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統合失調症

統合失調症とは

統合失調症の症状には大きく分けて陽性症状と陰性症状の二つがあります。陽性症状は一見すると派手に見え、妄想や幻覚などを含みます。また思考の障害から他人からは支離滅裂に受け取られることもあります。陰性症状は一見すると地味に見えますが、こちらの方が統合失調症の中心的な症状になります。これは感情の起伏がなくなったり、活動する意欲がなくなったり、他者と意思疎通をしなくなったりします。そして他者からはただ何もせずに時間を過ごしているだけと受け取られることもあります。また、集中力もなくなり注意が散漫になったりもします。こうした様々な症状がありますが、同じ統合失調症でも、例えば陽性症状がなかったりなど、異なる症状の出方をすることが多いです。

統合失調症は決して珍しい病気ではなく、100人に1人の割合で起こる病気です。青年期ごろに起こることが多いようです。

統合失調症の治療

最近では統合失調症の治療方法も改良されてきていて、長期の入院が必要になる事は少なくなってきました。まず統合失調症の治療には薬物療法がとても大切になってきます。継続的に服薬することで再発の可能性をかなり減らすことができます。

また、地域で生活をしていく技術を学ぶために、様々なリハビリテーション施設があります。定期的に通い様々な活動を行うデイケアや、就労のための技術を学ぶ作業所、自立した生活を送るためにそこで生活をするグループホームなどがあります。

統合失調症の理解

昔から統合失調症の方の体験を理解するために様々なことが言われてきました。精神科医のコンラートは統合失調症の起こった状況を「われわれ性の喪失」と呼んでいます。これは他の人と自分との住む世界が全く違ったものであることに気づくこと、そこにはっきりと断絶があり、自分がいる世界は誰かと一緒にいるものではないと気づくことを表しています。

ブランケンブルクという人は、普通の人が自然のこととして受け止めているようなこと、例えば今自分がこの世に存在していることを自然なこととして受け入れられず、それを何とか因果的、科学的に説明しないと自分が存在しているように思えない、というようなことを言っています。そのために思考が混乱したり、何も考えられなくなったりします。

また、精神分析家のビオンは、恐ろしい体験が自分の内側にあると考えると耐え切れないため、自分の外から来るとみなすようになる、と考えました。そしてその外から来る恐怖の対象が自分の思考を壊していく状況を描いています。

いずれにせよ統合失調症の様々な症状は、それ以上に恐ろしい体験から自分を守るために起こっている、と考えられます。

そしてユングは統合失調症の方の持つ、一見理解不能なイメージを、人類が共通に持つ無意識の中から現れたものだと考え、神話や昔話の研究を通して統合失調症を理解していきました。すると様々な統合失調症の方のイメージと共通するイメージが神話や昔話の中にあることが見つかりました。このことからユングは統合失調症の方の持つイメージが人類に共通するものなのだと理解しました。

統合失調症へのカウンセリング

統合失調症のカウンセリングでは、まずどのように現実的な生活を送っていくのかを具体的に話し合うことからはじめることが一般的です。例えば仕事をどうするのか、抑うつにどう対処していくのか、恋人との関係をどうするのか、病気を他者にどう伝えるのかなどです。そして一般的なカウンセリングのイメージとは異なり、冗談を言ったり、カウンセラーの方が質問に答えたりすることもあります。

何よりも大切なことは統合失調症に伴う症状を無理になくそうとしたりしないことです。前述のように統合失調症の症状にはご本人を守っているという一面もあるということを尊重していきます。

そのようなカウンセリングを土台として、時として自分の体験の意味を考えてみることもあります。例えばユングの行ったように自分の持つイメージと似た神話や昔話を見ることで、その体験が決して自分ひとりだけのものではないことを理解します。それにより統合失調症の方の持つ、他者と断絶してしまったような感覚に少し変化をもたらすことができる場合があります。

参考文献
Jung,C.G. 1911-1912 Wandlungen und Symbole der Libido. (野村美紀子訳 1985 変容の象徴 筑摩書房)
Spillius,E.B.(ed) 1988 Melanie Kleinian Today, Vol.1 & Vol.2. Routledge. (松木邦裕監訳 1993 メラニークライントゥディ@ 岩崎学術出版社)
Weiden,P.J., Scheifler,P.L., Diamond,R.j. & Ross,R. 1999 Breakthroughs in Antipsychotic Medications. National Alliance for the Mentally Ill.(藤井康男・大野裕訳 2003 新薬で変わる統合失調症(第二版) ライフサイエンス)

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