「 2011年04月06日 」一覧

強迫性障害と囚われる時間

臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害には行動療法が世界的にもスタンダードな治療法ですし、治療において第一選択肢とされていますが、強迫性障害の方で行動療法を受けている人はそれほど多くはないと思います。

その理由の一つは強迫性障害だと思わずに長い間過ごしていること。
子どもの頃から症状はあったものの、病気だとは思わずにすごしていることがあります。
まず病院を受診するまでに時間がかかるのです。

さらに病院を受診したとしても
・強迫性障害と診断されない
・薬物療法を何年も続けていても良くならない
・症状が軽減しても薬を減らすとまた元に戻る
といったパターンが少なくありません。

また行動療法を希望したとしても
・「やっても意味がない」と主治医から言われる
・そもそも行動療法をやっている臨床心理士がいない
というパターンになることも多いでしょう。

これらのことから強迫性障害の方は薬物療法と行動療法という二つの標準的な治療を受けるまで数年~10数年かかることは珍しくないといわれています。
行動療法についてはやっていない人の方が多いのではないでしょうか。
その期間、多くの時間を強迫的な考え・行動に囚われることとなるのです。

以前はあまり治らない病気といわれていましたが、現在では適切な治療を受ければ良くなっていくというデータがでています。
早めの治療を心がけていくことで、強迫性障害に囚われない時間を取り戻していきましょう。

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