浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
メールを送ったけれど、返信が来ない。
LINEを送って既読はついているけれど返信がない。
あなたはこんな時どう考えますか?
「嫌われているのではないか」
「自分のことを大事に思っていないのではないか?」
こんな風になんでもマイナスに考えていないでしょうか?
マイナス思考に悩む人は多いです。
そんな人がプラス思考になろうとしてもムダ。
「プラスに考えられない」とマイナスに考えるだけ。
ではどうすればよいのか?
マイナス思考の改善には認知行動療法というやり方が役に立ちます。
この記事では認知行動療法の考え方をもとにして、メールやLINEで返信がなかったことを例に、マイナス思考をどう改善していけばよいかについて紹介します。
マイナス思考になっている時は、一つの考え方にこだわっているものです。
メールの返信が来なかったら「絶対、嫌われているに違いない」と。
確かに、嫌われているかもしれない。
否定はしません。
しかし、本当にそれだけでしょうか?
他の可能性はないか?を考えてみましょう。
例えば、このような可能性だってあるでしょう。
・忙しくて返信ができないかもしれない。
・一度メールは見たけれど、あとで返信しようと思って、そのままにしておいたのかもしれない。
・そもそもすぐに返信する習慣がない。
他の可能性だってあるわけだから、「嫌われている」というマイナスの考えにこだわらなくたっていいのです。
「自分ならメールやLINEを見たらすぐに返信する」と考える人は、注意した方がよいです。
自分の考えと他人の考えは違うもの。
すぐに返信しないからといって、悪意があるとは限りません。
「嫌われている」以外の解釈の仕方はないか?と自分に問いかけることにより、考え方の幅が広がっていきます。
そうすると「他の可能性もあるかもしれない」と少し自分の考えが客観的にみられるようになり落ち着きやすくなるのです。
「返信を忘れているだけかもしれない」と考えてもすっきりしないでしょう。
筋金入りのマイナス思考の人は「やっぱり嫌っている可能性が高い」と考えるハズです。
なぜなら「返信を忘れているかもしれない」というのも可能性の一つにすぎないから。
するといつものパターンにはまります。
このような場合は「どの考え方が正しいのか?」ではなく「どの考え方だと自分が楽なのか?役に立ちそうなのか?」と考えてみましょう。
・「嫌われている」
・「返信が遅れているだけかもしれない」
どっちの考え方をする方が楽でしょうか?
可能性としてはどっちの可能性があるのだから、正しいかどうかはわからない。
それなら「楽」「役に立つ方」を選んだ方がいいですよね。
それぞれの考え方の「メリット」「デメリット」を考えてもよいでしょう。
それぞれ書き出してみてください。そしてどっちが役に立ちそうか選んでください。
「嫌われている」と考えるメリット・デメリット
「返信が遅れている」と考えるメリット・デメリット
この選択では多くのひとが後者の方が楽と選んだのだと思います。
もちろん前者が役に立ち、楽ならば前者を選んでもよいでしょう。
考えの選択肢があったら、どっちが正しいかどうかではなく、どっちが役に立つかどうか?と問いかけてみましょう。
そうするといつものマイナスパターンから抜け出しやすくなります。
「返信が遅れているだけかもしれない」と考えた方が楽かもしれない。
しかし、やっぱり嫌われていると嫌だし・・・ってとらわれ続けるのもマイナス思考の証。
ここまで書いておいてなんですが、マイナス思考を考え方でなんとかしようとするには限界があるのです。
こういう時は、マイナス思考が本当かどうか確かめてみるとよいでしょう。
体験してみれば、考え方もかわりすいもの。
メールの返信が来なくて嫌われていると思うならば、次に会ったとき「おはよう」って挨拶して下さい。
相手はどんな反応でしょうか?予想してみましょう。
「嫌っているから無視される」「目を背けてそっけない態度をとる」と思うかもしれません。
それが本当かどうか実験してみましょう。
そうすればマイナスの考えが合っているかどうかがわかります。
実際にやってみるとマイナス思考は現実的ではないことが多いです。
そうすると「自分って考えすぎのクセがあるかもしれない」と、客観的に考えられるきっかけになり、マイナス思考にとらわれにくくなるのです。
マイナス思考を改善するには次のことをやってみましょう
・別の考えがないか?を検討してみる
・どの考えが役に立つか?と問いかける
・マイナス思考が本当か実験してみる
うまくいかない時はカウンセリングに相談しに来てくださいね。
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