強迫性障害の人が車の運転でやりがちな間違い行動

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

加害強迫・確認強迫では車の運転が苦手となりやすいですね。
「誰かひいてしまったのでは」と思ってしまう。
気になった場所に何度も戻り離れられない。
確認しないようにしようと思っても、なかなかうまくいかないものです。

うまくいかない人が陥りやすい間違いがあります。
間違いを振り返り、治療に役立ててください。

強迫性障害の人が陥りがちな運転中の間違い

①アタマ中で「何も音がしていないから誰もひいていない」「大丈夫、大丈夫」と安心させようとする。
基本的に頭の中で安心させようとする行為は悪化します。
強迫に理屈で説得することは無意味。
強迫行為はアタマの中でやっていることも含みます。

②車内で音楽を流すのをやめる、窓を開けている
「誰もひいていない」を音で判断しようとしている人がやりがち。
音を確認するためにやってはいけないことの代表です。

③誰もひいていないか頻繁にバックミラー等を見る
強迫行為ですし、運転中にやりすぎるのは逆に危険ですのでやめましょう。

④夜間や慣れていない道を避ける
苦手な場面を回避しているうちは良くなりません。

⑤翌日、事故がなかったをニュースで確認する
警察に問い合わせしてしまう人もいますよね。
強迫行為ですよ。

⑥他人に確認をもとめる
他人を巻き込んではいけません。
同乗者が寝ていると不安になるため起きているよう強要していることもあります。
もちろん同乗者は「誰もひいていないから大丈夫だって!」なんて安心させてはいけません。

治療の基本は確認しない+不安なことをあえてする
ついつい「確認しない」だけになってしまいがち。
もちろん確認しないことは大事ですがそれだけでは足りません。

基本的な治療方法は「わざと不安にさせて、それに慣れていくこと」。
「アタマで大丈夫なことを確信もてるようになる」ことではありません。
大丈夫と思おうと考えているうちは良くならないもの。
どうしたらもっと自分は不安になるのか?を考えていくとよいでしょう。

「音がしないから大丈夫」の代わりにわざと最悪のストーリーを考えていくのも良いでしょう。
「もう引いてしまった。裁判にかけられて、刑務所いき」とか。
繰り返すことで不安な考えが浮かんでも流せるようになってきます。

車内では窓を閉めてお気に入りの音楽をながしていくとか、
慣れていない場所、人通りの多い場所を運転するとか、
あえて自分から不安にさらされていくようにしましょう。

繰り返し練習することが大事ですよ。

これまでやっていた安心させることをやめ、不安に慣れる練習をする。
基本をやっていくだけでグッと良くなります。

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