「 2016年04月26日 」一覧

不完全恐怖を克服する3つのこと

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害のタイプで不完全恐怖があります。

こんな症状。

・家具が少しでもズレていると嫌
・本がきっちり順番通りになっていないと嫌
・言葉の定義にこだわる
・ネットで調べて、最初調べていたのとは関係のないところまで調べる
・医師やカウンセラーの言っていることを正確に理解しているか、自分の言っていることが正確に伝わっているかをしつこく確認
・歯磨きや着替えを自分の思う通りに完璧に行えているか
・きちんとお金を払ったかどうか不安になり「さっき払いましたよね」と確認する
・相手が自分の思った通りの反応をしないと、100%納得いく反応をするまで何度も言わせる
・途中で話しかけられるなど雑音がはいるとやり直し

お薬がなかなか効かなって人多いんですよ。
そりゃそうで、強迫に対しては半分の人はあまり薬が効きません。
ですから、薬以外の治療法である認知行動療法をやる必要があります。
そもそも認知行動療法の方が薬よりも治療効果は高いですし。

強迫性障害の治療方法の比較についてはこちらの記事をご覧ください。
・強迫性障害はどれくらいよくなるの?薬と認知行動療法の比較

モヤモヤさせるのが治療

不完全恐怖は100%のスッキリ感をもとめています。
中途半端にすると、ものすごく嫌ですよね。
その中途半端な嫌な感覚に慣れていくことが治療となります。

以下の3つのことをしてみましょう。

1.スッキリしない、モヤモヤした嫌な感覚になるようなことをする

どうすればスッキリしない感覚になるか考えてみましょう。

例:
・本を順番通りに並べないと気が済まない人はグチャグチャにしてみる
・入浴の時に体を洗う順番が決まっているのであればワザと違う順番でやってみる
・支払いの時にきちんと払ったか不安で確認していた人は、確認せずにそのまま支払いをする

ちょっと極端かなぁって思うことをやっていくといいです。
ここを間違うとあまり効果のない治療となります。
医療機関に行っている人でも適切でない指導を受けていることが多いです。
この辺りは専門家と相談しながらやらないとわかりにくいかもしれません。

2.強迫行為をしない

これまでやってきたスッキリするようなことをしなければよいです。
繰り返し行動や確認をしている人はそれをやらないとか。
ただし、強迫行為をしないというよりは1のモヤモヤすることをしていくことが大切です。
〇〇しない、って目標設定をしないようにしてください。
こちらの記事に詳しく書きました。
・強迫行為を我慢するだけでは克服できない

3.嫌な感覚を持ちつつ日常生活を続ける

嫌な感覚を起こしたらそのまま行動を続けます。
すっきりしないまま、モヤモヤしながら生活をしていきましょう。
我慢できないといって途中でやめると、我慢していた分もっとやりたくなるので、注意しましょう。

まとめ
1~3をやっていけば良くなってきます。
一人でやるとわからないことや間違ってやっていることが多いのです。
できるだけ相談しながらすすめて下さい。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。