本当に怖いことが起こったらどうするの?加害恐怖の克服方法 

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害の加害強迫は「人に危害を加えるのでは」と不安になる症状です。

道を歩いていると「転ばせたのではないか」と考えて何度も振りかえる。
車で「誰かひいたのではないか」と考え、同じ道に戻るとか。

基本的な克服方法は自分が不安で避けてきたことをあえてやることです。
あえて道の真ん中を手を大きく振って歩いて振り返らずそのまま歩く練習なんかをよくします。

ここでよくある疑問。
「病気を治すために人を危険にさらすことってどうかと思うんです」
本人にとっては不安に挑戦することが危険行為になっているのです。

この質問の発想自体が強迫性障害側の主張なんですね。
道の真ん中で手を振って歩くのを「危険」って判断しているので。

強迫じゃない人であればそのような発想はないですし、あっても「まぁそんなことあるかもしれないけれど・・・」となります。
ところが強迫の人は0.001%でも可能性があると判断すると「危険」と判断して、動けなくなるんです。

よく「本当に何かあったらどうすればいいんですか?」と対処法を他人に求めるのも強迫の特徴です。
「何かあっても安心って保証をしてくれ」っていっているんです。
安心を求めているので、この質問自体が強迫行為なんですよね。

100%の安心を得ることなんてできないので、永遠に不安のままです。
飛行機が怖い人に「飛行機が墜落しないって保証してください」っていわれても、そんなことできないと同じ。

加害強迫は不安が過度になっている状態といえます。
治療は過度な不安をとっていくこと。
「確認しなくても何も起こらなかった」って頭で理解することではありません。
いろんな可能性があることを受け入れ、フツウに過ごすことが治療となります。

安全か危険と白黒つけようとすると強迫は悪化します。
グレーの部分を受け入れて生活していきましょう。

「そんなことなかなかできない」って人は、相談に来てくださいね。

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