嘔吐恐怖症を悪化させる原因をチェック 逃げると怖くなります

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

吐くことが怖い、嘔吐恐怖症を悪化させてしまう原因があります。

それは不安な状況から逃げる行動をとること。

逃げると不安は強くなるから。

この部分を改善していくことが、克服のカギになります。

この記事ではなぜ不安な状況から逃げることが悪化するのか?

どのようにすればよいのか?について、書いていきます。

逃げるのをやめ、うまく不安と付き合っていくことで嘔吐恐怖症は良くなっていくので、自分の逃げの行動をチェックしてみてください。

基本的なことを知っておきましょう。

不安は避ければ避けるほど怖くなる性質があります。

避けていると「不安なことを避けてなくても大丈夫だった」と経験できることができないからです。

ですから、不安なことを避けていて「突然治った」ということはありません。

治すためには、

・不安な場面をリストアップ

・不安な場面に挑戦

この2つが必要となります。

まず、不安場面のリストアップについて説明します。

 避けている状況・場所をリストアップしてみましょう

嘔吐恐怖の人がよく避けがちな状況があります。

代表的なものを挙げていきます。

・こってりとした食べ物

・居酒屋

・トイレ

・週末の電車(吐いている人がいそうだから)

・週末の駅

・満腹感

・お酒

・妊娠(つわりが怖い)

・吐いている画像

・ノロウィルスにかかっている人がいそうな場所

・酔っ払い

・飲み会、パーティ

・薬(副作用で吐くのが怖い)

このほかにもたくさんあるでしょう。

自分が避けていることをリストアップしてみましょう。

不安の挑戦の仕方

避けていると、嘔吐恐怖は悪化していきます。

そして、どんどん生活範囲が狭まっていき、人によっては食べられなくなりやせ細ってしまう人もいます。

そうなる前に治療を始めていきましょう。

対策は不安な状況を避けずに直面していくことです。

そうすることで吐くことへの不安が小さくなっていきます。

最初は、不安で吐きそうでつらいかもしれません。

しかし、何度もやっていくと不安のピークは下がってくるものです。

ジェットコースターが苦手な人でも、何度も乗っていると慣れてくるのと一緒です。

当然、いきなり怖いことやっても「怖い」となるでしょう。

難しいと感じる時は、不安の小さいところから少しずつ挑戦していくとやりやすくなります。

自分のリストアップした避けている場面に、怖さのランキングをつけてください。

0が全く怖いない、100が死ぬほど怖い、として数値をつけていきましょう。

例えば、脂っこい食べ物が不安であったとしましょう。

脂っこい食べ物といっても、怖さにランキングがありますよね。

ラーメン、カレー、肉、ピザ、パスタ、など。

ラーメン 80、カレー 70、ピザ 60、焼き肉 100、パスタ 50

といった具合に数値をつけます。

その中でもさらにランキングがありますよね。

例えばパスタといっても、和風パスタとカルボナーラでは不安の強さが違うかもしれません。

不安の小さい和風パスタから挑戦していって、少しずつ不安のレベルを上げてカルボナーラに挑戦していくと良いでしょう。

 不安に挑戦する時のコツ

ここでのコツは、2つあります。

1つ目は覚悟がないのにいきなり強い不安場面に挑まないことです。

いきなり強い不安にさらされて、やっぱり怖いと思って逃げ出すと、不安はもっと強くなります。

そうすると「2度と挑戦したくない」と、心が折れてしまいます。

低いハードルでもよいから、避けずに何度もやっていきましょう。

2つ目は何度も間隔を空けずに挑戦すること。

できれば週に2~3回は挑戦することをおススメします。

月に一回だけ挑戦、ってことをしてもあまりよくなりません。

体を鍛えるのに月一回だけ筋トレしても、なかなか筋肉がつかないのと同じです。

やらないよりマシですが。

 まとめ

嘔吐恐怖の人はまず避けている状況をリストアップしてましょう。

リストアップしたら、それぞれ点数をつけて、点数の低いところから不安な場面に挑戦していくとよいです。

何度もやっていくうちに不安感は小さくなってきます。

なかなか一人で挑戦できない人は、私のところに相談しに来てくださいね。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。