「 2013年05月21日 」一覧

投票率を上げる心理学

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

先日、さいたま市長選挙がありました。

投票率が30%台と少し低いようでした。

こういうことがあるとどうやったら投票率を上げることができるのか、と話題にあがります。

これで
「みんな選挙にいかないなんてダメだ。市民意識が弱い」
と、市民を責めてはいけません。

「みんな選挙に行っていない」
とわかると
「みんないっていないんだからいかなくていいんだ」
と考えやすい心理的な傾向があり、もっと投票にいかなくなります

心理学の実験では
「あなたは投票を通じて政治に参加する、平均より意識の高い市民ですよ」
とレッテルをはってあげると、実際に投票に行く確率が高くなるという研究結果がありました。

これはラベリング・テクニックといって、「あなたは〇〇な人なんですよ」というと、その通りになる傾向があるというやつです。

この原理を応用すれば、さいたま市の投票率を上げたいと思ったら
「さいたま市民は市民意識が高いから、みんな選挙にいってるんですよ~」
と宣伝すれば投票率が上がるということになります。

これを日常生活に応用するとすれば、家事を手伝ってくれない夫や子どもに
「あまり家事を手伝ってくれない人だよね。言わなきゃやってくれないの?」
というより
「何も言わなくても家事をよく手伝おうと努力してくれているよね」

あと、心の病気を治そうとしている家族に
「全く努力してないよね」
というより、
「少しでも良くなろうとして動き出そうとしてるんだよね」
と「繰り返し」やっていると、少しずつ変わってくる・・・かもしれせん。

どちらにしろ、相手を責めるよりはいい結果になるんじゃないかなぁと思います。

言葉は伝わっていくものですからね。

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