「アナ雪」は「ありのまま」ではなかった!感情のコントロールと孤独感を減らす方法とは?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

連休いかがお過ごしでしょうか?
私は用事のほとんどない連休であったため「アナと雪の女王」を見てみました。
歌だけは知っていたのですが、これだけ流行っていたのだからとりあえず見ておかないと。

ここから先の記事はネタバレを含みますので、アナ雪をみていない人はみてない方がよいかも。
あと、アナ雪を見ていない人にとってはわかりにくい記事になっていますので。

「ありの~、ままの~」がどんな感じで出てくるんだろう。
私の疑問でした。

それが雪山で抑えてきた力を解放して「本来の姿」の自分でいられたはずですが、引きこもって誰とも接触していないようにしているところで登場。
う~ん。
松たか子バージョンの「ありの~、ままの~」では、ものすごく前向きな歌かなぁと思っていたのですが、ソコソコ後ろ向きな印象。

不思議に思って英語バージョンの歌詞を見てみると日本語訳と比べて、やっぱり後ろ向きなような。
英語が得意な人に実際のところを教えてもらいたい。

まぁ、どちらにしろ本来の自分を隠していたのをやめたわけですよね。
しかし、自分の城に閉じこもり、人を避けて孤独なのは変わっていない。
能力は解放したけれど、コントロールはできていない。

「私はこんな人間だから。みんなに迷惑かけるだろうし、寄ってこないで」のような感じじゃありません?
実家が不自由だから一人暮らしして、自分の好きなことをしたら感情のコントロールができて、孤独感がなくなるのかというとそんなことありませんよね。
「人のことを気にしないようにしよう」と思っている時点で気にしているのです。
自由と言っておきながら孤独。
そもそも雪山に閉じこもることはエルサが望んでいた人生ではないハズ。
雪山で一人でいることが自分らしいと言えるでしょうかね。
だから、エルサは雪山に閉じこもっても何も解決していません。
むしろ現実から逃避しています。
もちろん、本人なりに最善の解決策だったのでしょう。
曲の和訳もそうですが、エルサは「ありのまま」ではないのです。

「一人が好き」って人でも本当の「孤独」には耐えられないものです。
人は人を求めているものですから。

解決策として映画でも出てきた「真実の愛」だって人と接しなきゃ「愛」は得られません。
人と接すれば傷つくリスクもありますが、得られるものも大きいのです。
「愛」が得られることで孤独感の減少、感情のコントロールもしやすくなるかもしれません。

ちなみに、これを認知行動療法で解決するとしたら・・・
①本当に人に凍らせる能力を見せてはダメなのだろうか?考え方のクセがないだろうかを検討
②実際に人に能力を見せてみて実験
③その上で能力のコントロールができないかを様々な人に相談
④「真実の愛」とは何かを細かく分析して行動に移す練習をする

前向きな取り組みだとは思いますが、映画としてはつまらなくなりますね。

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