不安に挑戦しても治りにくい社会不安障害

臨床心理士の鈴木です。

人前で話す、書く、食べるなどの場面で過度の緊張、吐き気などの症状が問題となる社会不安障害について。

私もよく人前で話すと緊張します。
大勢の前ではなおさらです。
自分では「大勢の前で話すのは苦手」「人が大勢いる飲み会は苦手」と思っています。
私のカウンセリングを受けている患者さんや、私の周囲の人には「それはない」といつも否定されますが・・・。
苦手といっておきながらベラベラ余計なことばかりしゃべっているせいかもしれません。

さて、社会不安障害の患者さんからよく聞くのが、自分で克服しようとして、何度も不安な場面に挑戦するけれども、なかなか治らなかったという経験があるということ。

この場合、不安場面において
・ずっと人と目を合わさないようにしている
・一言もしゃべらずじっとしている
・不安を避けるために、作業を早く終わらせようとする
・不安なことを忘れようとばかりする
・リラックスしなければ大変なことになるのでは、と考えている
などの行動をしている印象があります。

これらの行動は不安場面に直面しても、その場しのぎの短期的な効果しか生み出していないのです。
その結果、十分にその場に慣れることができず不安が続きます。
特にリラクゼーションなどの方法を身につけている方は注意です。
リラクゼーション自体は悪いわけではありませんが、「十分にリラックスしなければいけない」と考えすぎると逆効果になる場合もあります。

つまり、不安を下げるための対処ばかり考えるということは、不安を呼び寄せることにもなり得るのです。

このような場合はなかなか良くなりません。
せっかく勇気をふりしぼって不安な場面に挑戦しても、失敗ばかり繰り返すと逆効果です。

不安場面に挑戦してもうまくいかないという方、思い当たりませんか?

余談ですが、私が「人前で話すのは苦手である」と考えていたとしても、「人前で話す」ことはできます。
プラス思考になったら、自信がついたら人とうまく話せることができるだろう、と考えている人もなかなか良くなりにくい印象ですがどうでしょうか?
考えていることが行動の原因であるという誤解から抜け出すテクニックを身につけることも、回復するコツかもしれませんよ。

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