「 2015年02月19日 」一覧

話し方教室に行ってもあがり症が克服できないワケ

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

人前であがってしまう、いわゆる「あがり症」の人は、話し方教室みたいなところに行ってもうまくいかないことがあります。
いくら「上手な話し方」を学んで実践しても、マイナスにとらえます。
「自分はうまくできていない」「自分の緊張にみんな気づいている」「問題ないっていわれたけど、気を遣って言っている」って。
こんな感じだとあがり症は克服できません。

上手な話し方を学ぶのは悪くありません。
ただ人によっては学んだスキルが克服に活かされないのです。
場数を踏んでも慣れないパターンの人です。

こんな人には良い方法があります。
話し方を学んであがらなくなるのを目指すのではなく、「あがってしまって緊張があって、症状が出ても大丈夫」を目指していくと良いのです。
あがってはいけないと思っているうちはいつまでたっても克服できません。
あがったっていいじゃない、にしていくのです。

そのやり方をご紹介。

ワザと緊張させて周りを見てみましょう
まず自分が「あがってしまって」何を恐れているか考えてみましょう。
緊張して震えてしまう。
赤面してしまう。
汗が出てそれをみんなが気づいてしまう。

その状態にワザとなってみて、周囲を観察してみるのです。

緊張して震えが気になるのであれば、ワザと人前で震えてみてどうなるか観察する。
赤面が気になる人であれば、ワザと人前で赤面してみる、もしくは赤いファンデーションをほっぺにぬってみる。
汗がぐっしょりになるのが気になる人であれば、ワザと脇の下を水で濡らして、人前に出てみる。

「自分が恐れていることに本当に気付かれて・・・だからどうなるの?」を体験するのです。
だいたいの人が「想像つかない」「大変なことになる」と考えます。
私も「なかなかあがり症を克服できない」って人に、実際に怖いことを実施してもらうことがあります。
やってもらっての感想で多いのは、
・やってみるとほとんど気づかれない
・気づかれたとしても、それほど問題ではない
です。

冗談みたいな方法ですが、これが結構効きます!
とある有名な心理学の先生なんかは「道を歩いている人は自分の服装とか変だと思っている」と不安な人に、バッグからトイレットペーパーを垂らしてそのまま歩いてみる、という練習をして効果があったそうです。

「え~、本当にやるの?」って思うかもしれません。
コツを学ぶ必要はありますが、少しずつ気にならなくなってきます。
やったあとの達成感はありますよ。

上手な話す方で良く見せるのではなく、「あがり症の自分でも大丈夫」になる。
いいじゃない、あがり症だって。
あがり症を受け入れていくことが、克服のコツ。
そうなると上手な話し方のスキルが活かされます。

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