広場恐怖症の克服方法 パニック障害の治し方

浦和すずのきクリニックの鈴木です。

典型的なパニック障害では、パニック発作が起こることを恐れ、行けなくなる場所が出てきます。
バス、電車、会議室、レジ、美容室、映画館が代表例。

特定の場所を不安で避けるようになることを「広場恐怖症」と言います。
一般的な意味での「広場」が怖いわけじゃないですよ。
むしろパニックの人は狭くて逃げられない場所が怖いかと。

この広場恐怖症の克服方法をご紹介します。

薬は広場恐怖症に直接は効かない

パニック障害でお薬を飲んでいる人もいるでしょう。
お薬の役割は発作を少なくしていくことが主な役割です。

ということは、発作がマシになったとしても「電車にのるとどうなるんだろうなぁ。怖くて乗れないなぁ」って思って不安な場所を避けていると、広場恐怖症は克服できません。

不安な場所に行って大丈夫か確かめないと、そりゃいつまでたっても安心できないですからね。
このため克服するためには、その場に行ってみることが必須なのです。

どのように克服していけばよいの?

まず自分が怖い場所をリストアップしてみましょう。
電車、バス、飛行機、人混み、美容室、歯医者など。

リストアップしたら怖さの数値をつけてみるとよいです。

0が全く怖くない。
100が一番怖い。

さらに同じ場所でも条件によって怖さが変化しやすいですよね。
例えば電車怖いとします。
一人だと不安が強いけれど、知っている人と一緒なら少しマシとか。
普通電車はマシだけれど、快速、特急、新幹線と停車駅が少ないほど怖いとか。

条件ごとに不安の強さをつけていきましょう。

不安場面に挑戦する

リストアップした不安場面については、実際のところどこからやっても良いです。
恐怖心の強い人は不安が一番弱いところから始めてるとやりやすいですよ。
不安が50くらいのところからやったり、いきなり100のところからやるでもよいです。
弱め~50くらいまでから始めるのが無難ですね。

挑戦する時の心持ち

不安場面にいくとすごく不安になるかもしれませんし、思ったよりも大丈夫と思うかもしれません。

不安場面でやることの古典的な例は呼吸法です。
呼吸法といってもいろいろあります。
これが役に立っていればそれでよいです。

しかし、逆に息苦しくなるパターンを多々あるんです。
実は呼吸法などリラクゼーション法はパニック障害を克服する上で必須ではありません。
むしろリラックスにとらわれてなかなかうまくいかないパターンも多々あります。
そういう場合はほかの方法を学んだほうがよいです。

どちらにしろ覚えていたほうがよいのは「パニック発作では死なないし、おかしくなることもない」ということ。
こちらの記事に詳細は書きました。
安心してください。パニック発作では死にませんよ

何回もやっているうちにだんだんと不安に慣れてきます。

何回やってもなかなか克服できないと思ったら

何度やっても不安に慣れてこないって人もいます。
そういう人は不安克服の仕方に問題がないかチェックしてみましょう。
①不安がマシになる前に挑戦を終えている。
電車にのって「不安だから一駅で降りよう」ってのをずっとやっていも良くなりません。
最初のうちは良いのですが、どこから長い時間のっていなければなりません。
十分な時間不安にさらされているか?をチェックしてください。

②安心グッズを持ち歩いている
不安に挑戦するとき、水、フリスクを持ち歩いていませんか?
薬を持ち歩かないと不安ではありませんか?
これは安全行動といわれているものです。
安心グッズを持ち歩くと、挑戦するときの効果がかなり弱くなります。
これについてはこちらの記事を参考に
パニック障害の方、手ぶらで外出できます?

なかなか勇気がでないって思ったら

不安に挑戦しなくてはいけないのはわかった。でもやっぱり怖い。
人間ですからそれもまた仕方のないこと。
そんな時はこちらの記事を読んで、勢いをつけてください。
 事例で学ぶ!パニック症の人が飛行機に乗って海外旅行に行けるようになった3つの理由

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