「 2014年09月03日 」一覧

強迫性障害を治療するとどれくらい良くなるのか?薬と認知行動療法の比較

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害には認知行動療法が最も有効な手段です。
その他には薬でも効果が出ています。

実際にどれくらい良くなるか知っていますか?
どれくらい有効かどうかを知ることで、治療法の選択をする上での参考にしてください。

データは厚生労働省のサイトからです。
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_compel.html

まずはお薬。
SSRIという抗うつ薬が処方されることが多いかと思います。
まとめるとこんな感じです。
・中程度まで効く人は50%程度
・薬をやめたときの再発率は70~90%

ある程度まで症状を軽快させられるのは半分程度の人。
薬をやめると7~9割が再発するので、薬を飲み続けなければならなくなります。
ずっと薬を飲み続けることに抵抗が少ない、認知行動療法をやる勇気がない人は薬の選択となります。

では認知行動療法はというと、以下の通りです。
・プログラムを継続・完遂すれば60~90%改善
・75%が長期的に効果を維持

このデータが示すように結構効果があるし、再発率も低いです。
ただ「プログラムを継続・完遂すれば」という条件付き。
中途半端な状態で認知行動療法をやめてしまうとダメなんです。
「これくらいでいいや」と思わず、最後まで苦手なものを克服しようとすることが必要です。「どうしても良くなって、自由な生活を取り戻すぞ!」
と治療へのモチベーションが高い人だと良くなりやすいでしょう。

それぞれのメリット、デメリットを考えた上で治療法を選択してください。

ちなみに・・・どっちにしろ認知行動療法はやることをおすすめ、が私の意見です。
有効性や再発率のことも考えると、一時的には苦しくてもそれを上回るメリットがかなり大きいから。

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