「 2009年02月06日 」一覧

強迫性障害の家族の対応

臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害の症状は様々です。
手洗い、鍵がかかっているかの確認を何度もしてしまう、などなど。

強迫性障害には行動療法が効果が認められています。
薬だけでも良くなっていくこともありますが、薬をやめるとまたもとに戻ってしまうことが多いと思います。

強迫性障害の治療は行動療法を行うことで多くの方の症状が軽快していきます。
行動療法という強迫性障害に対しては世界中でその効果が認められている方法を、患者さん側が知っているかどうかで、今後の人生が変わる可能性があります。
「そんな効果が認められている方法なら、どこの医療機関に行ったって必要なら勧められるだろう」と思うのは当然でしょう。
しかし、日本の精神医療の現状は残念ながらそこまでいっていません。
ほとんど治療効果が認められていないカウンセリングを長い間受けている方が多いと思います。

患者さんがお子さんならなおさらです。
よく箱庭をしたり、絵を永遠と描かせるなどを聞きますが、それは治療的効果に対して科学的根拠に乏しい方法です。
まだまだ日本ではそのような方法まかり通っているのが現状です。
患者さん自ら治療に対する正確な知識をもち、それができる治療者を探す必要性があります。

また、家族の対応を変えることにより回復が早くなることがあります。
強迫性障害の患者さんの家族は本人のかわりに確認などの手伝いをしてしまっていることが多いかと思います。
実はこの家族の行動が症状を維持、増大させるものなのです。

一時的に本人は楽になるかもしれません。
しかし、徐々に家族対し何度も確認を要求するようになり、家族も苦しくなります。
その結果、本人もさらにつらくなっているのです。

ですから家族は確認をしてあげる行為をやめなくてはいけません。
いきなりやると本人もつらいので、ポイントをカウンセラーと相談しながらやっていくのが良いでしょう。
このため私は1回だけでも良いので家族にも来談して下さるようお願いすることも多々あります。

強迫性障害で失うのは「時間」です。
多くの時間を、うつや不安を振り払うことに使っています。
それによって日常生活、趣味、仕事ができなくなり、将来への希望がもてなくなります。

何年も悩んでいる方は早めに行動療法を受けることをお勧めします。

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