うつ病の新しい認知行動療法について

臨床心理士の鈴木です。

認知行動療法はカウンセリング方法としてはグローバルスタンダードとなっている方法です。

アメリカやイギリスなどの医療先進国では保険会社や政府などで認知行動療法を推奨しています。

アメリカの保険会社が効果が実証されているカウンセリング方法を勧めるのは当たり前ですよね。
効果に乏しいカウンセリングをしているところにお金を払いたくないわけですから。

イギリスでも政府が認知行動療法を勧めていたりします。
怪しげなカウンセリングを政府は勧めないでしょう。

日本ではどうでしょう。
全く野放し状態であるかのような印象です。
私が医療・福祉の専門職の方に認知行動療法についての勉強会の講師をしに行くと、ほとんどの方から「認知行動療法なんて聞いたことがない」と言われます。
もしくは「表面だけ変えて役に立たない」と、臨床心理士から吹き込まれていることもあります。
だいたいは、その臨床心理士の勉強不足や偏見によるものです。
つまり、日本では医療・福祉の専門家でさえ、うつ病や不安障害の世界的標準となっている方法を知る機会がない状態なのです。

最近では「第3世代の認知行動療法」という新しい認知行動療法が出てきています。
書籍などでよくでているのは多くは「第2世代の認知行動療法」です。
認知行動療法をしている機関でも第2世代の認知行動療法を実施しているところがほとんどです。

私は現在「第3世代の認知行動療法」を中心にカウンセリングを行っています。
「他で認知行動療法を受けたけど、うまくいかなかった」という方も、一度ご相談ください。
新しい角度からから「認知行動療法」を提供できるかと思います。

うつと不安のカウンセリングご希望の方は
浦和すずのきクリニックの受付、
または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。


過食症に効果のあるカウンセリング

臨床心理士の鈴木です。

最近になり、過食症で悩まれている方が増えてきました。
だいたいは10代~30代の女性です。

相談に来た方にこれまでどんな治療を受けてきたかをうかがうと、ほとんど治療的根拠のない理屈を教えられていることがほとんどです。

さらに認知行動療法や対人関係療法に対して
「表面上だけ変わるだけだからすぐに再発するし、治らない。根本的なことを治さなければならない」
「さらに悪化する」
と、医師やカウンセラーからも言われていることがあるようです。

そのようなことを言う医師やカウンセラーは、専門家として明らかに勉強不足であると言えるでしょう。
認知行動療法や対人関係療法を受けることによって「悪化する」という根拠はありませんし、「再発率が高い」という根拠もありません。
逆に過食症だけでなく、様々な分野で治療的効果が示されており、再発率を低くするというデータが出ています。

ただ、一般の方からすれば相談している医師やカウンセラーに言われれば、「そうかな」と思ってしまうでしょう。
そして、回復が遅れてしまいます。
適切な治療を受けるためには、患者さんが効果が示されている治療法について知識を持ち、そのような治療者を選ぶことが必要となってきます。
日本では医療機関に行けば、現時点で有効とされている方法が受けられるとは限らないのです。

このようなことが重なっているため、きちんと世界的に治療的効果が認められている方法を知ってもらおうと、過食症についてもカウンセリングを実施していることを大々的にアピールすることにしました。
詳しくは、浦和すずのきクリニックのホームページにある「過食症のカウンセリング」をご覧ください。

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他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。


過呼吸への対応

臨床心理士の鈴木です。

息苦しさ、過呼吸、目まい、動機などが突然起こると、その症状を恐れて外出したり、乗り物にできなくなってしまうことがあります。

パニック障害などと言われます。

息苦しさ、過呼吸なんかは代表的な症状ですが、過呼吸がおこると薬を飲んだり袋を口にあてる方法をとっている方が多いのには驚きました。

それを専門家に言われている場合もあるようです。
これはまた専門家の間でも正しい知識が知れ渡っていないのは残念と思う瞬間です。

そんなことをしなくても、息苦しさ、過呼吸への対応方法はあります。
その方法を知らずに、袋を口にあてることをし続けてたり、過呼吸を恐れ生活範囲が狭まっている方が多いようです。

私のところに来ていて、カウンセリングを継続しているパニック障害の患者さんの8~9割は5~10回のカウンセリング(認知行動療法)で、生活に支障のないレベルまでなっています。

あなたはどれくらいの期間パニックに悩まされていますか?
あなたの受けている「治療」はどれくらいの期間かかっていますか?

カウンセリングは自費診療ですが、お薬を何年も続けて飲むよりもずっと経済的です(過去の親子関係などをずっと聞いているようなカウンセリングでは逆ですが。私はやりません)。
もちろんお薬が必要な方もいますが、併用することで回復が早くなりますし、具体的な対処方法がわかるのでお薬もやめやすくなるかと思います。

このブログをみているパニック障害の方がいましたら、早めに来ていただくと、早く生活が楽になりますよ。
遠方の方はお近くで認知行動療法している機関を探してみてください。

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依存と自立③―家族の視点から

臨床心理士の鈴木です。

依存と自立については家族からの視点も重要です。

「あなた方親子は共依存だから、自立しましょう」というカウンセラーが実はたくさんいます。

以前にも書いたようにこのような問題には「共依存」という言葉を使う、治療に対しては根拠の乏しい「治療法」が盛ん行われています。

非常に残念なことです。

一生懸命本人のために何とかしてあげようとして勉強している家族ほど、根拠の乏しい理屈にのめりこみ、結果全く解決しないという例をいくつもみてきました。

例えば心の病を持っている人に、その家族が「依存が原因だから、自立しなさい」と言っても、見捨てられ感が強まり、症状の悪化を招くことが多いと思います。

だいたいの症状は「依存」なんて扱わなくても十分に軽快します。
心の病気の症状の治療と「依存」を扱うことは別なのです(アルコール依存などは除きますが)。

「色んな治療法があるけれど、どの情報を信じたら良いのか」と思ったら、その治療法にエビデンス(科学的根拠)があるか、インターネットなどで調べてみましょう。

それに自立させたい時は、無理やり離れようとすることが唯一の方法ではありません。
説得し「正論」を本人に押し付けようとすればするほど、「自立」は遠のいていくことが多いでしょう。

「依存が問題」と思っている家族の方は、その考えから離れると解決策が見えてくるかもしれませんよ。

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依存と自立②―「自立している」と言われる場合

臨床心理士の鈴木です。

引き続き、前回とは逆のパターン。

想像してみてください。
30代の女性、仕事は優秀、経済的に自立して、比較的裕福、趣味を満喫し、周囲から「自立した女性」「強い人」と思われている。

周囲からは見たら「自立」し「問題がない」「孤独にも耐えられる」と思われがちです。

実際のところは「自立している」と周囲から見られていても、内心では孤独感や抑うつ感など悩まされているものです。
そのような人ほど周囲のイメージと本当の自分のイメージにギャップがあります。
職場では物事をはっきり言ったり、論理的に考える人なんかは特に、弱音を周囲に話せず、苦しんでいたりします。
つまり、「強い自分」を演じているために「弱い自分」を見せられないと考えてしまうのです。
こうなると、等身大の自分を認められずに、受診が遅れ、治療に時間がかかることもあります。

「一人で生きていこう」と思っても人間は孤独には耐えられないものです。
「強くならなきゃいけない」と考えても自分をさらに苦しめるだけです。
人間は人と人との繋がりがなくては生きてはいけません。
それほど人間は社会的な生物なのです。

このため単に「依存は悪い。自立が大事だ」ということでは、うまくいかないことも多いでしょう。
むしろ、そのような考えや言動が逆効果になっています。

次回に続く。

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依存と自立①―「自立していない」と言われる場合

臨床心理士の鈴木です。

どうも気になる言葉。
「依存」。
「依存が問題だ」と、患者さんや、その家族からも聞きます。

アルコールや薬物に対する依存は問題です。
対人関係の依存もいき過ぎると問題となります。

ただ、最近では「共依存」など、あまり役立たない概念が猛威をふるっています。
まるで依存が悪いかのようです。

実際のところ我々は、人に何らかの依存をしているものです。
特に家族や恋人など、特別な関係なら尚更です。

ここでよく問題となるのは、心の病になり、仕事ができず、家族の世話になっていて、なかなかよくならない場合、それを家族が「依存が原因だ」「甘えているのが原因だ」「自立できていないのが原因だ」として、本人に「自立しろ」と促すことです。
だいたいは失敗に終わります。

本人の「寂しい」「受け止めてもらいたい」「苦しい」という、メッセージを無視することとなり、さらに症状を悪化させます。
家族は「やはり自立できていないからだ」として「趣味をもちなさい」「仕事しなさい」と指示してしまいます。
そうすると本人は「わかってもらえない」と思うようになり、症状の悪化を招くのです。

ではどうすれば良いのでしょう。
「自立している」と思われる人間になればそれでよいのでしょうか?

次回に続く。

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カウンセリングQ&A②

臨床心理士の鈴木です。

今回はQ&Aです。

Q.どこにも通院していないのですが、カウンセリングだけ受けることはできますか?
A.可能です。お気軽にご相談ください。

Q.他院に通院中ですが、カウンセリングだけ受けることはできますか?
A..可能です。薬は他院、カウンセリングは当機関という方はたくさんいます。

Q.家族みんなで相談に行きたいのですが、人数が多くなると料金は高くなりますか?
A.料金は一人でも複数人でも変わりません。時間単位の料金となっています。

Q.カウンセラーは何人いますか?
A.現在のところ、臨床心理士は私一人で月曜~土曜日まで常駐しています。このため、誰が担当になるのか、何曜日に限定されるのだろうか、という心配はありません。

Q.混み具合はどうなっていますか?
A.平日はその日によって異なります。空いていれば当日でも予約は可能です。但し私が一人でやっているため、一日6組までとなっていますので、希望の日時がある方は早めに予約して下さい。土曜日は特に混みあいますので、早めにご予約ください。

Q.心の病気ではないかもしれませんが相談に行っても良いですか?
A.「心の病気」であってもなくても、何か解決したい問題があれば、まずはご相談下さい。例えば「なんとなく憂鬱だ」「家族が悩んでいる様子だがどうすればよいか」「会社の部下の仕事上のパフォーマンスを上げるにはどうしたらよいか」など、心理学、行動分析学的立場からアドバイスします。

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過食症の精神療法

臨床心理士の鈴木です。

今日は朝から夕方まで都内某所で勉強会でした。
早く到着したため、朝からランチの場所を探しウロウロしてました。

そのうち朝早くからやっている、たい焼き屋さんを発見。
朝から買う人はいるのだろうか・・・。
おやつに食べたいような・・・と葛藤しましたが、誘惑に打ち勝ち会場へ。

いつも思うのですが、この勉強会は年齢層が高いような気がします。
私が若手の方になっている感じです・・・多分。

今回は対人関係療法の勉強会で「過食症」についてでした。

対人関係療法は認知行動療法とともに、現在のところ過食症に対して効果が認められている方法です。
今のところは過食症についてはこの二つの方法以外で効果が認められている精神療法はなかったかと思います。

様々な書籍やサイトを見ると、「過食症は親の愛情不足によるもの」「心の傷によるもの」「アダルトチルドレン」「共依存」が原因と書いてあるものが多いのですが、そのような根拠はありませんし、そのようなアプローチが有効であるという根拠もありません。
残念ながらそんな根拠のないアプローチを実施するカウンセラーもかなりの数がいます。

過食症の方もそのご家族も、良くなるためには治療法に対して正しい知識をもつことが必要です。

もし、過食症の方で、そのようなカウンセリングを受けていて良くなっていないのであれば、認知行動療法や対人関係療法をしている機関を探すことを強くお勧めします。
もちろん、これから治療機関を探す方は、最初から認知行動療法か対人関係療法を実施している機関を強くお勧めします。

今回の勉強会もこじんまりとしていました。
しかも意外に臨床心理士が少なかったのが印象的でした。
欧米では効果が認められていても、日本での認知度は低いようです。
それでも最近になって対人関係療法が厚生労働科学研究に参加できるようになったとのことです。

私は認知行動療法が主ですが、うつや過食症の方に対しては対人関係療法を実施することもあります。
実施している機関が認知行動療法以上に少ないので、対人関係療法を受けるために遠方から来る方や、対人関係療法の専門機関から紹介されてくる方もいます。
早く対人関係療法が普及して過食症の方に役に立ってほしい。

過食症の方、そのご家族も、是非ご相談ください。

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強迫性障害の家族の対応

臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害の症状は様々です。
手洗い、鍵がかかっているかの確認を何度もしてしまう、などなど。

強迫性障害には行動療法が効果が認められています。
薬だけでも良くなっていくこともありますが、薬をやめるとまたもとに戻ってしまうことが多いと思います。

強迫性障害の治療は行動療法を行うことで多くの方の症状が軽快していきます。
行動療法という強迫性障害に対しては世界中でその効果が認められている方法を、患者さん側が知っているかどうかで、今後の人生が変わる可能性があります。
「そんな効果が認められている方法なら、どこの医療機関に行ったって必要なら勧められるだろう」と思うのは当然でしょう。
しかし、日本の精神医療の現状は残念ながらそこまでいっていません。
ほとんど治療効果が認められていないカウンセリングを長い間受けている方が多いと思います。

患者さんがお子さんならなおさらです。
よく箱庭をしたり、絵を永遠と描かせるなどを聞きますが、それは治療的効果に対して科学的根拠に乏しい方法です。
まだまだ日本ではそのような方法まかり通っているのが現状です。
患者さん自ら治療に対する正確な知識をもち、それができる治療者を探す必要性があります。

また、家族の対応を変えることにより回復が早くなることがあります。
強迫性障害の患者さんの家族は本人のかわりに確認などの手伝いをしてしまっていることが多いかと思います。
実はこの家族の行動が症状を維持、増大させるものなのです。

一時的に本人は楽になるかもしれません。
しかし、徐々に家族対し何度も確認を要求するようになり、家族も苦しくなります。
その結果、本人もさらにつらくなっているのです。

ですから家族は確認をしてあげる行為をやめなくてはいけません。
いきなりやると本人もつらいので、ポイントをカウンセラーと相談しながらやっていくのが良いでしょう。
このため私は1回だけでも良いので家族にも来談して下さるようお願いすることも多々あります。

強迫性障害で失うのは「時間」です。
多くの時間を、うつや不安を振り払うことに使っています。
それによって日常生活、趣味、仕事ができなくなり、将来への希望がもてなくなります。

何年も悩んでいる方は早めに行動療法を受けることをお勧めします。

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カウンセリングの普及

臨床心理士の鈴木です。

先日、保健所で精神医療関係の専門職、心の病を患っている方、その家族が集まる会議がありました。

「日本の精神医療は50年遅れている」というお話が出ました。

50年はややオーバーなような気がしますが、確かにハード面、ソフト面の遅れは諸外国から比べると否めません。

それと、やはり「心の病」に対するイメージも大きな問題です。

大きな事件が起こったときに、精神障害者がクローズアップされることがあります。
あれは精神障害者に対して歪曲したイメージを与えさせているような報道です。
決して精神障害者の犯罪率が高いということはありません。

心の病は誰でもなりうるポピュラーな病気なのですが、偏見が強いと受診が遅れたり、家族が「気の持ちようでなんとかなる」と考え、適切な治療を受けられないことがたくさんあります。

今回もほとんど臨床心理士の参加はなかったと思います。
もう少し臨床心理士も出てきてほしいですねぇ。

一般の方からみたら、心の病を診るみようなところは当然のようにカウンセリングの専門家がいるし、そのようなサービスが受けられるという印象があるでしょう。
実際はカウンセリングの専門家がいる医療機関は少ないものです。

まして海外のように、効果があるという根拠のあるカウンセリングが実施されている医療機関はごくわずかでしかありません。

今回の会議で残念だなと思ったのは、精神療法についてはほとんど触れられていなかったことや、精神医療に携わっている方でさえ、カウンセリングは「話を聞いてあげる」ことであるとしか思われていないことでした。

もっと臨床心理士がカウンセリングに対する啓蒙活動を行っていく必要性あるのでしょう。

日本が欧米並みの精神医療サービスを提供できるようになるのはいつになることでしょうか・・・。

やはり、がんばって勉強会などを通して効果のあるカウンセリングを広めていかなくては。

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