「 心理テストについて・実験 」一覧

就職試験の心理テストでは人を判断できない

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

春から新しく生活が始まった人がいれば、この時期来年の春に向けて就職活動している人もいますよね。

就職試験を受けていると、心理テストっぽいものが出されることがあります。

どうやら適性をみているようです。

困ったことにこの心理テスト。

実は妥当性・信頼性に乏しいテストを企業側がやっていることも多いのです。

企業の人事担当者は自信満々で
「この人は〇〇タイプだから、こうだ」
というのですが、そもそも信頼性に乏しいテストだったりするので見当違いなわけです。

何十年も前にできて、現在では科学的根拠がないと言われているテストを堂々と使っているような印象です。

しかも心理テストで得られた結果が、採用した後に合っていたかなんて検討していないことがほとんどじゃないかなぁって思います。

少なくとも私が会ったことがある社長さんや人事担当者の中で検討している人はみたことがありません。

「え?本当に?セミナーで偉い先生が言ってたよ」と思ったら実際検証してみるとどれだけあてにならないか、ということがわかるんじゃないかなぁ。
・・・って、実際に何人かの社長さんなどに言ったこともありますが、やっぱり今更検討することは躊躇するようです。

本当に効果がなかった場合「これまでやってきたことって、実はそれほど効果がなかった」
とは説明が難しいみたいです。

心理テストをやるとお金と手間がかかるので、結構無駄なことをしているなぁって思います。

心理テストが間違った方向に使われているのは残念です。

正しい使い方をしてもらいたいものですね。

そもそも数回の面接や心理テストじゃその人が将来どのような仕事っぷりをするかを証明できるわけはありません。

人間っていろんな錯覚をする生き物なんです。

人が人を判断する時は注意するところですね。

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他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます


思い込みが強い人?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

2つの問題がありますので考えてみてください。

Aさんは埼玉県在住。肌の色は白い。お酒が強くて、スノーボードが得意。
Aさんの出身は以下のどれが確率が高いでしょう?
①秋田県出身
②埼玉県出身
③鹿児島県出身

Bさんは世話好きで学生時代は友人の相談をよくきいていた。Bさんの職業で確率が高いのはどれ?
①臨床心理士
②医者
③事務

さて、どう考えましたか?

Aさんを秋田県出身
Bさんを臨床心理士
と考えた人いませんか?

そのように答えた人は要注意。

人をイメージで判断してしまう、または思い込みをしやすい傾向があるのかもしれません。

Aさんの場合、埼玉県に住んでいる人は秋田や鹿児島よりも、当然埼玉県出身が多いハズです。
ですから確率としては埼玉県人である可能性が高いわけです。
肌の色が白くて、酒が強く、ウィンタースポーツが得意という、イメージだけで決めつけているわけです。

Bさんの場合も職業としては医者や臨床心理士より事務をやっている人口の方が絶対的に多いため、確率としては事務の確率が高いわけです。

ピンとこない、という人は要注意ですよ~。

人間はものすごく主観的・直観的な生き物なわけです。

確率を無視して自分がもっているイメージで判断しやいもの。

考え方だっていろんな可能性があるのに、一つの考えに囚われやすいのです。

以前、人は客観的な数値よりも口コミを信じやすい、というものについて書きましたが、それと同じようなものです(下のリンクを参照に)。

「こんな人はこういう人」
と決めつけると、対人関係でもうまくいかないことがあるかもしれません。

気をつけましょうね。

思い込みやすい人はこちらの記事も参考に
体験者の声

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冷静な判断をするには

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

今回はどんな時に冷静は判断、よいパフォーマンスができるのかということについて。

とある心理学の実験。

7つの数字を見せ覚えてもらうように指示されて、
覚えている時に
・カロリーの高そうなケーキ
・あっさり味のフルーツサラダ
のどちらかを好きな方を選択したもらうと、ケーキの方を選ぶ確率が高くなるそうです。

他にも似たような実験があって、何か我慢させた後に作業をしてもらうと、セルフコントロールができなくなってしまう傾向になる、という結果がでてします。

いろいろ考えて頭の中が忙しい状態の時や無理をしている時なんかは、より直観的・衝動的・表面的な判断をしやすいといわれています。

仕事を忙しくやっている時についついカロリーの高いものを食べやすい、
ダイエットをしていると不機嫌になりやすい、
不安なことを考えている時はは凡ミスをしやすい、
というものが代表例。

睡眠不足の時やアルコールが入っている時と似たようなものです。

論理的・冷静な判断をしたい、と思った時は何か我慢している時や頭の中でグルグル考えている時ではなく、ある程度満たされている状態にしてからにすると良い、ということになるのかもしれません。

色々考えることが多すぎて疲れている時は、きちんと休憩をとってから判断をするとか。

夜に色々考えやすい人は、夜に判断しないで寝て翌日になってから判断するとか。

当たり前といえば当たり前のことですが、重要なことです。

実践できそうなことがあればやってみてください。

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「あんなにしてあげたのに」「何もしてくれない」と考える前に

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

今年もホワイトデーがやってきました。

ホワイトデーと言えば、お返し。

バレンタインでもらった人にお返しする人もいますよね。

人は何かをしてもらうと、それを返したくなるという「返報性の原理」というものがあります。

恩を売っとけば、何かしてもらえるってやつです。

しかし、恩を売るという行為。

心理学の実験では、
・恩を売られた方は時間が経つにつれて、やってもらったことに対する評価が低くなる
・恩を売った方は時間が経つにつれて、自分がやってあげたことの評価が高くなる
という結果が出ています。

う~ん、人間というものは自分の都合の良いように解釈する傾向があるようです。

カップルや親子での喧嘩で
「あなたは何もしてくれなかった」
「あんなに私はやってあげたのに」
ていうことありません?

人間関係を良好に保つためには、やってもらったことにはきちんと感謝し、自分がやってあげたことは謙虚にとらえることが必要なようです。

ホワイトデーに効果的かもしれない記事
・ホワイトデーのプレゼントの効果をあげるためには
・親切にしてあげると親切にされます

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一目ぼれは危ないかも

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

あまり考えずに直観的にやってみてください。

みなさんはどっちの人が好きですか?

Aさん
特徴:頭がいい、勤勉、直情的、批判的、頑固、嫉妬深い

Bさん
特徴:嫉妬深い、頑固、批判的、直情的、勤勉、頭がいい

どうでした?

Aさんの方が好きって思った人が多かったのではありませんか?

これは有名な心理学の実験なんです。

ハロー効果といって、目立ちやすい特徴に引きずられて、他の特徴が歪められる現象です。

好きな人ができると性格など知ってもいないところまで良い人だと思ってしまう、
ひとつ嫌なところがあると、全部嫌ってやつです。

実験をみてわかるとおり、特徴の言葉は同じで並び替えているだけです。

最初にポジティブな特徴がくると後のネガティブな言葉の印象も変わります。

その逆も同じ。

Aさんは頭が良くて頑固と
なり、
Bさんは頑固で嫉妬深く頭がいい
となると、ちょっと印象が違いませんか?

最初の印象で後の印象が歪められるわけです。

何事も最初が肝心ですよね。

心理学実験シリーズ、こっちの記事はもう読みました?
注意力のテスト?
・人はオンリーワンを望んでいない
・過去の記憶は作り出される?

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嫌だなぁっと思うことをやるには

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

宿題とか運動とかなかなか続かないものってありますよね。

そういうものをもっとやるようになるにはどうしたらよいか、ということについて書いてみます。

解決策の一つとして有名な心理学の原理「プレマックの原理」というものが使えるかもしれません。

ものすご~く大雑把にいうと、よくやっている行動の前に、あまりやっていない行動をやると、あまりやっていない行動が起きやすくなる、というものです。

例えば、よくゲームをしている子どもに、勉強をやった後にゲームをやるようにすると、勉強をやる頻度が増えるというものです。

これを応用すると、
よくコーヒーを飲む習慣がある人が、普段はあまりやっていない掃除をした後にコーヒーを飲むようにすると、掃除をよくするようになる、となるのかもしれません。

テレビをよく見ている人が運動を習慣づけたければ、運動した後にテレビをみるということをすればよいのです。

だから嫌だなぁ、面倒だなぁってことをしなくてはいけないときは、その嫌なことをした後に自分がよくやっている行動(できるだけ好きでやっていること)をすると、嫌だなぁとか面倒だなぁってことをやりやすくなります。

ホントかいな・・・と思うのもごもっともですが、こういうことはやってみるとわかってきます。

この原理は一回やったから効くというものではありません。

何度も続けていると変わってきます。

何か嫌だなぁとか面倒だなぁ、と思うことがある場合にお試しください。

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最初にポイントをプレゼントする理由

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

先日某有名チェーン店のたこ焼きさんでたこ焼きを食べました。

たこ焼き買ったらスタンプカード渡されて、

「おまけしときますね~」

と一つしかスタンプ押さないところを5つ押してくれていました。

これで「ラッキー」

と思った人は注意ですよ~。

当然私はこの店員さんと知り合いでもないので店員さんの好意で押してくれているのではありません。

これには心理的なからくりがあるわけです。

いろんなお店でつかわれている心理テクニックなんですけどね。

例えば

「20回スタンプ集めたらたこ焼きサービスなんだけど、今回本当は一個なんだけど5回分押しときますね~」

というのと

「16回スタンプ集めたらたこ焼きサービスなんですよ~、今回は一個買ってくれたから1回分押しとくね~」

というのとでは、どっちが効果があると思います?

どちらも15個のスタンプを集めなくてはいけないのですが・・・。

これは前者のやり方の方が売上が早く上がることが、心理学の実験で示されたんですよ。

人は一からスタートするよりも「もうスタートしているんだよ」と思った方が目標を達成しようとする傾向があると考えられています。

ですからこんな感じのことをするんですね。

あと「おまけしてくれたんだー」と素直にとるとその店に好意がわきます。

店員さんはどこまでわかっていてやっているはわかりませんけど。

いろんなポイントサービスにもあてはまりますよね。

最初のおまけのからくりがわかっておくと、お店や企業側の意図がわかりますよ。

ちなみにこの手法は子どもや企業の教育なんかでも人を動かすテクニックとして使えることがあります。
また今度の機会に書きますね。

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人はオンリーワンを望んでいない

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

今回は本当にオンリーワンが良いとおもっています?という話題。

人はそれぞれオンリーワンの存在だ・・・といわれています。

そんなことからかある心理学の実験では、
「あなたは多数派ですね」
と言われた人は自尊心が傷ついた人が多かったようです。

人よりとびぬけた能力があると思いたい人は特にそうかもしれません。

「あなたの意見はよくあるものだよね」
「あなたみたいな人ってよくいるよね」
と言われてなんとなく嫌な気分になったり、「想像力がない」とか「自分がない」と悩む人っていませんか?

人は自分がその他大多数とは違った能力、観点がどこかにありオリジナリティ豊かだと思いたいという傾向があるようです。

しかし、
「そんなことはない。自分は人と違っていることで傷ついてきた」
「あなたのような人はたくさんいる、と言われた方が安心する」
という人もいるでしょう。

心理学実験でそういう結果が出ているものがあります。
「あなたはあまりにも変わっていて、分類不可能です」
といわれても自尊心が傷ついた人が多かったのです。

またある実験では
「ややユニーク」
ということに対して評価が高く
「非常にユニーク」
ということに対しては低い評価を下すという傾向があったそうです。

「あなたは独特ですね」
「あなたって本当に変わりものだよね」
と言われたら嫌な人もいますよね。

つまり人間は
そこそこ独自性があり、
そこそこ人と共通しているところがある、
というものを望む傾向があるようです。

自分はオンリーワンの存在という考え方も悩ましいものですね。

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音楽を聞いただけで頭がよくなる?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

以前「モーツアルト効果」というものがはやったことがあります。

モーツアルトの音楽を子どもに聞かせると学習能力が高まる、といったものです。

CDなんかが出ていましたよね。

今でもやっている人もいるのではないでしょうか。

しかし、私がこの話題を出したってことは・・・そうです。

モーツアルト効果は否定されました。

はじめはある研究チームが発表したものにすぎなかったのですが、メディアが大きく取り上げたんですね。

一気に世の中に広まって一大ビジネスとなりました。

その後世界中の研究チームが追試験を行ったんです。

そうしたらどの研究でも効果が認められませんでした。

科学的には否定されましたが・・・。

効果が認められなかったことはメディアには取り上げられることはありません。

だから今でも効果を信じている人が多いわけです。

もちろんモーツアルトを子どもに聞かせることは悪いことではありませんので。

クラシックに興味を持たせる目的であれば良いと思います。

ちなみにどんな音楽を聞いたら成績は上がるのか?

参考になる実験結果があります。

その一つは好きな音楽を聴くということです。

結構みんなやっていることですよね。

効果的なことを自然にやっていたんです。

ただし音楽自体が成績を上げるのではなく、気分が良くなった結果である、と考えられています。

音楽を聞いていたら成績が良くなるだろう、とは思わず、地味に勉強しましょうね。

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あなたは平均以上?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

うつっぽくなると「自分のことを人並み以下」と自己評価が低くなりがちです。

しかし、心理学的実験からは勉強、スポーツなど色んなジャンルで「自分は平均以上」と思っている人が多いという結果が出ています。

これを「平均以上効果」といいます。

自信家の人は要注意です。

ある心理学実験からは、実力のない人ほど自分の実力を客観視できない、というデータが出ています。

勉強なりスポーツなり仕事なりをやり始めて、少しずつ結果を出してくると自信がつきますよね。

「自分はできるんだ」と自信過剰になってしまう人っていません?

それは「平均以上効果」なのかもしれません。

そういう人はあまり好かれないようですし、あとで壁にぶつかるようです。

自信がない人からみれば、自信がありそうな人はうらやましいと思うかもしれません。
しかし、自信があるという「思い込み」かもしれませんので、ケースバイケースですね。

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