笑いは作られているのかも

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

バラエティ番組を見ていると、笑い声がはいりますよね。

あれって本物の笑い声ではないこともある、ということは多くの人が知っています。
そういう笑いが嫌という人がたくさんいると思います。

それでもなぜ使うのでしょうか。

これについてはきちんと心理学的実験があって、笑い声を使用することで
・笑いの回数・笑いの時間が長くなる
・面白かったと評価する

という結果が出ています。

また、面白くないネタの時に使うと効果が大きくなる、という結果も出ています。

例えこのことを知っていても、結構人間は影響されてしまうのです。

なぜかというと、これは社会的証明の原理というものがあるから。

社会的証明の原理というのは、周囲の人の行動を見て自分がどうやってふるまったら良いかを決める、というもの。
要は人が正しいと思っていることを正しいと思ってしまうとか、「みんながやっているから正しいと思う」ということ。

判断基準に自信がなかったり、不確かなことである時は、原理が強く働きます。

人が笑っていると、面白いものと判断してしてしまうのです。
それが作られた笑いであっても。

結構マスメディアなんかでは使われていて「自分はそんな原理に影響されていない」と思う人でも、まず影響されています。
人って自分で判断しているつもりでも、人に左右されている生き物なんですね。

時々「人が面白いと思っているものを面白いと思えない」と言って「自分は変ではないか」と悩んでいる人がいます。
もしかしたら、それは自分がおかしいのではなく、周囲が流されているだけかもしれませんね。

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