パニック障害の方、手ぶらで外出できます?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

パニック障害で長い間悩んでいる人が、外出する時によく持ち歩いているものがあります。
・スマホ(発作になった時に連絡が取れなくなると困るから、サイトをみてごまかすため)
・水(不安になったら水を飲んでごまかすから)
・フリスク・ガム・アメ(水と同じ)
・頓服薬
・音楽プレーヤー(気をそらすため)

これらを持って外出しないと不安って人はなかなか改善していきません。

「持ち歩いていてちょっと安定したよ。それなら良いのでは?」と思いませんでした?
「いざという時のお守り」って理由をつけて。
これが落とし穴。
最初に苦手な場面に挑戦するときは有効であることがありますし、ある程度改善するかもしれません。
しかし、そのままだと苦手意識は残ったまま。
パニックへの恐怖は改善できていないハズです。
そうするとちょっとしたことで不安になり、良くなったり悪くなったりを繰り返します。

このため持ち歩かないで不安場面に直面する練習をしていくことが必要です。

「スマホとか水とかフツウに持ち歩きたいけど・・・ずっとダメなの?」と質問されることが良くあります。
これについては、このように自分に問いかけてください。
「スマホや水を持たないで外出したらどうなりそうですか?」

この質問の答えが
「暇だ」「のどが渇くなぁ」くらいだったら、あなたは持ち歩いてもOKです。

「不安で仕方がない」「発作が起こって対処のしようがない」「忘れたら帰宅してしまう」って方は、持ち歩かない練習が必要です。

持ち歩くのがダメなのではなく、持ち歩かないと外出できないことがダメなんだ、と覚えてください。

安心道具を持たなければ外出できないっていうのは、よくなっていない証拠。
パニックにとらわれない生活をしたいならば、手ぶらでも外出できるようになりましょう。

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