認知行動療法をやってもうまくいかない理由―書き込みばかりしてません?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

認知行動療法の本を買って、自分でやってみたがうまくいかなかった。
うまくいかない理由の一つは、コラム法ばかりをやっていることかもしれません。

いくらシートに書き込んだって良くなりませんよ
コラム法っていうのは、考え方の幅を広げていく練習方法です。
書き込みのシートなんかでやった人も多いのでは?
状況、自動思考、別の考えを書き出し気分の変化をこころみます。
例えば
「状況」
仕事でミスをして上司から怒られた

「自動思考」
私は何をやってもダメな人間だ

「気分」
落ち込み80%

「別の考え」
誰だってミスはある。他の仕事はミスは多くはない。完璧主義になりすぎないように気を付けよう

「気分」
落ち込み30%

本によって用語に違いはありますが、流れは同じかと。

コラム法は考え方を柔軟にしていく練習方法としては意味があるかもしれません。
あと書くことで考えていること客観的見られるようになる効果も期待できるかも。

問題はなのはコラム法ばかりやっていませんか?ってこと。
どうも認知行動療法=コラム法って誤解している人が多いんです。

これを何度も書き込んでいくうちに歪んだ考えが直ってきて・・・ってことはありません!

医師やカウンセラーの中でも勘違いしている人もいるくらい。
コラム法ができないから「あなたには認知行動療法は向かない」ってアドバイスしている専門家もみかけます。

いわばコラム法は認知行動療法の技法の一つにすぎません。
書き込んでいるだけで、心の病気が良くなっていく人は稀です。
ほかの技法でないと全く良くならないこと、コラム法を全く使わないことも多々あります。私なんかは年々使わないことが増えてきちゃいました。

本ではこの方法だけがクローズアップされている傾向があります。
「マイナス思考をプラス思考にする」「歪んだ考え方を治す」のが認知行動療法だと誤解していませんか?

どー考えても、コラムだけやって心の病気はあんまりよくならないと思いますけどね。
もしも良くなっているならそれでかまいませんが。
基本的にほかの方法と組み合わた方がよいです。
多分一人でやっても難しいので、専門家のサポートを受けながらやったほうがよいかと。

まとめ
コラム法は一つの技法にすぎません。
いくらやっても気持ちが楽にならないのはよくあること
「コラムをやったけど良くならかったから認知行動療法は合わない」と誤解しないようにしましょう。。
うまくいかなかったら専門家に相談してください。

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