「一回だけ」が確認強迫を悪化させる

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

カギの確認、ガスの確認、コンセントの確認。
外出する時に何度も確認してしまい、なかなか自宅から出られない強迫性障害の確認強迫。
この連休に遠出する人は怖いですよね。
外出する時の確認が多い人は自宅から離れている時間が長ければ長いほど、不安が強くなる傾向があります。
そんな人に一つアドバイス。

「一回だけ確認」ってやっているとなかなか良くなりませんよ!

「一回だけ」が落とし穴

一回だけ確認しよう。
このやり方はいかにも良いように見えます。
しかし、よく考えてみてください。
それで失敗しているハズですよね。

一回だけ確認って、ハードルが高いんです。
だって「一回だけ」ってやってしまうと、もっとやりたくなるから。

よく「確認の回数を減らそう」ってやっている人がいます。
がんばれば回数は減っていくんですよ。
だからこのやり方は正しいと思ってしまう。
しかし、何かの拍子でまた増えていくものです。

よく強迫性障害の確認行為は麻薬に例えられます。
麻薬をやめようとしている人がいたとします。
「全然やらないのはつらいから、一回麻薬をやって我慢しよう」って言っていたらなんて言ってあげます?
「一回やったら、またやりたくなるよ」って言いますよね。

だから全然確認せずに練習した方が、良くなりやすいのです。

「フツーの人だって一回やってるでしょ」って言うかもしれません。
でもフツーの人は「一回も確認やらずに外出する」ってことを無理矢理やろうとすればできます。
だからフツーの人はどのように確認しているかどうかを基準にしても良くなりません。

強迫性障害の治療は大変なことも多いのですが、やり通せばリターンも大きいです。
たくさんの人が治療を受けて良くなっていっています。
覚悟を決めて、治していきましょう。

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