強迫性障害の治療期間ってどれくらいかを説明します

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害の治療期間はどれくらいかかるのか?

もちろん、人によって違います!って結論なのですが、「だいたいみんなどれくらいかかっているのかなぁ」ってこと知りたいですよね。

そこで、統計的なことはちょっとわかりませんが、どれくらい治療に時間がかかるか?

強迫への効果が実証されている、薬と認知行動療法でざっくり説明していきます。

これから治療を受けようと思っている人は参考にしてください。

 薬物療法なら年単位

多くの人が薬物療法を最初に試すと思います。

薬の場合効きはじめるのに2週間~一ヶ月は最低かかると言われています。

その後、量を増やしたり、別のお薬を追加したり、変えたりして様子をみます。

そうすると、数ヶ月~年単位になります。

薬が効かないって人の中にはちゃんと飲んでいなかったり、十分に効きはじめる前に止めてしまう人もいるんですよね。

だから、あせらず様子を見ていきましょう。

ただしお薬は半分くらいの人はあまり効きません。そういう時は、認知行動療法など他の方法を考えてみるのも手です。

また薬は再発率が高いです。数ヶ月以内にで半分以上は再発すると言われています。

このため、薬が効いたとしても数年単位で飲み続けることとなります。

お薬をやめたいと思ったときは、次に説明する認知行動療法を組み合わせてやることで、再発率をおさえることができるかもしれません。

認知行動療法なら短期間で治療が可能な場合も

認知行動療法は強迫性障害に最も高い効果が出されている方法です。

再発率も低く、強迫性障害の人はやらない手はありません。

「治療期間」を「日常生活に支障がない程度」にするまで、というのであれば1~2ヶ月でそれくらいまでいく人はいます。

ただし、それは少数派でかなりがんばらないと短期間では終わりません。

またこの時点では強迫症状はまだ残っているので、仮にカウンセリングを受けなくても引き続き自分で練習をしていくことが必要です。

ダイエットでいえば、「2ヶ月でこの体に!」っていうイメージでしょうか。

ダイエットに成功しても、その後も継続しないとすぐに戻ってしまいます。

また無理に短期間で終わらせようとすると、高いハードルを設定して不安に耐えきれず、「二度と認知行動療法なんてやりたくない!」となる可能性があります。

あせらずすすめていった方が、結果的に治療期間が短くなることが多いです。

ちなみに、治療が終わってからも時々カウンセリングを受けることで再発率が下がるという研究結果もあります。

短期間で改善しても、時々カウンセリングを受けるとよいでしょう。

多くの人はゆっくりやったほうが無難

認知行動療法でも多くの人は3~6ヶ月以上はかかる可能性があります。

数年単位の人もいます。

よく効果の研究でやられているプログラムは週一回の15回前後のことが多い印象です。

少なくともそれくらいはかかっても全くおかしくないと思った方がよいです。

少しずつ着実に進めていくなら数ヶ月~数年単位で見ましょう。

ダイエットでいえば、無理なく少しずつ運動習慣をつけて、適度な食事に慣らしていくイメージです。

これまでの考え方や行動のクセを変えて、定着させるためにはそれくらいかかるのは想像できますよね。

薬と認知行動療法でどれくらいの人が改善するかについてはこちらの記事に書いているので参考にしてください。

まとめ

以前は「治らない病気」と言われいた強迫性障害ですが、現在は認知行動療法で多くの人が改善することがわかっています。

短期間で劇的に良くなる人もいますが、薬にしろ認知行動療法にしろ、治療についてはあせらずじっくり取り組んでいった方が無難かと思います。

認知行動療法は効果的な方法ですが、一人でやってもうまくいかないことも多いです。

上手くいかな時は専門家のもとでやることで治療期間が短くなる可能性があります。

早めに相談しに来てくださいね。

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