ストレスで心の病気にならないために知っておくべき4つのコト

浦和すずのきクリニックの鈴木です。

ストレスはほっとくと心の病気につながることが多いため、普段から対処をしていくことが大切。

ストレスがたまってからの対処だとある日ポキッと心が折れて「朝おきたら体が全然動かなくなった」など手遅れなことが多いのです。

ところが具体的に何をすればストレス対処になるのか?を知らない人は多いのではありませんか?

「気分転換すればよい」など、ストレスがたまったら何をすればよいか?ばかりの情報になってはいるのではありませんか?

そこで今回はストレスに対して普段からどのような対策をしていけばよいかを紹介します。

ストレスによる心の病気を防ぎたい!って人は是非実践してください。

 ストレス解消なんてできるわけがない!

ストレスって解消できません。

生活する上でストレスフリーなんてことはまずないですし、ストレス解消法みたいなのをやっても和らげることはできても、なくすことはできません。

ストレスがなくなる方法を求めているうちはストレスがなくならないことにずっと悩みます。

よく「どんなストレスがきても何も気にならないように強くなりたい」と、心をマッチョにすれば悩まなくなると思っている人もいますが、そんな方法はありません。

書籍なんかで「悩まない方法」「人目を気にしない方法」などありますが、そんなオイシイ方法があるわけがない。

ポジティブに考える訓練すればなんとかなるなんてこともありません。

断言できます。

むしろ悩んでしまう弱い自分を否定してしまい「悩む自分はダメなんだ」と考え、自己否定になりがち。

人は傷つくし、悩む生き物なんですよ。

生きていればストレスはあります。

ですからストレスは解消するものではなく「距離をとったり、考え方の幅を広げたりして、付き合っていくモノ」としてとらえた方がうまくいきやすいです。

ストレスはゼロにできなくても、囚われて生活に支障がないように管理できればOKくらいに考えましょう。

以上のことをふまえて次の4つのことを普段の生活で実践してくとよいです。

早速説明に移ります。

 1.心の状態を普段から把握する

「今日はなんかだるいなぁ」など体の調子については、普段からチェックしている人もいますよね。

「今日はだるいから、お酒は控えておこう」とか、調子がわるければ「お酒を控える」「最近仕事やりすぎだから無理はしない」など対処ができます。

心も同じ。

普段から「心の調子」を把握して、不調ならば早めに対処しておくことが大切。

体と同様、心の状態は常に一定ではありません。

「まぁまぁ」「絶不調」「好調」と変化します。

ストレスを管理するということは常に好調を維持することではありません。

それができたらよいのですが、まず無理です。

だから様々な心の状態があることを受け入れ、それぞれに対処していくことが大切。

ダメな時は無理をしない、好調な時であったとしても調子に乗りすぎないなど普段から心の健康チェックと対処をすることで安定しやすくなります。

ここで気をつけたいのは漠然と調子を把握するのではうまくいかないということ。

日々に生活に流されてあっという間にやらなくなります。

おススメなのは手書きでも良いですし、スマホでもよいので日々の心の状態を書き留めておく方法。

書くメリットととして以下のことが挙げられます。

・後で見返すことができ不調の原因や調子の波を把握しやすい

・心の調子に意識を向けやすくなり不調な時に対処しやすい

・客観的に自分の調子を把握できる

何を書き留めるかについては色々ありますが、一番簡単なのは「○月○日 -3」など、-5(絶不調)~0(普通)~5(絶好調)と数字を決めて書く方法。

数字にしておくとグラフ化もできますし。

小学生の時に学校でやっていた健康管理のように地道にやっていくとよいです。

 2.何がストレスになるか把握する

「自分が○○についてストレスに感じているんだ」ってことを知っておかないと対処しようがないので何がストレスになっているかリストアップしておきましょう。

「何がストレスになっているか?そんなの簡単」と思ったかもしれません。

もちろん大きなストレスはわかりやすいでしょう。

しかし、小さなストレスの積み重ねには気づきにくいもの。

仕事のこと、家族のこと、お金のこと、将来のことなど小さなストレスがいっぱいありますよね。

普段からのストレス対処はこのような小さなストレスを大きくしていかないことが大切。

大きなストレスが来た時に小さなストレスが積み重なってつらくなっていると対処できなくなるから。

ストレスといって嫌なことだけとは限りません。

会社での昇進、進学、結婚、引っ越し。

周囲からみたらポジティブなことであってもストレスの要因となります。

結婚にしたって、新生活に準備や結婚式の調整、お金の問題、「この人で大丈夫なのか?」と将来への不安など「マリッジブルー」と言われる状態なります。

宝くじで数億円あたったとしても「誰かに盗まれるのでは」などストレスになるかもしれませんし。

このため普段からストレスになっていることを書き出しておきましょう。

これも頭の中でやるのではなく「書き留める」ことを意識するとよいです。

 3.ストレスによって起こりやすい症状を把握する

ストレスによってどのような症状が起こるかは人によって違います。

「休日でも仕事のことばかり考える」ことから「過食してしまう」までいろいろとあります。

ストレスによって自分がどのような症状がでやすいか知っておくことで「過食しているということは、最近疲れているのかもしれないから、無理しないようにしよう」など早めの対処がしやすくなります。

自分の症状を把握する時は「思考」「体」「行動」の3つにわけてリストアップするとよいです。

それぞれ例を挙げます。

「思考」

マイナス思考、同じことをグルグル考える、全てが楽しくないと感じる、何も考えられない、イライラ

「体」

胃痛、頭痛、動悸、吐き気、発熱、眠れない、疲れやすい

「行動」

過食、ギャンブル、買い物のしすぎ、飲酒量の増加、喧嘩が増える、リストカット

これらのことも書き留めておきましょう。

 4.自分なりのストレス対処をリストアップする

「ストレスがたまっているかも」と感じた時に何をやればよいか?については、「自分にとって何をすることが効果があるか」を検証してくことが必要です。

インターネットや書籍などで「これをやればストレス解消できる!」なんてものがありますが、万人に有効なものなんてあるわけがありません。

「これをやったらストレスがなくなる!」というものではなく、「これをやると少しマシ」ってものをたくさんあったほうがよいです。

「質より量」で考えて下さい。

量がないと「散歩やってもダメだったから、もう対処できない」と追い詰められやすくなるので。

普段の生活の中で自分がやっていることを思い返すとよいです。

思考と行動とわけて考えるとわかりやすいですよ。

思考のストレス対処の例

・「なんとかなる」と考える

・考えているマイナス思考は本当か?と考える

・考えは置いておく

・楽しいことを考える

・好きな人のことを考える

・旅行の計画を立てる

行動のストレス対処の例

・アロマをかぐ

・スポーツをする

・おいしいものを食べる

・友人とおしゃべり

・散歩をする

・好きなタレントの動画をみる

・ゲームをする

え!こんな対処でいいの?と思ったかもしれません。

良いのです!

普段からやることなんで気軽にできるものでないとダメなんです。

これらの対処が効果があるかどうかはやってみないとわかりません。

やってみて良いと思ったら、ストレス対処のレパートリーに付け加えておきましょう。

これを普段から試して、ストレスがたまった時のために対処法をたくさん溜めておくとよいです。

書き留めたものは困ったときにすぐ思い出せるように持ち歩いたり、スマホにメモしておくと対処しやすくなります。

注意点としてはストレス対処は落ち込んでいる時に「何をやろうか」と考えるのはうまくいきません。

ストレスがたまっているときは思考の幅が狭くなっていて、ダメなのです。

普段からストレス対処を書いて準備しておき、ストレスがたまってきたらそれを見て対処する方がうまくいきます。

ストレスへの対処は、ストレスが少ない時に考えておきましょう。

 まとめ

今回説明したことは、ストレスマネジメントの基礎中の基礎です。

まずこれらのことができてからじゃないと、何をやっても中途半端で終わり、「もっと良い方法があるはずだ」と自己啓発書や心理学の本を読みあさるだけになるでしょう。

どんな方法をやっても1ヶ月やったらどうこうなるものではなく、一年くらいは続けると効果が出やすいです。

地味な方法であるが大切な作業なのでがんばって続けましょう。

バランスの良い食事や適度な運動が長期的に考えれば大切なことであるように、普段からストレスマネジメントをすることはとても大切なのです。
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