「 2015年06月09日 」一覧

縁起強迫を治療するたった一つのポイント

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

みなさん、縁起は気にします?
大安とか仏滅とか気にする人いますよね。
右足から踏み出さないと、何か起こってしまうとか。
スポーツ選手なんかも「ゲン担ぎ」のため、独特の決まりきった行動することありますよね。
ひどくなると、強迫性障害の縁起強迫になっちゃう場合があるんです。

頭の中に「死」など縁起の悪いことが思い浮かぶと
「何か悪いことが起こるかも」って考え、良いことを思い出そうとする。

「あんな人にはなりたくない」って人のこと考えると、その時にやっていたことを繰り返しやらないと「あの人のようになってしまうのでは」と不安になる。

これを生活が苦しくなるまでやってしまうんです。
嫌なことが浮かぶ→「嫌なことが実際に起こる」と不安になる→実際に起こるのを防ぐための儀式(良いことを思い浮かべる、やり直す)をする、がパターン。

周囲に「そんなこと(怖いこと)起こらないよね」「大丈夫だよね」と確認したくなります。
周囲が「大丈夫だよ」応じていると症状が悪化します。

当然、自分でも「そんなこと起こるわけない!」って思いこもうとしても無駄。
これも悪化します。

自分から怖いことを思い浮かべると不安は軽くなる

治療の基本は、わざと怖いことを思い浮かべて、その時の恐怖に慣らなしていくこと。
これさえ覚えておけば大丈夫です。
もちろん縁起をよくするための儀式はしてはいけませんよ。

例えば「死」を思い浮かべて「このまま死んでしまう」と考えると怖いですよね。
その怖さをどんどん引き起こすと良いわけです。
「死」とか恐れているものを自ら考えるようにしましょう。
要するに縁起の悪いことをすればよいわけです。

「死」って紙に書いて自宅のリビングにはっておいてもよいでしょう。
スマホの待ち受けにしても頻繁にみても良いかも。
神社など神聖かなって思う場所で不吉なことを考えるとか。

どれくらいやればよいのか?
これ飽きたよ・・・って思えるくらいまで何度もやるのです。
何度もあきるくらいやっていかないと、なかなかうまくいきません。

縁起強迫の治療って普通の人が思っている以上に本人は怖いです。
神様を信じている人に、神様をバカにしてみてくださいって言ってるようなもんですから。

何度も練習していくうちに嫌な考えが浮かんでも気にならなくなってきます。
ポイントは「嫌なことが思い浮かばなくなる」のではありません。
「思い浮かばないようにしよう」と考えると、逆に思い出すようになるので悪化するんです。
だから「思い浮かんでも大丈夫」を目指すと、とっても良くなります。

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