「○○やっといて」と言っても、家族が言うことを聞かないワケ

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

「帰ってきたら〇〇やってね」
こんな風に言っても家族がやってくれないって経験ありませんか?

子どもに帰宅したら宿題をやるようにいったのにやっていない。
夫に帰宅したら片付けておくようにいったのにやっていない。

何をしていたかと思えばゴロゴロしたり、ゲームをしている。

それで怒りは爆発。

相手の言い訳は「これからしようとしていたんだ」。

「いつもそうじゃないの!」とさらに怒り爆発。

このパターンになっている場合、ちょっとやり方を変えるだけで変わる場合があります。

「具体的に」「今すぐ」がコツ

多分「帰宅したら真っ先にすぐにやって」の意味で言ってますよね?

しかし「帰ってきたら〇〇やっておいて」だと、帰ってきていつやればよいのか指示していません。
3時に帰宅して、9時にやろうとするかもしれません。
屁理屈のようですが、相手はそのようにとっている可能性あるのです。

もちろん、それだと実行する可能性は低くなります。

このため「帰宅したらすぐに勉強して」といつやったらよいかを具体的にいった方がよいでしょう。
「いつ、どこで、何を」を、ものすご〜く具体的に言うのがコツです。

また前の日にそういうことを言ってもダメなことがあります。
「わかった」って言ってやらないとか。
指示してから実行するまでの時間があけばあくほど、実行する確率は減りますから。
この場合はやって欲しい時にできるだけ即座にやってもらうようにすると実行する確率があがります。
「今すぐ」とか「60数えるまでに」とか。

普通に言ってダメな時は怒って言ったってダメだし、ストレスがたまるだけ。
このやり方は手間暇かかりますが、イライラする回数は減るので、気持ちは楽になります。

似たようなことで子どもはどのようにしたら勉強するのか、についても以前かきました。
・子どもに勉強させる効果的な方法
効果的なことって手間がかかることが多いのです。

まとめ

「帰ったら〇〇やっといて」
「〇〇日までに✖️✖️やっといて」
こんな指示はなかなか実行されにくいです。

指示はバカバカしいほど具体的に、できるだけ言ってからすぐにやってもらうようにすると、実行してくれる確率は高くなります。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


パニック障害の人が高速道路を克服するための5つのポイント

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

連休があると高速道路を使う人多いですよね。
パニック障害の人がよくある苦手場面の一つです。

パニックを克服するために高速道路や渋滞は良い練習になります。
しかし、やり方を間違えると練習をやってもなかなか克服できません。

今回はパニック障害の人が高速道路で気を付けるべき克服するための5つのポイントについて紹介します。

①苦しくなっても高速道路は降りない

途中で高速を降りると不安はもっと強くなります。
高速を降りた途端ホッとしません?

「やっぱりこの息苦しさを解消するためには逃げ出すしかないんだ」
と考え、次はもっと高速道路が怖くなります。
電車に乗るときに「苦しかったら降りればいいや」と考えている人は、途中で降りられない快速や新幹線が怖くなるのと同じ。

高速道路にいけるようになることが大事ではありません。
逃げなくても不安は必ず収まることを経験することが大事なんです。
少なくとも目的地まではいきましょう。

②サービスエリアはチェックしない

サービスエリアをチェックして「いざとなったらここで休憩できる」と安心している人いません?
そういう人は休憩場所まで数十キロだったら途端に怖くなります。
①と同じです。
できるだけサービスエリアをチェックせず、そのままでいきましょう。

③長いトンネルにあえて行く
長いトンネル怖いですよね。
閉じ込められている感覚が強くなる人が多いようです。
ってことは、練習するにはうってつけの場所なんです。
怖いなら怖いことをする。
これが治療の原則。
怖いところを避けていて突然「治った!」ってことはありません。
治すために長いトンネルに行こう!が正解です。

④頓服薬の使用は挑戦の効果を低くしてしまうので注意する
高速道路に乗る前に薬を飲んでいませんか?
最初はそこからスタートして、少しずつ飲まなくても平気になってくれば問題ありません。
しかし、「飲まないと不安」「薬を持ち歩かないと不安」となっていると問題です。
病院ではそこまで教えてくれません。
動悸や息苦しさを薬で出さないようにしているうちは、いつまでも不安に囚われることになります。
克服するためには頓服使用せずに挑戦することが必須です。

⑤水やガム、音楽で「ごまかす」のはダメ

水やガムを使用したり、音楽を聞いて高速道路に乗っている人が、これらのやらなかったらどうなりそうか?を考えてください。
「暇なだけ」「口さみしいだけ」なら、やってOKです。
「不安だ」「発作が起こりそう」なら、使用はやめた方が良いです。

④と同じで、依存してしまうんですよ。
よくパニックの対応のパンフレットにも「気をまぎらわしましょう」って書いてます。
でも、「やらないとダメ」となるとマズイです。
気をそらすことに必死になっていると、逆に不安にとらわれるものです。

参考記事
・病院では教えてくれないパニック発作が怖いままの理由

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羊を数えても眠れない理由

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

眠れない時に「羊が一匹、羊が二匹・・・」と数えるのは逆効果なんです。
その理由は眠ろうと努力しているから。

寝ようとする努力は眠れない原因の一つ

眠れない
→眠ろうとする
→眠れないことが意識される
→あせる
→眠れない
→眠ろうとする・・・

悪循環ですよね。

だから羊を数えて眠ろう!はダメなんです。
羊が100匹超えたあたりから「100匹数えても眠れない。どうしよう」と不安が強くなり、さらに眠れなくなるのです。

眠るコツは寝ようとしないこと

羊と同じように、他の眠ろうとする努力も逆効果のことが多いです。
眠れない時に「眠る 方法」「眠れない 対処法」とかネットで調べてませんか?
そんなことしたら目がさえてくるし、眠れないことが意識されるだけです。

○○をやったら眠れると宣伝しているものが多々ありますが、だいたい科学的根拠はありません。
偶然眠れると「効いた!」って思うことはありますけどね。
思い込みって大事なんで。

思い込みが効かない人は、地道な対処が必要なんです。

眠るためのコツは、眠ろうとしないこと。
睡眠は努力するのではなく、眠気の波が来るまで待って、波がきたら「自然に」の乗るってイメージが良いのです。

波は「早く来い!」って考えて待っていてはきません。

「波が来るまでほかのことをして待とう」
この心持が大切。

基本的には何もしなくても良いです。

寝る時に不安なことや明日のことなど、余計なことを考えるタイプの人は瞑想みたいなことをしてまっているのも手。
やり方はこちらで書きました。
・無になろうとしてもなれない
ただし、「これをやったら眠れるんだ!」と寝るための努力になってしまうと逆効果です。
あせらず待つ方法として使ってください。

羊を数えるのも寝る努力になっていないければ悪くないんですよ。
「余計なこと考えるから羊でも数えてよう」くらいだったら役に立つかもしれません。

その他、睡眠で気を付けることはこちらの記事でも書いたので参考にしてくださいね。
・眠れない人が対処すべき6つのポイント

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過食症の認知行動療法はこんなことをやります

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

過食症の治療は認知行動療法が有効と言われています。
しかし、一般的な認知行動療法の本はうつをメインにしているので参考にしてもあまり役に立ちません。
過食症は別のやり方になりますし。

では、過食症の治療はどんなことをするのか?
こんな感じですよーってのをまとめてみました。

※人によってやることは違いますので、絶対この通りにやるわけではありません。

食事記録をつける

基本中の基本。
どんなものをいつ、どこで、食べているのか、過食をしているのかを記録します。
これをやることで過食している悪循環がわかりやすくなるんです。
ちょっと面倒ですが、役に立つものなのでやってもらうことが多いです。
今回書いている他の内容も記録を通じて知ることができます。

参考記事
・面倒!でもとっても大切な過食症を改善する方法とは

食事の方法を学習

過食しにくい食事の方法ってあるんです。
過食になると空腹か満腹かわからなくなります。
その時の気分で食べているとだいだい過食が悪化します。
また、特定の食べ物を避けているのが過食の大きな要因なのでそこも変えていかなくてはなりません。
そういうのを学んで、実践していきます。

参考記事
・空腹か満腹かわからない 過食によくある症状への対処

過食を悪化させている自分のクセを知る

体重計に毎日のったり、太るのが怖くて過度に運動したり、下剤を使ったり。
これをしていると過食が悪化しやすいです。
過食を悪化させているクセを知って、改善に近づけましょう。

参考記事
・体重計にのると過食がひどくなる人の対処法
・運動が食べ過ぎのもとになることありますよ

過食しにくい環境づくり

過食しないのはとっても難しいです。
意志の力はあてになりません。
そういう時は、過食しにくい環境づくりをしていくとよいです。
食べ物を近くにおかないとか、空腹なときに買い物いかないとか。

参考記事
・食べ過ぎを防ぐ環境づくりのための5つのポイント

過食してしまった時はどうすればよいのか

過食をしないにこしたことはありませんが、まぁしてしまいます。
過食を止めればいいってもんでもないですし。
そんな時、どんなことができるのか?
その後どうしたらよいのか?
一緒に考えていきます。

参考記事
・食べ始めたら止まらない そんな時過食の人はどんな対処をすればよいのか
・食べ過ぎた後の考え方のコツ

まとめ
以上は基本的なところです。
他にもたくさんあります。
過食症の治療は長期間になりやすいです。
停滞期もあって「ずっとよくならないのでは」と考えるかもしれません。
しかし、ちょっとずつは変化していくものです。
あせらず治療していきましょう。

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ストレスが心の病気の原因ではないこともあるのです

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

知ってました?
心の病気のきっかけはストレスとは限らないってことを。

病気になると、症状が出た時期に「何か悩み事あったかたなぁ」と考えがち。
で、「これかも!」と無理やりストレスと症状を結びつけるのです。

もちろん、上司から怒られ続けてウツになったとか、はっきりしているものもあります。
その時はストレス状況から離れたり、改善したりすることは必要でしょう。

しかし、実際は大きなストレスとは関係なく症状が出たり、悪くなったりすることがあるのです。
生理・出産・年齢などホルモンバランス、体の病気、薬の影響などなど。
また特定できないものも。

このため無理やりストレスと結びつけなくても良いのです。
ストレスのせいにすると、悪者探しが始まります。

「実は家族関係がストレスだったのでは」
「職場がストレスだったのでは」

ストレスなんて探そうと思えばいくらでも探せます。
全く関係ないかもしれないのに。

さらに
「幼いころの親子関係でこうなったのでは」
「自分に自信がないのが原因では」
「私はアダルトチルドレンだ!」
となると、自己啓発系の変な方向に行きます。

症状を改善するのにそういうのはほとんど関係ないです。
どうしても自己啓発系が好きな人は症状を治してからやることをおすすめします。

無理やりストレスと結びつけると的外れな治療になりやすいので注意をしましょう。

ストレスが関係ないとすればどうすれよいのか?

ストレスと結びつかないと時は、その他の要因もさぐります。
薬だったら薬の調整が必要だし、ホルモンバランスだというなら波の特徴をしていくことが大事だし、体の病気だったら体を治すことが優先だったり。

原因が特定できなくても治療していくことは可能です。
うつでもパニックでも強迫でも対人恐怖でも、悪循環になっていることがあります。

うつ→寝込む→嫌なことばかり考える→うつの悪化
パニック発作→不安な場所を避ける→パニックの悪化
強迫観念→強迫行為(手洗い、確認など)→強迫の悪化
人前で緊張→人前避ける→もっと緊張するようになる

こういう悪循環を把握して、マズイところを改善していくと、症状が良くなることがわかっているのです。
ストレスは何かと考えるより、悪循環は何か?と考えた方がよっぽど治療的です。

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対人恐怖症・社交不安を克服するために知っておきたい4つの問題点

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

対人恐怖症・社交不安障害の人が改善するべきことがあります。

どこが問題でどう変えていけばよいか。
これがわかると「こうやればよくなるんだ」って見通しがつきますよね。

今回は基本的な4つの改善するべきことをご紹介します。

①自分の感覚で他人から否定的にみられていると決めつける

不安だから他人からも「不安そうに見えている」と考えてません?

・震えているから他人もみんさそれに気づいて「こいつ大丈夫か?」と考えている
・顔が赤くなっている感覚があるから他人もそれに気付き「この人緊張している」と考えている

他人は自分の症状に気付き、否定的にみていると考えています。
だいたいこの発想は間違いであることがほとんど。
それを実感するためには、練習が必要です。

典型的な練習はこの記事に書きました。
赤面症を克服する3つのステップ

②自分に注意が向いている
緊張している感覚、人からどう思われているかを考えてますよね。
「自分」に注意が向いて向きすぎていませんか?
他人の目を気にしている人は、他人を見ていないのです。
このため注意のバランスをもう少し外に向けることが必要。

練習方法の一つはこちらの記事に書きました。
あがり症を克服する一歩 人を見る練習のコツ

③不安をごまかす行動をとっている

緊張の度合いを下げようとして安心させる行動が、実は治らない原因の一つです。

例:
・下をずっと見ている
・赤面を隠すために酒を飲む
・話す前にリハーサルを何度もする
・事前に薬を飲む

これらの行動をやめましょう。
実際にやめてみる実験をすると、やならくても大丈夫ってことがわかってきます。
コツは必要ですけどね。

④不安な状況を避けている

不安なことって避ければ避けるほど強くなるんです。
「自信がついたら、避けないようになるだろう」と思っていると自信はつきません。
避けなくても大丈夫な経験をすることで自信がついてくるのですから。
「自信をつけるために、避けないで克服しよう」という発想が大切です。

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心療内科に通院してる?多分精神科ですよ

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

精神科と心療内科の違いって知ってますか?

うつとか不安とか「心の病気」と言われているのは精神科が専門です。
多分、このブログを診ている人は精神科の分野にはいります。

胃潰瘍とか体の病気だけれどその背景に心が絡んでいるとか、身体面が主で背景に心が絡んでいるのが心療内科の専門。
基本は内科の一つの分野ってイメージしてもらえるとよいかも。

多分あなたは心療内科じゃなくて精神科のお医者さんにみてみらっています

多くの心の病気の人は「私、心療内科に行ってます」って言います。
確かに病院は心療内科をかかげているかもしれません。
しかし、実際に診ているのは精神科のお医者さんであることが9割くらいです。

理由の一つが「精神科は重い人がいくことろ」「心療内科は軽い人がいくところ」と間違ったイメージが一般の人に多いためと言われています。
あと精神科ってイメージがちょっといきにくいからとか。
通院している病院が「精神科・心療内科」と看板にあったら、「精神科いってます」っていうより「心療内科いってます」って、言いたくなる人いません?

だからきてもらいやすくするために精神科を全面に出さず、心療内科とかかげているところが多いのです。
最近では精神科とかかげず「こころの診療科」とか柔らかいイメージにしているところとかもありますね。
普通の精神科なんですけど。

実際のところ先述の通り心療内科をかかげていてもほとんど精神科のお医者さんなので、精神科か心療内科か?と看板の違いをそれほど意識する必要はないかと思います。

心療内科の専門の先生のところにいっても心の病気はみてもらえますし、仮に違うと判断されれば他を紹介してもらえます。

個人的には精神科の言葉のイメージが悪いのでもう少し別な名前にしたらいいのにって思いますけどね。

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強迫行為を我慢するだけで克服できない

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害の人で
「手洗いしない」
「確認しない」
「気にしない」
こんな目標設定を立てて練習をしていませんか?

これはこれで大事ですが、不十分です。
なかなかよくならないでしょう。
その理由について書いてみました。

あえて不安なことをすることが大事

強迫性障害の治療でやることは大きく2つ。
1.不安なことに十分さらされて怖さに慣らしていく
2.不安を下げようとする行動(強迫行為を)をしない。

多くの人は2ばかりやっているのです。
1を必ずやる必要があります。
忘れがちですよね。

「汚いと思っているものに触って手洗いをしない」
「バッグをわざとあけて、カードを落としたと思っ確認せずに外出する」
「不吉だと思っている行動をする」

このように不安なことを「あえて」自分でやって、強迫行為をしないようにするとよいのです。
行動だけでなく、頭の中で考えることも不安なことをやっていきましょう。

「あえて」がポイント。
「いつも不安なだからあえてやる必要はないのでは?」と考えるかもしれません。
受け身で不安をやり過ごすのでは、なかなか不安慣れていかないのです。
単なる我慢になってません?
「あ〜、また不安になっちゃった」って。

そこを積極的に自分からあえて不安なことにつっこんでいくことで、「慣れ」が出てくるのです。

「〜しない」ではなく「〜する」

といっても、ついつい「〜しない」とやりがち。
これを防ぐ簡単な方法があります。
「〜(怖いこと)をする」と必ず付け加えるとよいです。

「不吉な数字を書く」
「手すりに触る」
「車にのってひいてしまったと考える」
「しっくりとこないやり方(具体的にしましょう)をする」

1がイメージしにくい人は「何をやったら不安が強くなるか」と考えてみましょう。
行動することかもしれないし、何かを考えることかもしれません。

おそらく1はやりたくない人が多でしょう。
不安で仕方ないですからね。
しかし、そこを避けていることが強迫性障害をひどくしているのです。
不安は避ければ避けるほど強くなる性質があるから。

手洗いや確認、強迫行為をしないだけではよくなりません。
不安なことをやり続けることを意識すれば自然に強迫行為をやらずにすみます。
例えば汚いものにずっと触り続けていたら手を洗えませんよね。

不安なことから逃げず、むしろ積極的にやっていくことで病気はよくなります。

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なぜ望みのない恋愛をズルズル続けてしまのか?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

自分は結婚して家庭を作りたい。
何年も付き合っていて、話し合いもしてけれど、相手に結婚の意思はない。
こんなんだったら別れたいけれど、なんとなく別れられない。
もしかして時間が経てば変わってくれるかも?って期待もある。

よくある話です。
特に女性が悩むことが多いようですね。

この状況ではどの選択がベターか?
私なりに心理学を用いて結論を出してみました。

つぎ込んできたお金や時間は捨てましょう

結論からいうと「別れて別の異性を探したほうが良い」です。
結婚>相手とこのまま交際、という価値観であればですが。

長い間付き合ったから次の人と関係を作り上げるのが面倒。
だから別れない。
「こんだけ長い間時間と苦労をかけて作り上げた関係だから別れてしまうのはもったいない。新しい異性が見つかるとも限らないし」と考えていますよね。

交際相手と別れて後悔するかもしれない。
新しい人を探すといったっていい人が現れるかなんて保証はない。
どっちをとっても不利なギャンブルをしなければならないのです。

どっちを選択しても不利な予想の場合、現状維持の選択をしてしまう心理傾向があります。
つまり交際相手とそのまま継続する。

しかし、それはパチンコで負け続けているのに損するのがいやで
「ここまでお金をつぎ込んだんだから、元をとるまでやってやる」
と一発逆転を狙うのと同じ。
結果、どういう運命になるか。
パチンコなら予想つきますよね。

さらに状況が悪くなり、引くに引けずボロボロになるまでお金と時間を費やしてしまいます。
損をするのは確実でも、パチンコをやめることがなんだかんだいって一番得をする可能性が高いのです。

状況が悪化するのにお金や時間をつぎ込んでしまう。
心理学的にはコンコルド効果っていいます。

要するに冷静な判断ができなくなっているんです。
結婚し家庭を作りたいという本来の自分の価値観から遠ざかっているのにもかかわらず。
ですから別れるべきなのです。(結婚して家庭をつくる<交際を続ける、の価値観なら別ですよ)

自分の望む人生に近いのはどっち?

引き際ってとっても大事。

お金も時間もつぎ込んで、苦労して手に入れたものでも状況を悪化させるものであれば手放すことが必要。
つぎ込んだ規模が大きい場合は、なかなか引くことができないかもしれません。

しかし、一発逆転はほとんどないのです。
これを受け入れましょう。
人は追いつめられるとリスクが高い方を選ぶ傾向あります。

後ろ髪をひかれるかもしれませんが過去のことは切り捨てて、未来に向かっていくことがベターな選択の場合が多いのです。

どうしても踏ん切りがつかない人は、期限をつけましょう。
期限がきて結論がでないなら、言い訳せず別れた方がよいです。

迷ったときは現状維持で自分の望む人生になりそうなのか?と問いかけましょう。
NOであれば次の相手探しに出発した方が、望む方向にいく可能性は高くなりますよ。

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病院では教えてくれないパニック発作が怖いままの理由

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

パニック障害の治療法についてパンフレットをみていた時、対処法について書いてありました。
・カフェインを控える
・音楽を聴く
・気をそらす
・呼吸法をする
・ガムをかむ
・頓服を使用

よく書いてあることです。
これをそのまま守って良くなっている人はよいですが、結構よくなっていない人が多いんですよ。
その理由の一つは、これらの対処法がパニックの悪化要因になっているかもしれないから。

例えばカフェイン。
カフェインがドキドキの原因となりやすいから控えましょうって書いていると思います。
そうするとカフェインが入っているものが怖くなります。
発作を起こらなくなることが治療ではありません。
発作が起きても大丈夫と思えるようにしていくのが治療なのです。
ですから、カフェインを恐れているうちはダメなんですよ。

関連記事
コーヒー好きのパニック障害の人必見!カフェインを飲んでもパニックは良くなります

音楽を聴くとか、ガムを書くとか、頓服薬とかも同じ。
発作を怖がって、このような行為をやっていると良くならないです。
これでよくならない人ってかなりいます。

関連記事
薬がないと外出が不安 パニック障害の再発を繰り返すワケ

呼吸法も。
呼吸法は合わない人も多いです。
余計息苦しくなるとか。

関連記事
・呼吸法をしてもパニックの不安が消えない人は

発作を怖がって、発作が起こらないようにしようとしているうちは良くならないってことです。
良くなったとしても、何かの拍子で悪くなります。

よく言われる対処法が必ずしも良いわけではありません。
しかし、このことは医療機関ではなかなか教えてくれません。
自分で対処法の幅を広げていき、治療をしていくことが必要となります。

良くならない時はこちらの記事も参考にしてくださいね。
・パニック発作への不安が下がっていかない3つの理由

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