるからです。
やりたいけれどやれないものがある、失敗を恐れてあきらめているものがある、とか「本当はこうしたいのに」ってのを安定のためにあきらめています。

C:引きこもりのような状態
現実が苦しいので嫌なことを過度に避けています。
できるだけ刺激を避けるため生活範囲が極端にせまいです。
当然楽しいことも少ないので、これはこれでつらいでしょう。
将来のことを考えると絶望的になるので、テレビ、ゲームやネットをして何とかやり過ごしている人が多いかも。

D:気分が落ち込んでいる状態
現実世界で嫌なことがたくさんある割には良いことも少ない。
逃げることも、立ち向かうこともできないと思っている。
これはつらいです。
うつになります。

それぞれの対策

スライド2

Aの人
Aにあてはまる人は、何もいうことはありません。
良いことも悪いこともあることが充実につながるってことを忘れずにいましょう。

Bの人
Bにあてはまる人は、あなたが今後どのような生活がしたいのか?価値観が問われます。
充実した生活をおくるために、失敗を恐れずやりたいことをやっていくとAに向かっていきます。
当然Aに向かうにはリスクも。
しかし、リスクをとってでも欲しい未来がある、今の生活を抜け出したい、と思うならリスクをとる価値はあります。
失敗しても終わりじゃないです。
またチャレンジすればよいだけ。
もちろん、Bのままでいるのも手です。
やりたいことができない不満はあるんだけど、今の生活も捨てがたい。
そんな人はBにいて様子を見た方がよいでしょう。
どうしてもしんどくなってきたらAに向かってください。

Cの人
何とか嫌なことから避難しているけれど、楽しくもないですよね。
とりあえずはBに向かうと良いです。
つまり、ちょっとでも楽しいこと、ワクワクすること、嫌なことはいいからとりあえず好きなことだけをちょっとずつやっていきましょう。
そうすると気持ちが楽になってきます。

Dの人
うつ病になる前にAでもBでもCでも良いので動きましょう。
Aに行くなら、不安でも誰かに相談したりして現実問題を解決し、良いことを増やしていきましょう。精神的体力が残っている人向け。
Bに行くなら、とりあえず環境を変えて楽しいことを増やしていく。精神的に少しは体力がある人向け。
Cに行くなら、何よりも環境を変えてとりあえず休んで落ち着くことを優先。心も体もズタズタな人はとりあえずこっちへ。ちょっと休んだらはやめにBに向かいましょう。

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体重計にのると過食がひどくなる人の対処法

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

過食症で悩んでいる人は体重や体型を気にしています。
気にするとこんなことをしてしまうのです。

・一日に何度も体重計にのる
・鏡を何度も見て体型をチェック
・体に触って体型をチェック

これらの行動をするともっと体重や体型が気になるようになります。

体重計にのり数百グラム増えたら落ち込む
→落ち込むとやけになり過食
→過食により体重増加
→気になって体重計にのる
→落ち込んでやけになり過食・・・
こんな悪循環になるのです。

だから治療では頻繁に体重計にのったり、体型をチェックしたりすることをやめてもらう練習をします。
そうすることで体重へのとらわれが減ってきて、少しずつ過食も減ってきます。
ところがこれが結構難しい。
ついつい不安でやりたくなってしまうんです。
麻薬に近いものがあります。

そんな人は体重計を自宅から撤去するのも手。
食べ物と同じで、近くにあるとどうしても手が伸びてしまうんです。
意志の力にまかせるのではなく、環境を変えていくのがコツです。

どうしても体重を知りたい場合、病院に行っている人なら病院に行ったときにだけ体重を量りましょう。

ある程度コントロールできる人なら体重を量るにしても週に一回程度にしてください。
それ以上だと過食がどんどんひどくなる可能性があります。

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同じ心の病気の人と話したいと思ったら メリット・デメリットを知っておこう

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

「同じ病気の人と話したい」って考えることありませんか?
こういう時は、同じ病気の人の集まりにいってみるのも手です。

合う、合わないがあるので、評価は人によるでしょう。

今回は同じ症状のグループに参加する、メリット、デメリットについて書きます。
迷っている人は参考にしてください。
(切池、2014を改変)

メリット

・話せる場所ができる
自分の症状について友達には話せないもの。
同じことで悩んでいる人なら話しやすいですよね。
情報共有の場にもなります。

・孤独感が薄れる
「こんなことで悩んでいるのは自分だけ」って思いがち。
症状で悩んでいるのは自分だけじゃない!っ思えると勇気がでますよね。

・他人の良い点と悪い点を見ることで自分に活かせる
自分のことならわからないけれど、他人のことならわかりやすいもの。
他人がやっている、良いところは真似して、悪循環になってるなぁってところは改める。
「人のふり見て我がふり直せ」ですね。

デメリット(全員にあてはまるわけではありません)

・自分の症状は軽いと考え、治療しなくても大丈夫と思う
人より症状が軽いと思うことで、「まぁこれくらいならこのままでいいや」と、治療する努力を止めることがあります。
「みんなも同じように悩んでいるからこのままでもちょっと安心」では意味がありません。

・他人の悪いクセを学ぶ
他人がやっている悪いクセを学んでしまうことがあります。
「あ、こんな現実逃避の手段があったんだ!」って。
また効果のない治療法を他人がやり、それをまねてしまうことも。

・マイナスの影響を受ける可能性
人は近くにいる人の影響を受けやすいもの。
うつの人が周りにいると、うつの人が増えます。
ポジティブな人が近くにいると、ポジティブな人が増えます。
マイナスの影響を受けやすい人は、落ち込んだり、他人から聞いた症状がうつってくることもあるかもしれません。

集団って、やっぱり合う・合わないがあるんです。
患者さんを見ていても、「みんなと話すことで勇気がもらえた!」「良い情報をもらった」って人もいます。
逆に「良くなっていない人ばかりだからマイナスの影響を受けた」「人間関係で悩んだ」って人もいます。
どっちもいるので、あとは良い出会いかどうかかと。
デメリットよりもメリットが大きいかなぁって思えたら、参加してみると良いですよ。

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