「 2012年01月 」一覧

うつ病は3ヶ月で治るのか?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

心の病気について色んな書籍がありますよね。

私は時々一般の方向けで書いてある、有名な先生のコメントをみて疑問に思うことがあります。

一般向けの雑誌では「うつ病は薬と休養で3ヶ月で必ず改善します」と言っておきながら、
専門家向けの雑誌では「うつ病が薬と休養で3ヶ月で必ず改善する、なんて言うことは問題」
なんて言っていること。

調子がいいですねぇ。

某大学病院の先生は一般向けの雑誌で「私のところにくれば、うつ病は薬と休養で8割は治る」と大胆発言していることも。
本当にそうだったらすごいのですが・・・。

いろいろと大人の事情があるのでしょうけれど、一般向けの雑誌の専門家の発言ってどうなんでしょうね。
発言している本人に会う機会があったら、怒らせないように聞いてみたいものです。

薬と休養によって3ヶ月くらいで徐々に回復する人もいるけれど、年単位で改善していく人もたくさんいます。

薬と休養だけでは不十分なので、環境調整やカウンセリングをしながら治っていく人もたくさんいます。

うつ病で苦しんでいる人なら、どこから3ヶ月という数字がでてくるのか?と思う人もいるのでは。

3ヶ月で良くならないと「もしかして私は重症では?」と思って落ち込んだり、周囲からは「3ヶ月経ってもよくならないのはやっぱり怠けだ。もっとがんばれ」と言われ落ち込む、という話もききます。

うつ病は3ヶ月で改善する病気、というフレーズをみたら注意しましょう。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は 浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


薬は全てを解決するのか?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

私はブログでお薬以外の対処方法について書いているので、アンチ薬物療法なのか?と思われがちですが、そうではありせん。
心の病気でお薬を服用することは大事ですよ。

認知行動療法にも限界がありますし。

カウンセリングにこられる多くの方が薬物療法と併用していますし、お薬が必要じゃないかなと思えば医療機関の受診をすすめることもあります。

しかし、お薬をなんでも前向きに解決してくれる魔法の薬としてはマズイと思います。

過労でうつ病になった人が、薬を飲んで治っていったからといって、また以前と同じペースでやってしまうと、再発しやすいでしょう。
無理な働き方を改善したり、仕事に対する考え方を振り返った方がよいと思います。

昔から人生に虚無感を抱いていた人が、薬を飲んだら虚無感がなくなり、ハッピーになるということはないと思います。
自分がどこに価値を置き、どのようにしたら充実した人生になっていくのかを考え、行動していかなければいけないでしょう。

パニック障害で電車が怖い人や社交不安障害で人前で緊張する人が、薬を飲んで良くなったら、それからの人生においてもう恐怖や不安を感じなくなるのかといったら、それはないでしょう。
不安や恐怖はゼロになることないと思います。
恐怖や不安との付き合い方を学んだ方がよいかもしれません。

お薬は大事ですが、これまでの「生き方」や不安とのかかわり方を見直していかないと、また同じことを繰り返してしまうこともあるかもしれません。

何度も再発している人やなかなか良くなっていかない人は、今一度自分の生活スタイル、不安との付き合い方を振り返ってみてはいかがでしょうか?

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は 浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


人間関係で大切なこと

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

やってみせ、言って聞かせて、させてみて、 ほめてやらねば人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。

山本五十六

有名な言葉ですよね。

色々なところで引用されています。

子育て、部下への指導、人間関係において色々と応用できるところでしょう。

しかし、これを実行しようとすると結構難しいもの。

ついつい「言って聞かせて」だけをやってしまう。

やってみせ、言って聞かせたのにやってくれないと、イライラする。

話し合い・承認のつもりが、自分の主張を通すことだけ考えたりする。

ほめる・感謝・信頼は、わかっていてもあまりできなかったりする。

人を動かすことってそんな簡単ではありません。

「3食バランスよく食べて、適度な運動して、規則正しい生活をすることが、心の健康を保つコツですよ」
って、専門家から言われて、動きます?

結果をあせってはいけません。

こういうものって、一気に変わるんじゃなくて、ジワジワと変わってくることだと思います。

なんでもそうですが、一つ一つじっくりと実践していくことが大切ではないのでしょうか。

今日から一つでも意識して実践してみては?
あなたはどれから実践してみます?

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強迫性障害の治療法のメリット・デメリット

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害に行動療法が有効なのは何度もこのブログで書いてきました。

ただ、それでも受けるかどうか迷う人も少なくないと思います。

そこで、薬物療法と行動療法のメリット・デメリットを挙げることで、これからの治療法を選択する上での参考にしてもらえればと思います。

まずは薬物療法です。
メリット
・薬を飲むだけなのである意味で楽

デメリット
・薬を中断すると再発しやすい
・薬への反応がそれほどよくないことも多い
・何年間も薬をもらいにいかなくてはならない

そして行動療法です。
メリット
・薬物療法よりも改善率は高いと言われている(完遂すれば)
・薬がなくても対処法がわかるので、仮に症状が後で出ても対処できる

デメリット
・苦痛を伴うことが多い
・毎週~隔週程度で2~3ヶ月は来談する必要性がある(場合による)

さて、どう思いましたか?
もちろん薬と行動療法を併用することでも良いわけですが。

私は行動療法をやっている経験から、少なくとも
・薬物療法でなかなか良くならない方
・将来薬をやめたいと思っている方
・妊娠を望んでいる方

は、行動療法も受けることをおすすめしています。

薬物療法のデメリットをカバーできるので。

よく考えて治療法を選択してみてください。

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寝酒について

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

新年会でお酒を飲む機会が増えていませんか?

お酒の飲み過ぎには注意です。

あと、寝酒の癖がある人は注意ですね。

寝酒は寝つきを良くしますが、睡眠の質を悪くします。
あと脱水状態になりますので、喉が渇くなどして途中で目覚めたり。

またアルコール依存にもつながりやすくなります。

眠れなくて寝酒をするくらいなら、睡眠薬を飲んだ方がよいかもしれません。

どうしても夜にお酒を飲まなければいけない時は、寝る時間の2時間前までにお酒を飲み終えてくださいね。

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睡眠不足の時は決断しない

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

うつ病の人は「重大な決断は後回し」という鉄則があります。

冷静な判断ができない状態での重大の決断はよろしくありませんからね。

これは、何もうつ病の人に限ったことではありません。

例えば、睡眠不足の時や、失恋した時、気が散っている時、などもあてはまります。

こういう時に、極端な結論を出したり、普段なら信じないような言葉に引っかかり、変なものを買わされたりする可能性があります。
これがまた、そんな心理学的な研究もあるのですよ。

夜中のテレビショッピングで寝不足なんかでみると、ついついいらないものを買っちゃうって経験ありません?

これを防ぐには、まず自分の状態がどういう状態かを自覚することが大切です。

寝不足の状態や気分が落ち込んでいる時は、決断を避けましょう。

無理は禁物です。

そしてすっきりしている時に、決断をして下さい。

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腰痛とうつ病との関連

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

ここ数日腰痛がひどい私。

下においたものをとったり、重いものをもったりするのが結構大変です。

昔から腰痛もちなので、仕方ないのですが・・・。

皆さんも腰痛で悩まされていませんか?

実は腰痛とうつ病との関連性があるのではないか、という指摘があります。

最初は腰痛など身体の痛みがあって、整形外科にいってもこれといって異常なし。
次第にに不眠とか気分の落ちこみとかが出てきて精神科にいったら、薬が処方される。
気分の落ちこみなどが改善してきたら腰痛も改善、といったパターン。

頭痛とか胃痛とか肩コリとか、うつ病って最初に身体の症状として出てくることがあることは有名な話なので、腰痛も不思議なことではありませんよね。

最近うつ病になってもおかしくないなぁ、って思う人で腰痛が出現している人は注意して下さいね。

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考えていることを客観的にみる練習

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

自分の考えていることを客観的にみてみる練習があります。

別に小難しい本なども読まなくてもできますよ。

簡単な方法の一つは自分の考えていることに
「~と考えている」
「~という考えをもっている」

とつけてみることです。

例えば
私はダメな人間、と考えている
といった感じに。

「私はダメな人間」だけだと、私=ダメな人間、ということになってしまいます。
それを「~と考えがある」というと、私はダメな人間=考えていること、ということになります。
つまり私=ダメな人間ではなく、単なる考えであるという認識をする練習です。

簡単ですよね?

やり方は簡単ですが、やっていくと難しいもの。

よくあるのは「自信のない人間」と思っている人が「それは考えではなく事実です」と納得いかない場合。

それも「考えではなく事実だ、と考えている」としてよいかもしれません。

自信のないことに自信があるのですし。

自信があると考えているものもあるし、自信がないと考えているものもある、というのがより正確な表現でしょう。

毎日練習してみると、自分がいかに事実かどうかわからない「考え」にしばられているかがわかるようになってきますよ。

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強迫性障害は治らないのか?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

うつ病の方が医療機関を受診した時には「薬飲んで休養していれば治りますよ」というステレオタイプのことをいわれることが多いと思います。

一方で強迫性障害の人が医療機関を受診した時に
「薬を飲むと楽になりますよ」と言われるけれど、強迫行為については
「あまり良くならないよ」「確認しちゃうのはしかたないから確認したら」
って言われることが結構あるような気がします。

そういわれると患者さんは「そうなんだ」と思ってしまい、薬だけを飲んで症状は一進一退を繰り返すことがあります(全てではありませんが)。

うつ病は簡単に「治る」と言ってしまうのに、なぜ強迫性障害は「治らない」と言ってしまう人が多いんだろう。

強迫性障害は良くなる可能性は十分にあります。
行動療法を組み合わせると特にそうです。

ここ数十年で研究が進んできて、行動療法などの効果が認められています。

実際、私もよくなっている人をたくさん見てきました。

強迫性障害の場合はうつ病と違い、休んでいてもなかなか良くなりません。

十分よくなる可能性があるのに、適切な治療を受けていない方が多いのは残念なことです。

大半の時間を強迫行為に支配されてしまいます。

そうすると自分自身の時間を失ってしまう可能性があるのです。

時間を失う前に、早めに行動療法などをうけることをおすすめします。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は 浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
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カウンセリングに来ることがすでに変化

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

カウンセリングに来る患者さんは、なかなか症状が変わらないから来ます。

「毎日なかなか変わらない」とも言います。

しかし、変わっていることに気づかない人も多いものです。

変化していても「これしか変わっていない」とマイナスにとらえていているのが要因の一つ。

それがマイナス思考というものなのですが。

実はカウンセリングに来た時点ですでに変化は起きています。

これから何か違うことをやろうと決意しているわけですし、前に向かっているのです。

ほとんどの人は「相談しにいっただけではないか」と思うかもしれません。

それこそが解決への第一歩。

「あーでもない、こーでもない」とグルグル悩んでいることから抜け出すために起こした立派な行動の変化なのですから。

変化ととらえられるようになれば、うつや不安から抜け出せるのかもしれませんね。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は 浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
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